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元銀杏・安孫子とGEZANマヒトが考える、新しいレーベルのあり方

元銀杏・安孫子とGEZANマヒトが考える、新しいレーベルのあり方

池野詩織『BUBBLE BLUE』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人

生きていくなかで価値観とか好みはどんどん変わっていくわけで、それでもぶれない新しい幸せのあり方を探したい。(マヒト)

―お二人ともレーベルをやるにあたって「場所を作る」という感覚があると思うんですけど、それは決して限定されたものではなく、同じ意識を共有する人たちと緩やかにつながるという意味合いなのかなって。

安孫子:レーベルっていうものが、そういう人たちをかき集めるための名刺になればいいかなぐらいの感じですね。商売にするのをあきらめてる部分もあるにはあるし、かといって、好きな人だけで閉鎖的にやるつもりもないっていうか。

マヒト:自分のなかに「上手くやる」って発想がゼロだったわけではないし、外に対する意識や感覚もあるにはあるんです。でも結局自分はどうしたってオルタナティブな方向に向かうし、カウンターが好きみたいで、そこは自分の業なのかもしれない。とは言っても、カウンターの打ち合いみたいなのは飽きてきたんですけど。

左から:安孫子真哉、マヒトゥ・ザ・ピーポー

―なんでもかんでも対抗すればいいってわけではない?

マヒト:カウンターって、季節のフルーツじゃないけど、絶対変わっていくものじゃないですか。そこに足場を組むのに嫌気がさしてるっていうのが根本にあるんです。だったら、ホントに好きなことをやって、自分らにターンが回ってくるときは回ってくるし、回ってこなくても俺らは常に最高だしっていう状態の方がいい。それが一番楽しんでやっていくやり方かなって。

―そこはすごく大事なポイントだと思います。今ってカウンターを打つにしてもすごく不明瞭だし、安孫子さんも別のインタビューでおっしゃってたと思うんですけど、「他は関係ない」っていうスタンスの方が、面白いことをやれる気がする。

マヒト:そもそもインディーズなんて大して人がいないのに、そのなかで打ち合いをして、客を取り合っても誰も成功しないですからね。

安孫子:まったく同感です。僕は、いろんな「バンドシーン」と呼ばれるところにちょこちょこ顔を出すんですけど、当人同士って意外とつながっていないんですよね。そういうなかで少ないコミュニティーを取り合うのってホントバカらしいと思う。十三月の甲虫と早い段階で何かやりたいと思ったのも、そういう意識があったからなんですよね。

安孫子真哉

―その一方で、安孫子さんがおっしゃったように、好きな人だけで閉鎖的にやるつもりもないというのは、マヒトさんも共通している部分ですか?

マヒト:好きな人だけでまとまってると、それはそれで好きって気持ちをキープできなくなるんですよね。馴れ合いっていうか、どうしても退屈になっていく。結局自分も周りも常に新しいことをしたいと思ってるし、閉鎖的にならないっていうのは、自然とやってることかもしれない。

―十三月の甲虫はただ音源をリリースするだけのレーベルではないですもんね。

マヒト:名前からしてレーベルっぽくないですよね(笑)。ちょっとスピリチュアルな言い方になるけど、生きていくなかで価値観とか好みはどんどん変わっていくわけで、それでもぶれない新しい幸せのあり方を探したいっていうのが、十三月の甲虫に表れてるのかなって。今回の写真集『BUBBLE BLUE』にしても、ひとつの新しい遊び方だと思ってるんです。MEAN JEANSとは何の脈絡もなかったけど、メールをきっかけにつながって、それをどれだけ楽しめるか。自分たちでお祭りにできるかっていう。

安孫子:そう、ただ「好きなバンドを海外から呼んで、一緒にツアーをした」っていうだけの話じゃないんですよ。ホントにものすごいお祭りだったんです。

マヒト:自分や(池野)詩織ちゃんはもともとMEAN JEANSが好きだったけど、ツアーで対バンしてくれたバンドはみんながMEAN JEANSを知ってたわけではなくて、でも神輿の上が何であろうと別に関係なく、ただみんなでイェー! ってやってるのが最高(笑)。もちろん事前の準備もいろいろしたし、終わってからもこうやって写真集を作って、これの展示があって、きっとそこからまた別の遊びにつながっていくと思う。こういうことをしてたら、俺は一生退屈しないなって。

左から:安孫子真哉、マヒトゥ・ザ・ピーポー

―このツアーって、そもそもはMEAN JEANSをYouTubeで見て、気に入って、メールを送ったことがきっかけだったんですよね?

マヒト:別に最初から「日本に来てほしい」と思ったわけじゃなくて、散歩して花をきれいだなって思ったりするような、フラットなテンションで「いいね」ってメールをしたら、次のメールで「日本に行くし、リリースも十三月の甲虫からする」って返ってきて、「そこまで言ってねえぞ」っていう(笑)。

安孫子:それでもマヒトくんたちが準備をしてる様子がタイムラインに流れてきて、車をペインティングしてたり、LPを100枚全部違うジャケで作ったり、「バンドを海外から呼んだ受入れ役」っていう観点で見ると、誰も敵わないレベルのことをやってるんですよ。実際MEAN JEANSはとてつもない喜びようで、僕はツアーの中間地点の大阪で初めて現場に行ったんですけど、ものすごい友情を育んでたんです。これは今まで見てきたツアーと違うというか、懐かしいというか、とにかくめちゃくちゃいいツアーになってるんだなっていうのは、最初の1時間くらいですぐにわかりましたね。

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書籍情報

『BUBBLE BLUE』
池野詩織
『BUBBLE BLUE』

2016年2月17日(水)発売
価格:2,160円(税込)
KiliKiliVilla / KKV-023B

リリース情報

SEVENTEEN AGAiN『少数の脅威』
SEVENTEEN AGAiN
『少数の脅威』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

NOT WONK『Laughing Nerds And A Wallflower』
NOT WONK 『Laughing Nerds And A Wallflower』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

CAR10『RUSH TO THE FUNSPOT』
CAR10
『RUSH TO THE FUNSPOT』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

SUMMERMAN『Temperature is …』
SUMMERMAN
『Temperature is …』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

LERNERS『LEARNERS』
LERNERS
『LEARNERS』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

Kellerpass『まわりたくなんかない』
Kellerpass
『まわりたくなんかない』(カセットテープ)

2016年3月下旬発売
価格:1,620円(税込)
※CINRA.STORE限定販売、限定生産商品、ダウンロードコード付

そのほか、KiliKiliVilla発売タイトル5作品がレコードで同時発売
CINRA.STORE > Kilikilivilla

イベント情報

『BUBBLE LANGUAGE』ビジュアル
十三月の甲虫 & KiliKiliVilla presents 池野詩織『BUBBLE BLUE』発売記念
『BUBBLE LANGUAGE』

2016年3月18日 (金) OPEN / START 23:30
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR、THREE

出演:
GEZAN
car10
SEVENTEEN AGAIN
GUAYS
BOMBORI
Have a nice day!
あっこゴリラ
KMC
KK manga
ナツノムジナ
5000
ラミ子
Minoura Kentaro
フード:音飯
料金:前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

プロフィール

安孫子真哉(あびこ しんや)

山形出身、1999年GOING STEADYのベーシストとしてデビュー。GOING STEADY在籍時よりSTIFFEEN RECORDSでレーベル活動を行う。2013年銀杏BOYZ脱退、2014年10月に自主レーベルKiliKiliVillaを立ち上げる。群馬在住のサラリーマンとしてパンクを基軸にインディー、ギター・ポップなど様々な現場に出没中。

GEZAN(げざん)

2009年大阪にて結成の日本語ロックバンド。2012年拠点を東京に移すとその音楽性も肉体感を変えぬまま大きく進化し続け、よりポップでキャッチー&メロディックな音にシンプルかつ意味深い日本語詞が乗る独自のスタイルを極め続けている。日本の音楽の歴史を継承するオーセンティックさと、新たな時代を切り裂くニュースクール感を合わせ持つ現在のシーンでは唯一無二の存在として今後の活動が期待されている。現在までにフルアルバム2枚、ミニアルバムとライブアルバムが各1枚、DVDやヴィニール7inchなどもリリースしている。またマヒトゥ・ザ・ピーポーソロとしてアルバム2枚をリリースもしている。

池野詩織(いけの しおり)

1991年生まれ。2012年よりフォトグラファーとして活動を開始。日常のドキュメントスナップ写真を作品として発表している作家活動とともに、雑誌やウェブなどでフリーランスフォトグラファーとして活動中。展示やジンフェアにも定期的に参加している。また、写真家という肩書きに縛られず自由に遊ぶためのチームBOMB COOLERを写真家松藤美里とともに結成し、活動していた。これまで、シブカル祭。のメインビジュアル、バンドどついたるねん写真集への参加、パルコのポスター/CM起用、Jennyfaxのコレクション撮影など、オールジャンルで活躍。日常のなかの青春を感じる瞬間にアンテナをはり、写真を撮りあつめている。

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