「反抑圧」を掲げる上坂すみれによる、マジメな下ネタ談義

そもそも「下ネタ」って何だろう。本稿に取りかかる際にふとそんなことを思い立ったのが間違いだった。何の気なしにインターネットで「下ネタ」と検索をかけてみると、次々に出てくる、とんでもなく低俗で卑猥な言葉の数々。ブラウザに表示されたその一つひとつに目を通しては、そのくだらなさに笑い、私は下ネタの定義を確認するまでもなく、改めて実感する。我々の生きる世界は、こんなにもしょうもない下ネタで溢れているのだな、と。

テレビアニメ『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(以下『下セカ』)の舞台は、そんな性的な言葉が禁じられた時代なのだという。そしてそのエンディングテーマとなるのが、上坂すみれの新曲“Inner Urge”だ。このタイトル、直訳すると「内側から湧き出る強い衝動」といったところだろうか。その「衝動」が一体何を意味するのかは、もはやここで確認するまでもないだろう。1980年代のエレポップを思わせるアッパーな曲調に乗せて、上坂はこんなことを歌っている。<「ヨクセイ」の中には「セイヨク」が潜んでいる><「キセイ」のなかには「セイキ」が隠れてる>。法によって言論統制された日本に下ネタをしかけるテロ集団「SOX」。『下セカ』で描かれるこの世界観は、我々の生きる現代社会とも決して無関係ではないだろう。いや、もしかすると『下セカ』の物語には、「共産趣味」を掲げる上坂の活動コンセプトと重なる部分も、少なからずあるのではないか。そこで上坂にさっそく1年ぶりの取材を敢行した。テーマはもちろん「下ネタ」。念のため断っておきますが、とても真面目なインタビューです! では、どうぞ。

これはあくまでもイメージなんですけど、下ネタが言える女子って、けっこうコミュ力が高い人だと思うんです。

―今回の新曲が届いたとき、率直にどう思われましたか?

上坂:まず、曲調がすごく好みでした。きらびやかなディスコっぽい感じが、すごくいいなと。それでさっそく歌の練習をしようと思って、歌詞に目を通してみたんです。そうしたら「何これ!」みたいな(笑)。

上坂すみれ
上坂すみれ

―あははは。さすがにこれはビックリしますよね。

上坂:予想の斜め上をいくような歌詞でした(笑)。でも、楽曲を受け取った時点でアニメの物語はひと通り知っていたので、「なるほど」とも思って。『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(以下『下セカ』)は、ヒロインの子がとにかく下ネタを真面目に言いまくるんですが、この曲もかっこいい曲調で真面目に下ネタを歌ってるから。

―『下セカ』には、上坂さんも声優として出演されているんですよね。演じた月見草朧(つきみぐさ おぼろ)はどんなキャラクターなんですか?

上坂:私がやらせていただいたのは、生徒会長のアンナさんの部下みたいな子です。だから、キャラ的には下ネタ反対派なんですけど、その一方で上坂名義ではものすごくはっちゃけた歌を歌っているという(笑)。

―演じた役とは正反対の立場で歌っているわけですね。実際、“Inner Urge”には下ネタ的な内容も含まれているわけですが、上坂さん自身は普段の会話でそういう表現を使うことってありますか?

上坂:これはあくまでもイメージなんですけど、下ネタが言える女子って、けっこうコミュ力が高い人だと思うんですよ。つまり、男子とも仲が良くて、ちょっとくらいのデリカシーのなさにも対応できる人。あるいは下ネタが及ぼす効果も知ってるし、それを使うべきところもわきまえてる人というか。そもそも下ネタって、諸刃の剣みたいなところがあるじゃないですか? たとえば、会話を盛り上げるために下ネタが使える人もいるけど、使い所をわきまえてない人がそれをやると、セクハラになっちゃう可能性もあるわけで。でも、私はそういうことをあまり学んでこなかったので…。

―下ネタへの免疫があまりなかったということ?

上坂:私、女子校育ちなんです。それに家ではテレビの取り締まりも厳しかったので、それこそ『クレヨンしんちゃん』とか、子ども向けの下ネタが載っている『コロコロコミック』系の漫画なんかもあまり読まなかったので、下ネタはけっこう遠い存在です。

―なるほど。一方で上坂さんが好きな1980年代のアニメやドラマには、けっこう露骨な描写が出てきますよね。それこそリアルタイムの作品よりも過激なものは多かったと思うのですが。

上坂:そうですね。たとえば『装甲騎兵ボトムズ』(1983年)なんて、ヒロインの裸体が今のアニメみたいな表現じゃなくて、ぜんぶ直球で描かれてる。あと、私が大好きな『江戸川乱歩の美女シリーズ』(1977~1994年の17年にわたり『土曜ワイド劇場』で放送された)も、毎回お決まりのようにシャワーシーンがあって、これが毎週土曜9時のお茶の間に届けられていたのかと思うと、ホントにすごいなって。「え、ここでお風呂?」みたいな(笑)。一人で見ているのに、ちょっと緊張しちゃって。

―「こんなの見てることがバレたらやばい!」みたいな(笑)。

上坂:「父母に叱られちゃう!」って(笑)。私、往々にしていい子だったので。スポーツ新聞のちょっとエッチな広告欄とかも、「こんなの絶対にいけない! 教育に反する!」みたいな感じだったんです。

最近はあまり「男らしさ」なんて言わないんだろうけど、私は昔ながらのそういう基準って、そんなに間違ってないような気もしている。

―そう思いながらも昭和の映画やドラマにハマっていくとき、上坂さんの中にはちょっとした背徳感もあったんですか。

上坂:今では規制されちゃうようなことが普通に描かれている、そういうある種の伸びやかさを楽しんでいるところは確かにあります。だって、本気で「こんなのいけない!」と思っていたら、その時点で見るのをやめていたはずだけど、むしろ今はCSでなんでも見放題という素晴らしい環境を手に入れて見てますから(笑)。ただ、私が好きな作品は、いわゆるツヤツヤの超エッチなやつではないんですよ。丸尾末広の漫画なんかもそうですけど、どちらかというと、あまり誇張されてない描き方が多くて。そもそも女子はそういう過剰に演出された裸体の描写にロマンスを感じないですからね。

―その裸体の描写もそうですけど、男性の場合はエロティックな妄想がクリエイティブなイメージに繋がることもけっこうあると思うんですよね。女性の場合はどうなんですか?

上坂:それは女性にもあると思いますよ。直接的なイメージや表現ではなくても、どんどん形而上の世界を掘り下げていけば、きっと女子もすごいことを考えていると思います。それに、そういう表現を頭ごなしに拒んでしまうと、後々こじれてド変態になっちゃいそうな気もして。

―抑制しすぎると、どこで爆発するかわかりませんからね。

上坂:そうですね。あと私、腐女子の文化って本当にすごいと思っていて。たとえば乙女ゲーム(自分が主人公になってプレイできる女性向け恋愛ゲーム)をやる人は、その世界に自分の名前を入れてゲームの中の男子との関係を妄想するじゃないですか。でも、腐女子の場合は、イチャイチャしているのはあくまでも男子同士で、そこに自分の存在は必要ないんですよね。それってものすごく高度な想像力だと思って。

上坂すみれ

―たしかにそれは僕の想像力が及ばない世界観かも。上坂さんはその腐女子的な感覚を理解できるんですか?

上坂:ちょっとわかります。私、中学のときにプロの腐女子みたいな友達がいて、その子がイベントに連れて行ってくれたり、いろんなサイトを教えてくれて。そこで「たしかにこれはちょっといいな。私も腐女子になれるかも」と思ったこともあるんです。ただ、同人誌を買う勇気はなくて、結局そこで辞退してしまいました。

―なぜ踏みとどまったんですか?

上坂:「女の子のほうがかわいいじゃん」と思ったんです。女の子って、男の人に対して「かわいい」という言葉を使うじゃないですか。「○○君、かわいい!」って。多分その「かわいい」は「母性をくすぐられる」「守ってあげたい」みたいな意味合いで、男子が使う「かわいい」とはまったく用法が違うものなんですよ。つまり、女子が男子に対して使う「かわいい」には、ちょっとした上から目線があると思うんです。でも、私はどこかで「かわいいは女子に向けて使いたいな」と思っていたみたいで。

―自分の思う「かわいい」の感覚と照らすと、ちょっと違和感があったということ?

上坂:きっとそうなんでしょうね。それに高校生の頃になると、「男子はやっぱりかっこいいほうがいいな」という考え方も強くなっていって。好きな俳優さんも渋い人が増えて、今はもうなくなった浅草の名画座まで、よく任侠映画を見に行ったりしていました。でも、任侠とイケメンはまた違うのかなぁ……?

上坂すみれ

―うーん。上坂さんが任侠映画の俳優さんに惹かれるのは、おそらく外見的な要素だけではないですよね。前回のインタビューでも、上坂さんは「正義でも悪でも、信念を曲げない人に惹かれる」とおっしゃっていたから。

上坂:そうですね。もちろんルックス的な要素もありますけど、基本的にはそういう「男らしさ」が私は好きなんだと思います。最近はあまり「男らしさ」なんて言わないんだろうけど、私は昔ながらのそういう基準って、そんなに間違ってないような気もしているので。

―上坂さんの中には「男らしさ」と「女らしさ」の基準がそれぞれ明確にあるんですね。

上坂:ありますし、それを求めているんだと思います。ズボンを穿くのが苦手なのも、自分は女性らしくいたいという気持ちの表れだと思うし、かといってパンツスタイルの女性が嫌いなわけではもちろんないんです。たぶん私は「男らしさ」「女らしさ」みたいな概念が好きなんでしょうね。

小学生の頃、銀幕の向こうの世界にいる三船敏郎がとても眩しく見えたし「なんか、こっちのほうが正しいんじゃないの?」とも思ったんですよね。

―上坂さんが思い浮かべる「男らしさ」と「女らしさ」とは何なのか、ぜひ教えてほしいです。ロールモデルになる人物を、できれば男女1人ずつ挙げていただけませんか?

上坂:それは迷いますねぇ(笑)。でも、男らしさならやっぱり三船敏郎さんです。最初に「この人、超かっこいい!」と思った方が三船さんなので。

―最初って、何歳の頃ですか。

上坂:小学校の終わり頃です。クラスではみんな「○○君かっこいいよね」みたいな話をしていましたが、小学生の「かっこいい」ってぼんやりしているので、当時の私はイマイチ心の芯からそう思えることがなかったんです。そんなときに黒澤明さんの没後10年スペシャルをBSで見て、「なんか、銀幕の向こうにいる人って感じがするー!」みたいなことをすごく感じて。その世界がとても眩しく見えたし、「なんか、こっちのほうが正しいんじゃないの?」とも思ったんですよね。

―なるほど。では、女らしさは?

上坂:うーん。これは答えになってないのかもしれないけど、私がずっと「こうなりたい」と思っているのは、アリカさま(宝野アリカ。音楽ユニット「ALI PROJECT」のボーカル)なんです。アリカさまを見て、「私もああなりたい」と思ったのがきっかけで、私はロリータを始めたので。

上坂すみれ

―ロリータはまさに女性ならではの世界観ですね。

上坂:そうなんです。ロリータって、どうにもこうにも女の子じゃないですか。それにアリカさまは楽曲によっていろんな面があるし、そういう一筋縄ではないところが本当にかっこいいんですよね。

―三船敏郎と宝野アリカですか。すごい組み合わせ……。

上坂:そのふたりが2ショットで並んだら、ものすごく奇妙でしょうね(笑)。そもそも三船敏郎の隣にいるような女性像って、男性の二歩後ろを歩くような、いわゆるなでしこさんだと思うんです。でも、私はなぜかそうなりたいとは思わなかったんですよね。自分の生き方としては、きっと無理があったんだろうなと。

―その三船さんが出演されていた時代の任侠映画とかって、今では地上波で見ることがほとんどなくなってしまいましたよね。高倉健さんと菅原文太さんが亡くなったときも、昭和の代表作は規制の問題もあって、放送がなかなか難しかったみたいだし。

上坂:えぇ! そうだったんですか。実は私、地上波のことはよくわかっていないんです。CSが面白すぎて(笑)。

―あ、そうか。じゃあ、今のテレビを退屈に感じたりもしてない?

上坂:「今日は『ナショナルジオグラフィック』で、明日は『アニマルプラネット』だ!」みたいな生活を、それなりに長く続けていますので(笑)。でも、たとえばアニメを見ていると、肌の露出があるシーンがぼかされていたり、血が噴き出すところが隠されていたりすることは、たしかによくありますよね。私にはそれが良いのか悪いのかわからないけど……。でも、どうなんでしょうね。結局そういうものはあまり見なくなっちゃったので。

―最近のアニメはあまり見てないってこと?

上坂:もちろん、自分が出演しているものは必ず見てますよ。でも、私はどちらかというと今のアニメよりも、東映チャンネルとかをよく見ているので。アニメだったら、最近だと『ダーティペア』(1985年)や『蒼き流星SPTレイズナー』(1985~1986年)、『うる星やつら』(1981~1986年)とか。

―全部、再放送ですね(笑)。

上坂:はい(笑)。それで私が心配しているのは、そういう過去の時代の作品をいつか掘り尽くしてしまうんじゃないかってことです。

―(笑)。上坂さんの興味が続く限り、掘り尽くせるなんてことは、そうそうないと思いますよ。

上坂:じゃあ、どう頑張っても200年くらいは大丈夫ですね(笑)。それに、一度見た作品も10年くらい経てば、また同じように楽しめるだろうし。

私が昔の漫画や映画に感じている面白さって、今の時代性と自分が表現したいことの間にある「ズレ」なんです。

―でも、その一方で同時代の作品に対する関心が薄まっているのだとしたら、それもそれで寂しい気もしますね。

上坂:そうですね。自分でも今の作品にもっと興味を持つべきだと思っているんですが、どうも私は「古典は今の時代まで残っているから古典なんだ。いいものだから古典なんだ」みたいな意識がすごく強くて。だから、「下手に新刊を探すより、名作を読んだほうがいいに決まってる!」みたいなところがあるんです。これ、自分でも良くない癖だと思ってて。

上坂すみれ

―でも上坂さんは同時にこの時代の表現者でもありますよね。だから、もしかすると上坂さんは今の時代性と自分が表現したいことの間に、ちょっとしたズレを感じることもあるのかなと思ったのですが。

上坂:なるほど。そう言われると、私が昔の漫画や映画に感じている面白さって、まさにその「ズレ」なんです。たとえば、昔読んだ『あずきちゃん』を今になって読むと、やっぱりちょっと時代背景が古くなっていて、そこがすごく面白いんですよ。リアルタイムで読める作品になかなか興味を持てないのは、もしかするとこの変な感性に引っかからないからなのかもしれない。だから、この2015年に出た作品も、2022年頃になったら、きっと面白がっている気がします(笑)。

―なるほど。それはすごく納得できる話です。

上坂:でも、それじゃダメなんですよね。私は今の時代で表現しなきゃいけないわけだから、多少はトレンドも知るべきだし、みんなは何が好きなのかも知っておかなければならないから。

―でも、そのズレが今の時代に有効だっていう気持ちもあるのでは?

上坂:どうでしょう。私のイベントに来てくれる人は、私と似ている人がすごく多いと思うのですが。かといって、私みたいな人がこれからどんどん増えていくとも思えないし。じゃあ、そこで間口をひろげて「どなたでもどうぞ!」みたいな感じにしたいかというと、そういうやり方は自分にあまり向いてないと思うんですよね。「私が最新トレンドの人!」みたいなことには、まずなりえないと思うから。

―そうなりたいとは思いますか。

上坂:思っていないからいけないんでしょうね(笑)。私には、「自分で何かルールを作りたい」みたいな気持ちがないんだと思います。

表現を自制しようとすると私は何もできなくなっちゃうんですけど、「決まりごとがあるようで、実はほとんどない」というスタイルを確立したおかげで、すごく活動がしやすいです。

―その上坂さんが「革ブロ」(上坂が率いる「革命的ブロードウェイ主義者同盟」の略称。好きなものを好きと言える世界を目指し、「生産! 団結! 反抑圧!」をスローガンに掲げる)をやっているのも面白いですよね。革ブロという名のもとに、上坂さんはさも何かしらのルールがあるかのような設定を作っているわけで。

上坂:たしかに(笑)。

―それに、『下セカ』のストーリーって、ちょっと上坂さんの活動コンセプトと重なる部分があるようにも感じませんか?

上坂:そうなんです。類似点がすごく多いというか、たぶん人々が団結して立ち上がるまでの心の動きや仕組みはほぼ同じなんですよね。このアニメで描かれている、下ネタが抑制された世界では、共産主義革命にも等しい無謀な戦いが行われているんです。

―革ブロのスローガンでもある「反抑圧」も、まさに今日の話題とリンクしてますから。

上坂:本当ですね! でも、私は難しいことを言っているようで、本当に何も考えていないんです。「仕事が終わったら本屋に寄って、家に帰ったらCSで映画を見て、寝る前に三国志を読んだら、それでおしまい!」という暮らしをずっとしているし、「世界を変えてやる!」みたいな意気込みがあるというわけでもないんです。革ブロも同じで、なんとなく堅そうな雰囲気の革ブロを、いかにしてその「雰囲気」だけにしておくか。私はそこに尽力しています。

―名前は堅いけど、その実態はものすごくゆるいってことですね。上坂さんが自由に活動するためには、「革ブロ」という枠組みが必要だと。

上坂:そうなんです。私のイベントに来てくれる人は、何が起こるのかわからない雰囲気を楽しんでくれているみたいなんです。それは私自身も同じで、今日のイベントはこんな感じ!」みたいなざっくりした工程があるだけで、「これはやめとこう」とかみたいなこともないから、いつも「やっちゃった! まあ、いいか」みたいなのが多くて。

―狙ってないから、上坂さん本人も予期してないハプニングがあるわけですね。

上坂:革ブロの「決まりごとがあるようで、実はほとんどない」というスタイルがあると、すごく楽しいです。だって、何も考えずに好きなことをしてるだけなのに、それがあたかも何かすごい成果を生んでいるように見えるので(笑)。そういう状態を維持していけたらいいなって。

上坂すみれ

私がやってることは一人でも完結できるけど、みんなとやっても面白い。

―一方で上坂さんが発信している「共産趣味」(旧社会主義国の指導者などの行動や言論、文化を観察する嗜好)は、それがジョークであると理解されないことも多少はありましたよね。その状況はここ1年でどう変わりましたか。

上坂:最近は私自身が鷹揚に構えられるようになりました。以前はいろんな意見の一つひとつが気になっていたんです。今は「自分の好きなようにやってみて、誰かがそれを面白いと思ってくれてるなら、それでいいじゃん」と思っていて。「私がやってることは一人でも完結できるんだけど、みんなとやっても面白い」みたいな気持ちで今はやっています。それが一番なんだなってことは、この1年で思いましたね。

―「一人でも面白いし、完結できる」と思えるのは、間違いなく上坂さんの強みですよね。だから上坂さんの表現は「私のことをわかってほしい!」みたいな承認欲求をあまり感じさせないんだと思う。

上坂:たしかに「私のことをわかって!」みたいな気持ちばかりが先に出ちゃっていたら、それはすごくつらいでしょうね。でも、実は私もけっこうメンヘラだと思われているのかもしれないし。

―それはないと思いますよ。

上坂:それならいいんですが(笑)。でも、そう思われていたって私は別に気にしませんよ。だって、私は同志を増やすためにがんばっているんですから! 私がやりたいことは、そこに自分がいなくても成立するんです。あ、なんか腐女子の話ときれいにつながっちゃいましたね(笑)。

リリース情報
上坂すみれ
『Inner Urge』初回限定盤(CD+DVD)

2015年7月22日(水)発売
価格:1,836円(税込)
KICM-91617

[CD]
1. Inner Urge
2. ツワモノドモガ ユメノアト
3. Inner Urge(off vocal ver.)
4. ツワモノドモガ ユメノアト(off vocal ver.)
※画像は本人ジャケットAパターン

プロフィール
上坂すみれ (うえさか すみれ)

ソビエト連邦が崩壊し、ロシア連邦が成立した年、1991年に神奈川県で生を受ける。2012年1月に本格的に声優デビュー。TVアニメ「中二病でも恋がしたい!」、「鬼灯の冷徹」、「アイドルマスターシンデレラガールズ」、「艦隊これくしょん -艦これ-」など昨今のヒット作に出演。アーティストとしては、2013年4月期放送のTVアニメ「波打際のむろみさん」主題歌「七つの海よりキミの海」でデビュー。2014年1月には1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を発売し、オリコン週間ランキング9位を獲得。 2016年2月には中野サンプラザにて2Daysライブを開催する。LIVEでは客席にモノを投げ込む、自らの衣装の一部をプレゼントする、ぬいぐるみをモッシュさせる等、そのステージングからは目が離せない。逆境◎



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