コラム

この時代に「謎のカセットテープ」を配布するTAMTAMとは?

この時代に「謎のカセットテープ」を配布するTAMTAMとは?

金子厚武
2014/01/28

なぜこの時代にカセットテープなのか?

そんなTAMTAMが昨年のクリスマスに「謎のカセットテープ」の無料配布を発表。「なぜこの時代にカセットテープなのか?」「何の曲が収録されているのか?」と大きな波紋を呼んだが、この時点では「ここには来春発売予定の新作に関わる重大なヒントが隠されています」とのコメントのみ。そして、年明けの1月15日、全国のタワーレコード17店舗で、1月21日からテープの配布が開始されることが発表され、今現在ではすでに入手困難との話も聞く。

では、「なぜこの時代にカセットテープなのか?」という話。CDからデジタルへと音源の発表方法が移行する中、まずアメリカでCD以前のメディアであるアナログレコードやカセットテープが見直され始めた。特にカセットテープに対しては、上の世代はノスタルジーを、下の世代は真新しさを感じ、コレクターズアイテム的な意味合いも含めて愛されるようになると、その流れは世界へ広がり、もちろん、ここ日本にも到着。この1〜2年ほどで、カセットテープを作るインディーバンドが少しずつ増え始め、短冊形のCDシングルを見直すといった、日本独自の動きも起きている。実際のところ、「えー、カセットテープなんて聴けないよ」という人がほとんどだとは思うが、その多くにはダウンロードコードが付属していて、ネットを通じてその曲が聴けたりと、こういったあたりは非常に現代的。つまり、今熱心な音楽ファンにとって、カセットテープはクールなアイテムというわけだ。

さらに言えば、ダブという音楽が、アナログなメディアとの接点が強い音楽であることも関係しているように思う。ダブにはダブプレートというアナログレコードの文化があり、プロモーション用に作られた希少盤であるダブプレートが、その珍しさによってDJの武器になったという歴史がある。また、「ダブ」とはつまり「ダビング」であるように、録音環境がデジタルに移行する以前は、マルチトラックレコーダーを用いてテープを加工することが一般的だった。つまり、「謎のカセットテープ」とは、こういったダブという文化の一側面を象徴したものだと言えるかもしれない。

TAMTAM

3月にプレデビューシングル『クライマクス & REMIXES』を発表

では続いて、「何の曲が収録されているのか?」について。実際に手に入れたカセットテープを見てみると、ラベルには曲名の表記は一切なく、バンド名とSoundCloudのURLが記載されているのみ。早速A面から再生してみると、木琴のような音を配した、ダンストラック寄りの楽曲が聴こえてくる。歌はしっかり聴こえてくるが、ところどころエディットが施され、かなりジャンルレスだが、耳に残る強烈なフックを伴う1曲だ。続けてB面へと行くと、ぶっといベースとこもった音色のスネア、ディレイでかなり飛ばされたボーカルと、こちらはいかにもダブらしい雰囲気を漂わせる。SoundCloudで試聴をすることはできるが、フルバージョンを聴けるのは現時点でテープのみ。手に入れることができた人は、ラッキーだと言っていいだろう。

さらにTAMTAMの勢いは止まらない。カセットテープの配布がスタートした1月21日、今度は3月5日にタワーレコード限定のプレデビューシングル『クライマクス & REMIXES』のリリースを発表。表題曲の“クライマクス”に、あらかじめ決められた恋人たちへの池永正二と、junet kobayashiによるリミックスを加えた3曲入りだそうだが……ん? クライマクス? そういえば、A面に収録された曲の中で、kuroははっきりと「クライマクス」と歌っているような……あら恋の池永とkobayashiのリミックス……なるほど、そういうことか。いや、実際に僕はこの収録曲の正解を知らないので、断定は避けておこう。しかし、僕の予想が当たっているのならば、“クライマクス”という曲は、かなりのキラーチューンであるはず。プレデビューシングルでいきなりクライマクス? いやいや、きっと彼らはそれすらも超えていくはずだ。

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イベント情報

『TAMTAM I DUB YOU TOUR2014』

2014年3月16日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:愛知県 名古屋 池下CLUB UPSET
出演:
TAMTAM
jizue
egoistic 4 leaves
料金:2,800円(ドリンク別)

2014年3月23日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 アメリカ村 CLAPPER
出演:
TAMTAM
psybava
and more
料金:2,000円(ドリンク別)

2014年4月6日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 下北沢 SHELTER
出演:
TAMTAM
THE OTOGIBANASHI'S
料金:2,500円(ドリンク別)

プロフィール

TAMTAM(たむたむ)

存在感のある歌声を軸に、レゲエを土台にしつつ雑多なビートを咀嚼したリディムセクションが太くうねるようにボトムを支え、バレアリックで時に空間的なギター、メロウなキーボードが彩りを添える21世紀型DUB BAND。ライブでは常にDUB PAを帯同し、生演奏に絡みつくようなリアルタイムのディレイ、リバーブ処理が空間を歪ませる。

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(山元)

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