特集 PR

Eveとは何者か? MVの総再生回数2億2千万回を誇る彼の歩みを考察

Eveとは何者か? MVの総再生回数2億2千万回を誇る彼の歩みを考察

Eve『おとぎ』
テキスト
麦倉正樹
編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2019/02/14

アニメ映画さながらの“僕らまだアンダーグラウンド”MV

中間色を基調とした淡い色彩の世界から、鮮やかな色彩と光と闇のコントラストが眩しい新たなる世界へ。1月24日に公開された新曲“僕らまだアンダーグラウンド”のミュージックビデオ(以下、MV)、そして、その後2月6日にリリースされたニューアルバム『おとぎ』によって、Eveが生み出す音楽世界は、これまで以上に多くのリスナーを獲得しながら、さらなる「変容」を遂げ始めているようだ。「変わること」……それは、Eveというアーティストの本懐でもある。

映画『君の名は。』(新海誠監督 / 2016年)などで知られる川村元気のプランニング / プロデュースのもと、アニメーション制作会社10GAUGEの依田伸隆が監督を、『おそ松さん』などで知られる浅野直之がキャラクターデザインを、そしてWIT STUDIOがアニメーション制作を担当した“僕らまだアンダーグラウンド”のMV。

公開からわずか2週間で300万を超える視聴数を記録しているこの曲をはじめ、“ラストダンス”(680万再生)、“アンビバレント”(350万再生)、“トーキョーゲットー”(1300万再生)、“アウトサイダー”(670万再生)など、この9か月のあいだにMVが公開され、いずれも高い視聴数を記録している楽曲を余すことなく収録したEveのニューアルバム『おとぎ』は、ある意味、あらかじめヒットを約束されていた、まさしく待望の1枚と言うべき作品に仕上がっている。

Eve『おとぎ』
Eve『おとぎ』(Amazonで見る
Eve『おとぎ』を聴く(Apple Musicはこちら

音楽を始めてから、新木場STUDIO COASTでのライブチケットを即完させるまで

目立ったメディア露出があまりないことから、「新人アーティスト」という括りの中で語られることも多いEve。しかし、YouTubeチャンネル登録者数86万人、Twitterのフォロワー数36万人、MVの総再生回数2億回など、インターネットの世界において、彼はすでに堂々たる存在感を示しているのだ。それにしても、彼の音楽は、なぜこれほどまでに熱烈な支持を獲得しているのだろうか。

BUMP OF CHICKENの楽曲をきっかけに、音楽に対する興味を持ったというEve。なるほど、Eveの生み出す楽曲は、BUMP以降、RADWIMPSなどが切り開いていった、日本ならではのギターロックの系譜に連なるものと言えるだろう。しかし、彼がユニークなのは、そこでバンドを組み、ライブを重ねながらインディーズで音源をリリースして……という、従来の在り方とは異なる経路を辿りながら現在に至っているという点にある。彼が登場し活躍してきたのは、ライブハウスではなく、主にインターネットの世界なのだから。その意味では、ボカロPからそのキャリアをスタートさせた米津玄師以降のアーティストと言うことも可能だろう。

2009年、動画投稿サイトで「歌い手」としての活動を開始し、持ち前の歌の上手さと、中性的で柔らかな質感を持ったその声によって支持者を増やしていったEveは、その後、バンドやユニットでの活動、ボカロPの楽曲のカバーを中心とした自主制作アルバムのリリースを経て、初の全国流通盤『OFFICIAL NUMBER』(2016年)で、ようやく本格的にオリジナル曲を作り始めるようになったという。それは同時期に、ワンマンライブを行うようになったこととも深く関係しているようだ。

Eve『OFFICIAL NUMBER』を聴く(Apple Musicはこちら

他の誰かの言葉でなく、自分自身の言葉で歌うこと。かくして、「歌い手」から「シンガーソングライター」へと変貌を遂げた彼は、2017年の12月に全編オリジナルのアルバム『文化』をリリース。オリコンインディーズチャートで1位、iTunesで2位を獲得するなど、異例のスマッシュヒットを記録することになる。さらに、それを受けて行った東名阪ツアーも大盛況。そのファイナルとなった2018年11月の東京・新木場STUDIO COAST公演は、チケットが即完するほどの人気を獲得するに至ったのだった。

Eve『文化』を聴く(Apple Musicはこちら

オリジナル楽曲で勝負するようになって、わずか2年での大躍進。その背景には、彼が自身の仲間たちと一つひとつ丁寧に生み出してきたMVの存在がある。『文化』や『おとぎ』のジャケットデザインも担当するMahをはじめ、Waboku、OkamotoといったEveが敬愛するクリエイターたちと一緒に作り上げてきた、全編アニメーションのMVの数々。それは、Eveの楽曲に合わせて作られたものというよりも、そのイメージによってEve自身の音楽や言葉も緩やかに変化していくような、そんな関係性にあるという。

Eve“トーキョーゲットー”(『おとぎ』収録曲)

Page 1
  • 1
  • 2
次へ

リリース情報

『おとぎ』初回限定盤
Eve
『おとぎ』初回限定盤(CD+DVD)

2019年2月6日(水)発売
価格:2,700円(税込)
TFCC-86664

[CD]
1.slumber
2.トーキョーゲットー
3.アウトサイダー
4.迷い子
5.やどりぎ
6.アンビバレント
7.楓
8.ラストダンス
9.僕らまだアンダーグラウンド
10.君に世界
11.dawn

[DVD]
1.アウトサイダー MV
2.トーキョーゲットー MV
3.アンビバレント MV
4.ラストダンス MV

『おとぎ』通常盤
Eve
『おとぎ』通常盤(CD)

2019年2月6日(水)発売
価格:2,160円(税込)
TFCC-86665

1.slumber
2.トーキョーゲットー
3.アウトサイダー
4.迷い子
5.やどりぎ
6.アンビバレント
7.楓
8.ラストダンス
9.僕らまだアンダーグラウンド
10.君に世界
11.dawn

イベント情報

『Eve 2019 春Tour おとぎ』

2019年3月25日(月) 会場:大阪府 なんばHatch

2019年3月28日(木)
会場:愛知県 名古屋 ダイアモンドホール

2019年4月29日(月・祝)
会場:東京都 Zepp DiverCity

プロフィール

Eve(いゔ)

2枚の自主制作アルバムを経て、2016年に初の全国流通盤「OFFICIAL NUMBER」をリリース。本作から自身による作詞・作曲中心の作品構成となる。2017年12月13日に発売したインディーズアルバム「文化」は初の全自作曲のみで制作。収録曲「ナンセンス文学」「あの娘シークレット」が1000万再生を超え、「ドラマツルギー」「お気に召すまま」が2000万再生を突破するなどしているほか、オリコンインディーズチャート1位、iTunes2位を記録し話題に。2018年には「文化」を携えた東名阪ワンマンツアーを開催し、11月4日に自身最大規模となるSTUDIO COASTで追加公演を実施。チケットはいずれも即完となった。2019年2月6日にはニューアルバム「おとぎ」を発売。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

東京ゲゲゲイ“KIRAKIRA 1PAGE”

ダンスのみならず多角的な活躍を見せる東京ゲゲゲイが“KIRAKIRA 1PAGE”のMVを公開。作詞作曲はリーダーのMIKEYが担当した他、作曲には新進気鋭のトラックメイカー・MATZも参加。これまでのキテレツさや妖艶さを押し出された作品とは打って変わって、爽やかで切なさを感じさせるMVとなっている。5人が勢ぞろいして一糸乱れぬダンスを見せる終盤の展開は圧巻。是非、最後の最後まで鑑賞してほしいMVだ。(中田)

  1. 菅田将暉が語る、芸術文化への問題意識。米津らと共有する価値観 1

    菅田将暉が語る、芸術文化への問題意識。米津らと共有する価値観

  2. BTSの映画『BRING THE SOUL: THE MOVIE』予告編公開 上映館や前売情報も 2

    BTSの映画『BRING THE SOUL: THE MOVIE』予告編公開 上映館や前売情報も

  3. 『音楽の日』に三浦大知、嵐、IZ*ONE、欅坂46、椎名林檎、WANIMAら登場 3

    『音楽の日』に三浦大知、嵐、IZ*ONE、欅坂46、椎名林檎、WANIMAら登場

  4. 山田孝之「踏んづけて!」 AV監督村西とおるの半生描く『全裸監督』予告編 4

    山田孝之「踏んづけて!」 AV監督村西とおるの半生描く『全裸監督』予告編

  5. 米津玄師やあいみょんの映像を手掛ける山田智和、初個展『都市の記憶』開催 5

    米津玄師やあいみょんの映像を手掛ける山田智和、初個展『都市の記憶』開催

  6. ハイバイ岩井秀人が語る演劇と小金井 23区外が持つオルタナ精神 6

    ハイバイ岩井秀人が語る演劇と小金井 23区外が持つオルタナ精神

  7. 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』場面カット公開、新キャラ登場 7

    『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』場面カット公開、新キャラ登場

  8. サカナクション“モス”PV公開、深田恭子主演ドラマ『ルパンの娘』主題歌 8

    サカナクション“モス”PV公開、深田恭子主演ドラマ『ルパンの娘』主題歌

  9. 「うんこミュージアム TOKYO」お台場に8月オープン、テーマ曲はtofubeats 9

    「うんこミュージアム TOKYO」お台場に8月オープン、テーマ曲はtofubeats

  10. 松岡茉優×松坂桃李×森崎ウィン×鈴鹿央士 映画『蜜蜂と遠雷』予告編公開 10

    松岡茉優×松坂桃李×森崎ウィン×鈴鹿央士 映画『蜜蜂と遠雷』予告編公開