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クラムボンが一歩踏み出して話す、アーティストの「お金」の話

クラムボンが一歩踏み出して話す、アーティストの「お金」の話

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織 編集:矢島由佳子

クラムボンって、常に三人の思考、見てるものが違うんですよね。でも「やる」と決めたらとことんやる。(原田)

―伊藤さんと原田さんはクラウドファンディングに対してどんな印象をお持ちでしたか?

伊藤:5~6年前に、Electric Eel Shockがクラウドファンディングを使って集めた資金でアルバムを作って、ヨーロッパやアメリカをツアーしていたんですけど、実際にそれをどうやっているのかについて話す講演会を聞きに行ったことがあったんです。そのときに、「こういう形が当たり前になっていくのかな」って思ったんですよね。

なので、今回の企画を聞いたときも、すごくいいなって思いました。ここ最近は、同年代のファンの方が家庭を持ったり、仕事が忙しかったりで、なかなかライブに来られない人も多くなってきたと思うんですけど、そういう人たちにも気軽に参加してもらえるようなものになったらいいなって思いましたね。

伊藤大助

―原田さんはいかがですか?

ミト:原田さんは最初すごい拒否してましたよね(笑)。

原田:(笑)。えっとですね、少し補足すると、ミトさんはいつもあんまり説明がないんですよね。「なぜやるのか」というのは、追々わかってくる。クラウドファンディングに関しても、「今日の打ち合わせ、これについて話すから目を通してて」ってメールだけ来て。

思い立ったのが、前日とか前々日とかだったみたいなんですけど、すでにbambooさんのスケジュールの話とかをしていたので……「いやいや、ちょっと待って」と(笑)。クラウンドファンディングに一回も参加したことがなくて、本当に去年『この世界の片隅に』で初めて知ったので、そういう人間からすると、「待って待って。なんでそれをしたいのか、まず話そうよ」っていう感じだったんです。

原田郁子

―具体的には、どんなことが気になっていたんですか?

原田:うーん、一番気になったのは、去年、初めて自分たちのアルバム『モメント e.p.』を自主制作して、流通を通さないでツアーの各会場で直売しながら、「なぜここに至ったか」の経緯をMCで丁寧に説明して、少しずつファンの方にも理解してもらっているところで。また今年も6月から『モメントツアー』をやろうとしていて、そこにまた新たな手法を導入するの? っていうことかな。

ミトさんの思考はかなり先まで行ってたと思うんですけど、「え? お前、まだそこにいたの?」みたいな感じで、一旦こっちまで戻ってきてもらって(笑)。「クラウドファンディングって、もっとカジュアルに参加できるツールなんだよ」っていう話も聞いて、「あー、なるほど」と、だんだんクラムボンが今やることの意味がわかってきた。

ミト:この三人のなかだけでも、日本でのクラウドファンディングの認知のバラつきがわかりますね(笑)。

原田:(笑)。クラムボンって、常に三人の思考、見てるものが違うんですよね。でも「やる」と決めたらとことんやる。

実際に、「クラウドファンディング、やってみよう」と決めて、bambooさんにもお会いして話を聞いてみると、今のクラムボンの活動、考え方にすごく通じるものがあるっていうことがわかりました。「お、面白そう。乗った!」って賛同してくれる人と直接的に関わりが持てるというのは、まさに私たちがやりたいことで。それに、その日だけで終わるはずのライブが、何層にもなっていくというか、ライブが始まるまでもそうだし、終わってからも「どうなるんだろう?」という楽しみ方ができるというのは、今までになかったことだなって。

クラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦
クラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦(サイトを見る

「今の若い子はエンタメを全部タダだと思ってる」って話がありますけど、逆だと思う。(ミト)

―『この世界の片隅に』だったり、音楽業界で言うと、ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり)のオウンドメディア「Noah's Ark」の設立だったり、徐々に日本でもクラウドファンディングが浸透してきて、カジュアル化しつつありますよね。

ミト:ぼくりりくんがやったことにはかなり背中を押されましたね(インタビュー記事:ぼくのりりっくのぼうよみインタビュー 情報社会をどう生きる?)。アーティストが資本的なことを自分の口から話すのって、したがらないのか、苦手なのか、させないのか、現状このどれかがフィルターとして付きまとってると思うんです。でも、そこに対して若手で勢いのある子が一歩前に進んでくれたことによって、私たちみたいな更年期バンドも(笑)、気兼ねなく一歩を踏み出せたというか。

―そうやってお金の話題をカジュアルにしていくことが、エンタメを推し進める上でも重要かと思います。

ミト:「今の若い子はエンタメを全部タダだと思ってる」って話がありますけど、私はそれは逆だと思ってて、「よくこんなのがタダで見れるよな」って、絶対に思ってると思うんですよ。好きなアーティストには頑張ってほしいし、つながりたい。そのためには音源を買ったりすることが一番簡単な意思表示だということは、きっとわかってる。

ただ、今の若い子はネットによって仮想敵が見えすぎちゃってると思うんですよね。CDを買ったところでそのお金がアーティスト以外にもいくことや、Spotifyにお金を払っても、何億回再生されないと一般企業の社員並みの給料にもならないことを知っちゃってる。だから、「じゃあ、どうしたらいいの?」ってなっているわけです。

ミト

―なるほど。

ミト:でも、そのわだかまりを解消し得るのがクラウドファンディングですよね。もちろん、クラウドファンディングも運営費をCAMPFIREにお支払いするんですけど、とはいえほぼほぼ直接アーティストに還元される。そこでアーティストとファンがお互い報われ始めているんじゃないかなって。

もっと言えば、友達がアクセサリーを作るとか、ご飯屋さんを作るとか、そういうプロジェクトにお金を払うのって、きわどい言い方ですが、下手に税金を払うよりも社会に対して直接的ですよね。つまり、個人が政治に真正面から向き合わなくても、社会貢献としての実感が得られる。クラウドファンディングの熱量ってそういうことなんじゃないかって、それは自分が実際にやってみて思ったことです。

―昨年の直売ツアーで実感した、ファンの方との濃密な関係性の作り方の延長線に、今回のプロジェクトがあるとも言えそうですね。

ミト:去年のやり方を始めて、私たちはメジャーで5万枚とか10万枚売ってる人たちとあんまり変わらないくらいの資本で動けてるんです。それは全部自分たちで出版を持ったり、流通も管理してるからこそ。

今回岩井監督とご一緒するってなったときで、「私たちが出資しますから、ファンに募らなくても」って言ってくれる企業の方もいたんです。でも僕らにとって重要なのはそういうことではないんですよね。

原田:今回、クラムボンも、岩井さんも、初めてのクラウドファンディングだったんですけど、毎日CAMPFIREのページを見るたびに、「おぉー! すごいー!」ってなってました。反響の大きさももちろんですが、賛同してくれるみなさんの熱意がすごかった。もちろん参加するには自分でコースを決めて「お金」が発生するんですけど、ちゃんとそこに気持ちが乗っかって、返してくれている。そのことがものすごく励みになりました。

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プロジェクト情報

CAMPFIREクラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦
CAMPFIRE
クラムボン×岩井俊二「日比谷野外音楽堂ライブ」映像化大作戦

クラウドファンディングプロジェクトの支援募集は、2017年5月31日23:59まで。

リリース情報

クラムボン『モメント e.p.2』
クラムボン
『モメント e.p. 2』(CD)

2017年6月1日(木)発売
価格:2,500円(税込)
TRP-10009 / tropical

1. 蒼海
2. レーゾンデートル
3. flee
4. nein nein
5. タイムライン
※箔押し特殊パッケージ仕様

ライブ情報

『clammbon モメントツアー2017』

2017年6月1日(木)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24

2017年6月3日(土)
会場:北海道 北見ONION HOLL

2017年6月10日(土)
会場:神奈川県 横浜 F.A.D YOKOHAMA

2017年6月11日(日)
会場:山梨県 甲府 CONVICTION

2017年6月14日(水)
会場:三重県 松阪 M'AXA

2017年6月15日(木)
会場:岐阜県 Club Roots

2017年6月17日(土)
会場:富山県 MAIRO

2017年6月24日(土)
会場:宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE

2017年6月25日(日)
会場:青森県 弘前 MAG-NET

2017年6月27日(火)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
※サイン会なし

2017年6月28日(水)
会場:千葉県 柏 PALOOZA

2017年7月1日(土)
会場:山形県 ミュージック昭和Session

2017年7月2日(日)
会場:栃木県 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2

2017年7月7日(金) 会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1

2017年7月12日(水)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

2017年7月14日(金)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE
※サイン会なし

2017年7月16日(日)
会場:滋賀県 U★STONE

2017年7月17日(月・祝)
会場:和歌山県 SHELTER

2017年7月19日(水)
会場:広島県 CAVE-BE

2017年7月20日(木)
会場:島根県 出雲 APOLLO

2017年7月22日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION

2017年8月2日(水)
会場:福井県 CHOP

2017年8月3日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
※サイン会なし

2017年8月5日(土)
会場:徳島県 徳島 club GRINDHOUSE

2017年8月6日(日)
会場:愛媛県 松山サロンキティ

2017年8月22日(火)
会場:兵庫県 神戸 チキンジョージ

2017年8月24日(木)
会場:山口県 周南 RISING HALL

2017年8月26日(土)
会場:佐賀県 RAG-G

2017年8月27日(日)
会場:鹿児島県 CAPARVO HALL

料金:各公演2,500円

プロフィール

クラムボン
クラムボン

福岡出身の原田郁子(vocal,keyboard)、東京出身のミト(bass,guitar,composer)、北海道出身の伊藤大助(drums)が音楽の専門学校で出会い、1995年にバンド「クラムボン」を結成。シングル『はなれ ばなれ』で1999年にメジャーデビュー。当初よりバンド活動と並行して、各メンバーのソロ活動、別ユニット、別バンド、楽曲提供、プロデュース、客演、執筆活動など、ボーダレスに活動を続けている。2003年より自身らの事務所『tropical』を設立、また山梨県小淵沢にスタジオの制作、2010年にはサウンドシステムを保有しライブハウス以外の会場で全国ツアーを行うなど、バンドとして独自のスタンスを築き上げている。2015年には結成20周年を迎え、9枚目のオリジナルアルバム『triology』を発表し、在籍していたメジャーレーベルを離れた。また、レコ発ツアーのファイナルではキャリア初となる日本武道館公演をおさめる。2016年自身のレーベル「トロピカル」から『モメントe.p.』を発表。ライブ会場限定でCDを販売しサイン会を行うツアーを全国30公演開催。そこで流通を介さず活動に賛同してくれる店舗への直接委託で流通を試み、ジャンル問わずの180店舗以上にまで広がりを見せる。現在もオフィシャルサイトで販売店を募集中。今年も新譜をもってモメントツアー開催。

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