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Open Reel EnsembleがDJ KENTAROをLock On!

Open Reel EnsembleがDJ KENTAROをLock On!

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

デジタルのシュミレートとは違うテープの響きっていうのを、僕らの色として提示していきたい。

―では、残りの時間で現在制作中というアルバムについても聞かせてください。ライブとは大きく違うものになりそうですよね。

和田:もちろん、僕たちのライブにある視覚的な要素が音源には入らないので、ひとつのコンセプトになっているのは、オープンリールによって生まれる音色ですね。テープそのものの音色を使いながら、コンピューターの中でそれをもう1回再構築して、アンサンブルにしていくっていうのがまずあります。そして、そこにストーリー性をどう織り込んでいくか。現実の歴史と、空想的なストーリーが行き来するような、そういうものを今5人でどんどんアイデアを出し合いながら作っていて、どんどん締め切りに間に合わなくなっていくっていう(笑)。

難波:視覚要素がなくても、「Open Reel Ensembleはこういう音なんだ」っていうものにしないと、オープンリールでやってる意味が薄れてしまうので、そこはなんとかしたいですね。

佐藤:今ってテープの音もデジタルで表現しようと思えばできちゃうんです。でも、僕たちは実際のオープンリールを使って、デジタルのシュミレートとは違うフィジカルなテープの響きっていうのを、僕らの色として提示していけたらっていうのがあります。もちろん、今僕らの世代にはプログラミングだったり、音響合成ソフトとか、いろんな音を作る方法があるわけで、それを「これはこれ」って分けるんじゃなくて、ハイブリッドとして表現していくっていうのがOpen Reel Ensembleの音だっていうことを提示したいですね。

佐藤公俊
佐藤公俊

―最初にも言ってたように、完成形があるわけじゃなくて、道なき道を進んでるわけだから、突き詰めようと思えばいくらでもやることはありますよね。

吉田悠:既存のジャンルにあてはめようとしたら、1曲1曲違うジャンルに聞こえるかもしれない。でも「Open Reel Ensembleが出すべき音色」っていう軸で作ってるから、ジャンルのことは気にならないんですよね。

難波:あとはライブだと物理的に無理だけど、「許されるならこういう音を出したい」っていうのが、音源には込められますよね。

吉田匡:「こんなシチュエーションで使われるオープンリール」、「こんなところのオープンリール」とかね。

難波:ジャングルの中だと新しいテープが手に入らないからすごいノイズが乗ってるとか、ニューヨークだとハイファイな、熱を通したばっかりのオープンリール、みたいな。

吉田悠:ある場所ではその民族口伝の歌を録音するために使ってて、ある場所では演説を録音して国民に配ってましたとか、勝手にシチュエーションを想定して、現実と架空を行き来して織り込んでいくっていう。

吉田悠
吉田悠

和田:ターンテーブルは世界中に楽器文化がありますけど、オープンリールはそこまでではないので、地域ごとのオープンリールを僕らが勝手に想定できるんです(笑)。

―Open Reel Ensembleっていう世界の、架空のサウンドトラックみたいな感じになるのかもね。

和田:まさにそういう感じかもしれないですね。

混ざり合ってる音の中でも、僕らの音色や世界みたいなものが、どう浸食していけるか。

―では、最後に改めて、『BOYCOTT』に向けての展望を聞かせてください。

難波:終わった後に裏で、DJ KENTAROさんが「オープンリール触ってもいい?」って言われる…ないか。

和田:それぐらいプレゼンすると(笑)。

難波:「DJセットにオープンリール1個置きませんか?」みたいな。

―バーサスじゃなくて、プレゼン(笑)。

和田:どっちがどの音を出してるのか、目をつぶってもわかるといいなって思います。混ざり合ってる音の中でも、僕らの音色や世界みたいなものが、どう浸食していけるかっていうのはイメージとしてありますね。

難波:異種格闘技戦だと思うので、相手の土俵に入っちゃうとダメですよね。

吉田悠:グル―ヴで勝負を仕掛けられても音色で返すとか、そういうことを考えたりはしてます。

―今回は会場が後楽園ホールなので、プロレス的な煽りとかどう?

吉田匡:「ぜってえ録音してやっからな!」みたいな?

和田:もっとダサい感じで、「ロックオン!(録音!)」とかの方がいいんじゃない?

吉田匡:「お前のソウルをロックオン!(録音!)」とか(笑)。

和田:もう負けてる、その時点で(笑)。

『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012』会場、出演者

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イベント情報

『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012』

2012年3月21日(水)OPEN 18:45 / START 19:30
会場:東京都 水道橋 後楽園ホール

出演:
坂本龍一 vs 大友良英
DJ KENTARO vs Open Reel Ensemble
いとうせいこう vs Shing02
ゲスト:やくしまるえつこ
オープニングアクト:千住宗臣 vs 服部正嗣

料金:
一般席4,800円(各プレイガイドにて発売中)
学割(立見)2,900円(ウェブサイトにてメール予約を受付中)
当日5,500円

プロフィール

Open Reel Ensemble

09年より活動開始。時代の表舞台から姿を消した旧式のオープンリール式磁気録音機を現代のコンピュータとドッキングさせ「楽器」として駆使して演奏するプロジェクト。その場で声や音をテープに録音、リールの回転や動作をコンピュータで制御したり、人力で操作することでオープンリールを演奏する。メンバー:和田永(Reel&Concept)佐藤公俊(Reel)吉田悠(Reel&Perc.)難波卓己(Reel&Vln.)吉田匡(Bass)。11年にはスペイン・SONAR BARCELONA、オーストリア・ARS Electronicaにも出演。

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