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「風営法」と「義務教育」にはさまれた、ストリートダンスの今

「風営法」と「義務教育」にはさまれた、ストリートダンスの今

インタビュー・テキスト
萩原雄太
撮影:相良博昭

僕は美術館に並ぶ絵画よりも漫画でありたいと思っているんです。いろんな角度から誰でも楽しめて、かつクオリティーの高い漫画になりたい。(shoji)

―『ASTERISK』には、海外でも活躍するKoharu Sugawaraさんや、三谷幸喜作品の舞台振付などを手掛ける原田薫さんなど、ストリートダンスだけにとどまらない、さまざまなジャンルから指折りのダンサーたちが50名以上も集結しています。1つの作品に50人以上のダンサーって、あまり聞かないですよね。

shoji:世界的に見ても、日本には素晴らしいダンサーが多いんです。昔から日本とアメリカ、フランスはダンサーのレベルが高い国と言われており、日本人のダンサーがヨーロッパで注目されることも少なくありません。ただ、日本にはダンスを間近で観てもらえる機会が少ない。クラブシーンはなくなっちゃたし、ライブのバックダンサーはまた意味合いが違ってくる。せっかく日本には素晴らしいダンサーが多いのに、それを知っているのがダンサーだけという現状はもったいない。その意味でも『ASTERISK』のような場は重要です。

『*ASTERISK~女神の光~』出演者
『*ASTERISK~女神の光~』出演者

―やはり、これほど大規模な公演となると、他のダンスイベントとは気持ちが異なるものなのでしょうか?

shoji:規模の面だけではありません。基本的にダンスイベントには舞台美術がなく、ダンサーはスポットライトの中で自分の動きだけを見せなければならない。けれど、『ASTERISK』は物語があって演出があってセットもある。その空間の中でダンサーたちは自分のスタイルを発揮しながらも、全体としての役割を考えなければならないんです。こういった経験はなかなかダンスイベントでは経験できないので、ダンサーとしても刺激的な体験になります。

―牧さんは、総合演出振付という立場ですが、ここまで大きな舞台作品を手がけるのは初めてですよね?

:とにかく想像した以上にボリュームが多くて困っています(笑)。「Vanilla Grotesque」というカンパニーで、自主公演の舞台を行っていますが、お客さんとして観に来てくれるのは、ダンスを教えている生徒や、一緒に活動するダンサー仲間。全然違うジャンルのダンサーと一緒に作る『ASTERISK』は意味合いがまったく異なりますね。

Shoji:Vanilla Grotesqueの作品は、MIKEYの世界観が強烈に広がっていたもんね。

:そう、MIKEY教みたいな(笑)。

左から:牧宗孝、shoji

―牧さんが主宰するダンスチーム「東京ゲゲゲイ」の作品を見ていても、看護婦、セーラー服、ゾンビなど、独自の世界観は大きな魅力の1つですね。

Shoji:だから今回、声をかけられたときにまず心配したのは、ちゃんと衣裳を着せてもらえのるかどうかということ(笑)。「衣裳がある」ということを確認してから出演を決めたんです。

:大丈夫。乳首は隠れるから。

Shoji:(笑)。僕としてはMIKEYの色に染まるだけではなく、自分たちのカラーもしっかり出すことが、今回ダンサーとして目指す部分ですね。

―たしかにこれだけいろんなジャンルのトップダンサーをまとめて観られる機会ってなかなかありません。ダンスを初めて観る人にとってもいい入り口になりそうですね。

Shoji:さっき、ストリートダンスは「エンタメ」のイメージがあるという話がありましたけど、僕は美術館に並ぶ絵画よりも漫画でありたいと思っているんです。同じ「絵」でも1枚ですべて伝えようとする表現よりも、いろんな角度から誰でも楽しめて、かつクオリティーの高い漫画になりたい。そういう意味ではエンタメに近いかもしれませんが、どっちにこだわっているわけでもありません。でも、難しいことをしたいというよりも、みんなが笑顔になれるもの。誰が見てもスゴイと思えるクオリティーの作品ができたら一番いいと思っています。

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イベント情報

『*ASTERISK~女神の光~』

2015年5月8日(金)~5月10日(日)全5公演
会場:東京都 有楽町 東京国際フォーラム ホールC
総合演出振付・脚本:牧宗孝(東京ゲゲゲイ)
テーマソング:加藤ミリヤ“女神の光(feat. 牧宗孝)”
音楽:
牧宗孝
安宅秀紀
出演:
Koharu Sugawara
原田薫
s**t kingz
YOSHIE
KITE
AyaBambi
東京ゲゲゲイ
BLUE TOKYO
LUCIFER
50
McGee
RANDY
TACCHI
$eishiro
Pole Dancer KUMI
HATABOY
LIL'GRAND-BITCH
Vanilla Grotesque
仲宗根梨乃(特別出演)
料金:プレミアムシート7,500円 S席5,800円 高校生以下チケット4,500円
※プレミアムシートは日替わりの非売品ブックレット付、5月9日18:00公演のみお子様割引あり

プロフィール

shoji(しょうじ)

1984年生まれ。小学生のときに約2年をニュージーランドで過ごす。大学入学を機にダンスを始め、千葉を拠点に深夜の公園やビルのガラス前で練習する日々を送る。2007年にs**t kingzを結成。アメリカで開催されたダンスコンテスト『BODY ROCK』において、2010年、2011年と2年連続優勝を果たす。国内外を問わず、数多くのアーティストの振付やバックダンス、競演するとともに、10か国を廻るヨーロッパツアーをはじめ、アメリカ、アジア、オセアニア等、世界各地でワークショップやパフォーマンスを行っている。ソロとしては、平井堅、AAAなどの振付、バックダンスを担当。

牧宗孝(まき むねたか)

演出家。ダンスカンパニー「東京ゲゲゲイ」「Vanilla Grotesque」主宰、ダンスチーム「東京★キッズ」リーダーのMIKEYとして活動。加藤ミリヤのPV・ツアー振付、MISIAツアー振付・演出・バックダンサーとしても活躍。『ASTERISK』での共演をきっかけに仲宗根梨乃と共にBoAの振付を手がけるなど、アーティストからクリエイターとして厚い信頼を受ける。

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