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3.11以降の東京で表現する 悪魔のしるし(危口統之)×サンガツ(小泉篤宏)×小沢康夫

3.11以降の東京で表現する 悪魔のしるし(危口統之)×サンガツ(小泉篤宏)×小沢康夫

インタビュー・テキスト
前田愛実
撮影:小林宏彰

「面白いものを観たい」という純粋な欲求に応えられるイベント

―改めてお伺いしますが、なぜ浅草の花やしきという会場を選ばれたのでしょうか?

小沢康夫

小沢:もともと浅草には縁があったんです。20代の頃、浅草で開催していた演劇祭で下働きをしていました。それに花やしきではないけれど、この仕事だけでは食えなかった時、遊園地の企画の仕事なんかを掛け持ちしてやってたんですよ。だからこの企画はそんな自分に決着を付けるということでしょうか(笑)。今、原宿のファッションビルの仕事もやらせていただいていますが、遊園地もファッションビルもまさに大衆の欲望が渦巻く場所なんです。

そんな場所に身を置いてアートと向かい合うのは単純にシビレるんですよ。それが僕にとっての公共とのせめぎ合い。僕は公共の劇場とか文化施設にいるプロデユーサーではないので、彼らと同じことをやっていたのでは勝ち目がない。若い頃に見たテント芝居やアングラ芝居って、みんなイチから場所を立ち上げていたので、そうした精神を継承しているつもりもあるんです。それから芸術表現と遊園地の乗り物を同じ場所に並べてどっちがいいんだよ、おい? っていうこともやってみたかったんですね(笑)。アミューズメントの楽しさに俺たちは勝てるのか? って。しかし劇場で普通に公演をやるほうがいかに楽か、ということを毎日準備をしながら感じています(笑)。

小泉:出演者のラインナップを見てすごくいいなと思うのは、やりたいことをやっていたら、美術から出発したけど美術ではないもの、演劇から出発したけど演劇ではないもの、音楽から出発したけど音楽ではないものへと表現が逸脱していった人が集まっているところですね。「やりたいことをやる」、そういった強度こそ表現したいというのが小沢さんの裏メッセージなのかな、とも思いました。

小沢:アーティストであれば当たり前なんですけど、今回参加してくれるアーティストは似た人がほとんどいない。セレクトの基準としては、最終的な判断としては僕自身が面白い、一緒に仕事したいと思えたかどうかなんですが。僕がやるとつい男だらけで汗の臭いがムンムン、という内容になぜかなってしまう。今回、女性アーティストは一人もいないですしね(笑)。

―音楽ファン、あるいは演劇ファンといった方々だけではなく、「なにか面白そうなことをやっているんじゃないか」と思ってやってくるお客さんの期待に応えたい、という気持ちもありますか?

小沢:それは、常に考えていることですね。

小泉:そういうお客さんのほうが、僕らのやっていることを分かってくれそうな気がします。サンガツって、いわゆる音楽好きなお客さんには評判が悪いんです(笑)。むしろそういったバイアスのかかっていないお客さんのほうが、作品の意図がスムーズに伝わっている感触がありますね。

小沢:「演劇とか音楽だけじゃない、もっともっと違うものを見たい」というお客さんも随分増えてきたんじゃないでしょうか? インディペンデントでありオルタナティブであろうとすると、必然的に他とは違うことをやることになるし、またそういう人は常にギリギリの場所に居ようとするので、震災があろうと何があろうと常に切羽詰まっている感がある。今回登場するアーティストはそんな方々ばかりです。とはいえ、今回の企画は間口が狭いようで意外と広く、いろんな楽しみ方ができると思います。単純に「すごいな」とか、「なんだこれ!」とか、さらにヴィヴィッドな発見もあるかもしれない。いろんな感じ方があるだろうし、そうあってほしいですね。そういう意味からしても、花やしきという上演場所は、他にはない「懐の深さ」があると感じています。そうそう、花やしきがこの夜だけ特別に遊具を3機動かしてくれることになったんですよ。前売りの予約は終了してしまいましたが、当日券は販売しますので是非ご来場ください。

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イベント情報

『CE QUI ARRIVE -これから起きるかもしれないこと-』

2011年11月26日(土)OPEN 18:30 / START 18:45
会場:東京都 浅草 花やしき
出演:
悪魔のしるし
足立喜一朗
伊東篤宏
contact Gonzo
久保田弘成
サンガツ
和田永
主催・企画制作:日本パフォーマンス/アート研究所
助成:アサヒビール芸術文化財団、平成23年度台東区芸術文化支援制度対象企画
料金:前売2,500円 当日3,000円
※前売券は完売
※屋外での公演になりますので防寒のご用意ください
※客席はありません、回遊型のイベントになります

プロフィール

悪魔のしるし

演出家危口統之を中心に演劇などを企画・上演する集まり。デザイン、建築、編集、ファッションなど様々な分野の専門家をメンバーに持つが、演劇そのものに詳しい人材がいない。これまでの作品に、自主公演『禁煙の害について』(2010年6月、原宿vacant)、F/T公募プログラム『悪魔のしるしのグレートハンティング』(2010年11月、池袋シアターグリーン)、パフォーマンス『搬入プロジェクト』シリーズ(2009年より 東京、横浜、香川県豊島、韓国ナム・ジュン・パイク アートセンター等)など。

サンガツ

20世紀の終わりに東京で結成。これまでに4枚のアルバムを発表。近年は、表向きはバンドの形態をとりながらも、音を使った工作/音を使った組体操のような楽曲に取り組んでいる。また、最新プロジェクト「Catch & Throw」では、"曲ではなく、曲を作るためのプラットフォームを作ること"に焦点をあて、その全ての試みがweb上で公開されている。

小沢康夫

プロデューサー、日本パフォーマンス/アート研究所代表。2003年、企画制作会社プリコグ設立。2008年に代表を退き、後進に譲る。同年、日本パフォーマンス/アート研究所を設立。コンテンポラリーダンス、現代美術、現代演劇、メディアアート、音楽など既存のジャンルにこだわることなく、独自の観点でプロデュースする。最近の主な活動として『NJP SUMMER FESTIVAL 21ROOMS』(韓国ナム・ジュン・パイク アートセンター)、『LAFORET SOUND MUSEUM 2011』(ラフォーレミュージアム原宿)、『HARAJUKU PERFORMANCE +×DOMMUNE 』(ラフォーレミュージアム原宿)など。

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