
清 竜人×エリイ(Chim↑Pom) ビールを片手に語る、仕事の裏側
KIRIN「ノミモノ」- インタビュー・テキスト
- 島貫泰介
- 撮影:豊島望 場所協力:Spincoaster Music Bar
お酒を介したコミュニケーションは、思いもしない人との出会いや、相手の意外な魅力に気づくチャンス。「はじめまして」のアーティストやクリエイターたちをお招きし、お酒を飲みながら語り合っていただくと、それぞれの意外な一面が見られるかも!?――そんな思いからスタートした本企画、一方のゲストが「会ってみたかった」という相手を誘い出し、ビールを片手に語り合っていただきます。
今回は、一夫多妻制のアイドルグループ「清 竜人25」のプロデューサー兼メンバーである清 竜人が、破天荒なアート活動で人気のChim↑Pomメンバーのエリイをご指名。音楽とアート。分野は違えど、人のやらないことに情熱を燃やす二人によるトークはどんな方向へ向かっていくのか? 飲みながらコミュニケーションすることで両者の緊張は次第にほぐれていき、互いの昔話から、恋愛トーク、そしてお金にまつわる話まで、初対面とは思えないほどリアルな会話が飛び交いました。
KIRIN発のサイト「ノミモノ」では、二人のカンパイが見られるGIF動画や、清 竜人流、エリイ流の「はじめての人と仲良くなるコツ」も特別公開中。そちらもチェックしつつ、深くて楽しいお酒トークを楽しもう。そして、気になるあの子や、語り合ってみたいあの人を誘って、今夜は飲みに出かけてみては?
私にはアート以外なかったから。気づいたら芸術家になっていた。(エリイ)
エリイ&清:カンパイ~!
エリイ:はじめまして。今夜は、清さんが飲み相手として私を指名してくださったんですよね? 世界中に人って溢れているのに、なんで私だったんですか?
清:Chim↑Pomもエリイさんも以前テレビで拝見して、そのときのビジュアルイメージが衝撃的だったんです。蠱惑的な感じと、尖った感じのアンビバレンスが面白いなと。
―以前のインタビューで、清さんはマリーナ・アブラモヴィッチ(自身の身体を酷使するパフォーマンスで知られる現代美術家)がお好きだと話してましたね。
清:そうですね。決してアートに詳しいわけじゃないんですけど、一時期パフォーマンス系のアーティストに傾倒してた時期がありました。ウィーン・アクショニズムのヘルマン・ニッチェ(1960年代のウィーンで始まった、身体への加傷を伴う過激なパフォーマンスで知られる芸術動向。ニッチェはその代表的な作家)とか。
エリイ:へー。私、全然知らないです! ニッチェってどういう人ですか?
―ウィーン郊外の古城を買い取って、原始宗教を彷彿とさせるような儀式的パフォーマンスを行った人ですね。血の象徴として赤い塗料を人間にぶちまけるような過激な内容なんですけど、それ自体が現代文明への批評になっているという。
エリイ:へー、面白い!
清:地元の大阪の本屋にたまたま作品集があったんですよ。10代だったし、ものすごいインパクトを受けました。他にも維新派(松本雄吉が主宰する演劇集団。港や山奥に即席の舞台をこしらえ、大規模なパフォーマンスを行う)とか、昔からけっこう好きです。
―清さんって、昔は映画を撮ったりもしてますよね。
清:まあ、遊び程度ですけどね。
―そんな清さんがプロとして音楽を選び、一方エリイさんはアートを選んだ。それぞれ、その理由やきっかけは何ですか?
エリイ:私にはアート以外なかったからですね。他に興味あるものがなかったし、気づいたら芸術家になっていた。だから何かを止めたこともなければ、何かを始めたという意識もないです。
清:それでも原点的なものってあるんじゃないですか?
エリイ:小学生のときから働きたくないし何もしたくない、という気持ちがめっちゃ強くて。日本社会で生きている人って、毎朝ちゃんと起きて会社に通ってるじゃないですか。それはかなり厳しいけれど、それをしないと社会的に生きにくい感じになる。それをせずに社会と関わっていくにはどうすればいいんだろう、と考えた先の自分なりの答えが芸術家。芸術家になれば早起きしなくてもよさそうだなと。
清:僕も朝は強くないです。ミュージシャンも朝起きなくてもいい仕事ではありますよ。
エリイ:子どものときとかに見た映画に出てくる秀でた才能を持っている人たちって、朝起きなくても許されるイメージがありませんでしたか? とにかく朝起きたくないという最低な理由で芸術家になる道を選んで、今まで生きてますね。
ウェブサイト情報

- ノミモノ
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誰もが口にする、慣れ親しんだ「飲み物」を、もっと知って、楽しんでもらいたい。そして、「見もの」=「見る価値がある、見ごたえのある」情報を届けたい。「ノミモノ」は、そんな想いと意味を込めた、キリン発の「読み物です。

- 「清 竜人とエリイ(Chim↑Pom)に訊く、初対面の人と仲良くなるコツ」
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清 竜人とエリイによる、「はじめましての人と仲良くなるコツ」を掲載中。二人がカンパイを交わすGIF動画もお見逃しなく!
リリース情報
- 清 竜人25
『Christmas♡Symphony』 -
2015年12月2日(水)からiTunes、レコチョク、OTOTOYほかで配信
イベント情報
- 清 竜人25
『清 竜人25 “倦怠期♡ツアー”』 -
2016年1月10日(日)
会場:愛知県 名古屋 ElectricLadyLand2016年1月11日(月・祝)
会場:大阪府 BIGCAT
- 清 竜人25
『清 竜人25 コンサート 2016 春』 -
2015年4月9日(土)
会場:東京都 中野サンプラザ
プロフィール

- 清 竜人(きよし りゅうじん)
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15歳からオリジナル曲を作り始める。2009年3月、シングル『Morning Sun』でデビュー。彼に対する注目度の高さが話題となる中で、傑作の誉れ高いデビューアルバム『PHILOSOPHY』をリリース。この作品は後に「第2回CDショップ大賞」準大賞を受賞する。2012年5月にリリースされた4thアルバム『MUSIC』ではアニメ / ゲーム界のクリエイターとコラボ、堀江由衣や多部未華子ら声優&女優のゲストを迎えミュージカルの様な世界感をもったアルバムを制作。2014年、アイドルユニット「清 竜人25」を立ち上げる。プロデューサー兼メンバーである清 竜人とその妻6名で構成。妻たちとともに、一緒に歌い踊り、ハーレム状態でパフォーマンスを繰り広げる清 竜人、アイドルの固定概念を覆す全く新しいエンターテインメントを披露する。自身の作品のみならず、堀江由衣やでんぱ組.incへの楽曲提供などプロデューサーとしてもその活躍の幅を広げている。

- Chim↑Pom(ちんぽむ)
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2005年、卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀により結成。時代と社会のリアルに全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々と発表。東京をベースに、世界中でプロジェクトを展開する。2015年アーティストランスペース「Garter」をオープン、キュレーション活動も行う。福島第一原発事故による帰還困難区域内で、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」国際展『Don’t Follow the Wind』をたちあげ作家としても参加、2015年3月11日にスタートした。近年の主な著作に『芸術実行犯』(朝日出版社)、『SUPER RAT』(パルコ)、『エリイはいつも気持ち悪い』(朝日出版社)、『Don’t Follow the Wind』(河出書房新社)がある。