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KIKI×木村顕対談 今の時代に合った、暮らしの楽しみ方とは?

KIKI×木村顕対談 今の時代に合った、暮らしの楽しみ方とは?

インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:豊島望
2015/04/21

山に行くようになってから、すごくラクになったなって思います。人との向き合い方にも変化がありました。(KIKI)

木村:山岳部時代は、大雪山とかで夏に1週間くらい山ごもりしてたんですけど、命の危険を感じる瞬間が何回かあって。絶壁沿いを歩いていて「ここから落ちたら死んじゃうんだな」と考えたり、歩き疲れてパッとまわりを見ると誰もいなかったり。「死」の存在が近いんですよね。街で歩くことに意味は持ちづらいけど、山で歩くことは生き残るために歩いているってことだから、感覚がめいっぱいひらくというか。

KIKI:山にいる状態って、人間としてはすごく健康的な気がする。人との向き合い方にも変化がありましたね。街で友達と会っても、食事するくらいじゃないですか。でも山に行くと、四六時中一緒だから、お互いにいいところもイヤなところも見えてくる。両方ひっくるめて、人と身近にいられる楽しさに気がつきました。

KIKI『美しい山を旅して』
KIKI『美しい山を旅して』

―山に行くようになってから、生活観も変わったんですね。

KIKI:私はすごくラクになったなって思います。人のイヤなところを見て、前だったら「あーもうこの人と会うのはイヤだ!」と思ったりしたけど、それはその人の要素の1つであって、変にフォーカスしなくなる。

人それぞれに自分の生き方とかスタイルを考えるのは疲れちゃうと思うんですよね。昔は日本特有のリズムがあったと思うんですけど、そういうのが90%で、残り10%くらい自分の世界があればいい。(木村)

―「WORLD BREAKFAST ALLDAY」のコンセプトとも近いですよね。世界中の朝ごはんをそこに居合わせた皆と一緒に食べることって、その国の文化や、他人を理解することの第一歩かもしれません。ルミネで行うスクールのタイトルが「CLASS ROOM」で、副題は「THE SCHOOL FOR A GOOD LIFE」。つまり、より良い生き方がテーマになっているのですが、お二人にとって、「より良い生き方」ってどんなものだと思いますか?

木村:個性を尊重するような時代に逆行しているんですけど、人それぞれに自分の生き方とかスタイルを考えるのは疲れちゃうと思うんですよね。それぞれの国に朝ごはんのスタイルがあるように、生き方もそれぞれの国にある。

―そうですね。

木村:建築の話にも近いんですけど、例えばパリのカフェだと、おじいちゃんの代から続いていたりすることがよくあって、特別なお店っていうんじゃなくて街の生活の一部になっている。パリにはパリの生きるリズムがあるけど、今の日本にそれがあるのかと考えてみると……。

左から:木村顕、KIKI

―日本では個人が自分のリズムを作っていかないといけないですよね。

木村:そうそう。昭和初期は、井戸端会議があって、お母さんが朝食の準備をしながらご近所さんと会話したり、お父さんが帰りに赤提灯で呑んで帰ったり……。今も一部は残っているけれど、昔は日本特有のリズムがあったと思うんですよ。そういうのが90%くらいあって、残り10%くらい自分の世界があればいい。全部自分でリズムを作っていくと疲れるし、多くの人はリズムを作るだけでたくさんの時間を費やしちゃう。

KIKI:これからのライフスタイルを考えるときの1つの実践として、消えかかった風景をもう1回再現してみるというのもありえますよね。

木村:ライフスタイルが変わっても、日本人のアイデンティティーはある。家に帰ったら靴を脱ぎたくなったりするのは日本人ならではですよね(笑)。取り戻すものは取り戻して、変えたほうがいいことは変えて。そうやってリズムを作り直せればいいなって思います。

KIKI:きっと自分たちには自分たちらしいかたちがあって、それは土地や環境とも関係が深いと思うんですよ。5年前に東京から湘南のほうに越したんですけど、時間の流れ方もゆっくりしているし、たまたま自分の住み始めた家も、小さいながらに庭があって、最初から植えてあった庭木が、いわゆる和木なんです。自分でゼロから庭を作ろうと思ったら、こういう木を植えようとは思わなかったけど、すごくいいんですよね。12月に山茶花(さざんか)、春になれば椿や梅、サツキが順番に咲いて。梅雨には紫陽花、秋には金木犀……。

―いいですねえ。

KIKI:「老後の生活みたい」ってたまに言われちゃいますけどね(笑)。でも山に登って、自然をより身近に感じるようになったから、今の生活はすごくしっくりきています。今まで見てきたもの、試してきたことを経て、自分に合った環境で無理しないで過ごすこと。それが私にとってはより良い生活なのかなと思います。

左から:木村顕、KIKI

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イベント情報

CLASS ROOM No.001
『山登りの楽しみ方』

2015年4月22日(水)19:00~21:00
会場:東京都 外苑前 ifs 未来研究所 未来研サロン WORK WORK SHOP
講師:KIKI
定員:40名(要事前申込、先着順)
料金:無料

CLASS ROOM No.002
『朝ごはんを通して世界を知る』

2015年5月27日(水)19:00~21:00
会場:東京都 外苑前 ifs 未来研究所 未来研サロン WORK WORK SHOP
講師:木村顕(WORLD BREAKFAST ALLDAY)
定員:40名(要事前申込)
料金:無料
※応募者多数の場合は抽選

CLASS ROOM No.003
『私のごはんの楽しみ方』

2015年6月24日(水)19:00~21:00
会場:東京都 外苑前 ifs 未来研究所 未来研サロン WORK WORK SHOP
講師:平野紗季子
定員:40名(要事前申込)
料金:無料
※応募者多数の場合は抽選

プロフィール

KIKI(キキ)

モデル・女優。東京都出身。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌をはじめ広告、TV出演、連載の執筆、近年では自身の写真展『PRISMA』シリーズを発表。また芸術祭に作家として参加するなど活躍の幅を広げている。NTV「ゆっくり私時間 ~my weekend house~」レギュラー出演中。著書に『山が大好きになる練習帖』(雷鳥社)、『美しい山を旅して』(平凡社)、スタイルブック『KIKI LOVE FASHION』(宝島社)など多数。

木村顕(きむら あきら)

有限会社日光デザイン代表取締役。一級建築士。東京芸術大学大学院美術研究科卒。青山と千駄ヶ谷を結ぶ外苑西通り、通称“キラー通り”で「朝ごはんを通して世界を知る」をコンセプトに、2ヶ月ごとに世界各国の伝統的な朝ごはんを提供するカフェレストラン「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」を運営。 昨年スペースシャワーブックスから『WORLD BREAKFAST ALLDAYの世界の朝ごはん』という書籍をリリース。日光市で日本の伝統的な家に泊まる宿泊施設「日光イン」も運営する。

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