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元銀杏・安孫子とGEZANマヒトが考える、新しいレーベルのあり方

元銀杏・安孫子とGEZANマヒトが考える、新しいレーベルのあり方

池野詩織『BUBBLE BLUE』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人

今は何だってやろうと思えばできる。これだけ恵まれた環境にいて、文句言えねえなって思うんですよ。(マヒト)

―『BUBBLE BLUE』が象徴的ですが、KiliKiliVillaも十三月の甲虫もすごくいろんなアウトプットをしていて、それも「カルチャー全体を押し上げる」というよりは、「いかに自分たちのやり方で楽しむか」という方向に向いているのがすごくいいなって思います。

マヒト:何に対してもそうなんですけど、これだけ恵まれた環境にいて、文句言えねえなって思うんですよ。昔はCD一枚作るのもたいそうなことだったと思うけど、今は何だってやろうと思えばできて、それはいわゆる「表現」みたいなものとはかけ離れててもいい。もちろん、ちゃんとしたものを作ることを否定するわけじゃないけど、いろんな遊び方があっていいですよね。いろんなことができる分、言い訳はできないとも思うけど。

安孫子:今と昔の違いでひとつ思うのは、昔は無名のバンドでも7インチが500枚も売れたり、今カルトって呼ばれるようなバンドが当時は自主で1万枚も売ってたりする。今はそういうことはありえないから、商売としては厳しい部分があるのは事実だし、その分「これをやりたい」っていうことがないと、そもそも継続できないと思うんですよね。実際、昔よりバンドの数は少ないと思うし。

マヒト:「バンドをやってて羨ましい!」と思えるような活動をしてるバンドが少ないですよね。バンドをやったらモテるとか、でかいツアーをして、テレビでちやほやされて羨ましいと思うような機会がどんどん減ってるから、バンドに憧れる人口が減ってるのかなって。実際バンドを始めても、与えてもらうのを待ってるような人はどんどんやめていっちゃう。昔と比べてどうかはよくわからないけど、今自分がやっててもそう思うっすね。

左から:安孫子真哉、マヒトゥ・ザ・ピーポー、池野詩織

安孫子:ロマンの作り方みたいなのが、昔とは明らかに違うんだろうなって。

マヒト:でも、『BUBBLE BLUE』のなかの人はみんないい顔してて、ここにはいい風が吹いてるなっていう、何よりの証明になってると思うんですよ。こういうやり方が一番クリーンだというか、「これが今来てます」っていうのを作ることよりも、「今いい風吹いてるぞ」っていうのを、そのまま形にしていくのがいいんじゃないかなって。

『BUBBLE BLUE』より
『BUBBLE BLUE』より

―去年くらいからライブハウスレベルでは「パンクがまた盛り上がってきてる」という話を耳にすることが増えてきたんですけど、それも「来てる」とかじゃなくて「いい風が吹いてる」っていうのが、おそらくニュアンス的には近いのかなって。

安孫子:実体としては、動員とかはそんなに増えてないんですけど、チェックしてみようっていう人はたしかに増えてるかもしれないです。自分で言うのは何ですけど、僕みたいな活動をしてきた人間が入っていって、「今ここが面白いんだよ」って言ったのは、そこに一役買ってるとは思うんです。でも、僕はまだこの1年半くらい参加させてもらっただけの分際で、みんなはもっと何年前からやってきてる。ただ単に、そこを面白いって言う人がいなかったんだなって思うんですよね。「(KiliKiliVillaで)よくいろんなバンドを見つけてきましたね」とか言われるんですけど、「いやいや、みんなずっとやってたんだよ」ってことでしかなくて。

安孫子真哉

―KiliKiliVillaはLIFE BALL(1990年代の日本の初期メロディック / スカパンクシーンのなかで熱狂的な支持者を持つバンド)の再発からスタートして、SEVENTEEN AGAiNもいて、そこに若いバンドもたくさんいるっていう、歴史の縦軸がちゃんと感じられるのもいいなって思います。

安孫子:文脈で捉えないと、音楽は長く楽しめないと思うんです。ホントに音楽にハマったときは、絶対文脈を探るんで。バンドのみんなには失礼かもしれないですけど、僕にとってKiliKiliVillaのリリースは、自分のアルバムを作ってるみたいな感覚があるんですよね。1曲目がLIFE BALL、2曲目がCAR10、「じゃあ、次はちょっと違うタイプにしよう」みたいな。だから、リリースの順番はかなり考えてます。「こうじゃないと自分的に腑に落ちない」、「これがあるからこうなんだ」っていう、そういう部分はこれからも大事にしたいと思ってます。

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書籍情報

『BUBBLE BLUE』
池野詩織
『BUBBLE BLUE』

2016年2月17日(水)発売
価格:2,160円(税込)
KiliKiliVilla / KKV-023B

リリース情報

SEVENTEEN AGAiN『少数の脅威』
SEVENTEEN AGAiN
『少数の脅威』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

NOT WONK『Laughing Nerds And A Wallflower』
NOT WONK 『Laughing Nerds And A Wallflower』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

CAR10『RUSH TO THE FUNSPOT』
CAR10
『RUSH TO THE FUNSPOT』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

SUMMERMAN『Temperature is …』
SUMMERMAN
『Temperature is …』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

LERNERS『LEARNERS』
LERNERS
『LEARNERS』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

Kellerpass『まわりたくなんかない』
Kellerpass
『まわりたくなんかない』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

そのほか、KiliKiliVilla発売タイトル5作品がレコードで同時発売
CINRA.STORE > Kilikilivilla

イベント情報

『BUBBLE LANGUAGE』ビジュアル
十三月の甲虫 & KiliKiliVilla presents 池野詩織『BUBBLE BLUE』発売記念
『BUBBLE LANGUAGE』

2016年3月18日 (金) OPEN / START 23:30
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR、THREE

出演:
GEZAN
car10
SEVENTEEN AGAIN
GUAYS
BOMBORI
Have a nice day!
あっこゴリラ
KMC
KK manga
ナツノムジナ
5000
ラミ子
Minoura Kentaro
フード:音飯
料金:前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

プロフィール

安孫子真哉(あびこ しんや)

山形出身、1999年GOING STEADYのベーシストとしてデビュー。GOING STEADY在籍時よりSTIFFEEN RECORDSでレーベル活動を行う。2013年銀杏BOYZ脱退、2014年10月に自主レーベルKiliKiliVillaを立ち上げる。群馬在住のサラリーマンとしてパンクを基軸にインディー、ギター・ポップなど様々な現場に出没中。

GEZAN(げざん)

2009年大阪にて結成の日本語ロックバンド。2012年拠点を東京に移すとその音楽性も肉体感を変えぬまま大きく進化し続け、よりポップでキャッチー&メロディックな音にシンプルかつ意味深い日本語詞が乗る独自のスタイルを極め続けている。日本の音楽の歴史を継承するオーセンティックさと、新たな時代を切り裂くニュースクール感を合わせ持つ現在のシーンでは唯一無二の存在として今後の活動が期待されている。現在までにフルアルバム2枚、ミニアルバムとライブアルバムが各1枚、DVDやヴィニール7inchなどもリリースしている。またマヒトゥ・ザ・ピーポーソロとしてアルバム2枚をリリースもしている。

池野詩織(いけの しおり)

1991年生まれ。2012年よりフォトグラファーとして活動を開始。日常のドキュメントスナップ写真を作品として発表している作家活動とともに、雑誌やウェブなどでフリーランスフォトグラファーとして活動中。展示やジンフェアにも定期的に参加している。また、写真家という肩書きに縛られず自由に遊ぶためのチームBOMB COOLERを写真家松藤美里とともに結成し、活動していた。これまで、シブカル祭。のメインビジュアル、バンドどついたるねん写真集への参加、パルコのポスター/CM起用、Jennyfaxのコレクション撮影など、オールジャンルで活躍。日常のなかの青春を感じる瞬間にアンテナをはり、写真を撮りあつめている。

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