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MYTH & ROID×2BOY×大河臣が団結 日本のピクサーを目指して

MYTH & ROID×2BOY×大河臣が団結 日本のピクサーを目指して

MYTH & ROID『eYe's』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

ふざけたことばかり言ってても、「結局お前、仕事のことしか考えてないじゃん!」っていうくらい真面目な人が好き。(Tom-H@ck)

―チームを継続し、成長させていくためには「相手を全面的に信頼する」ということも、とても大事なことなのでしょうね。「今回、うまくいかなかった。じゃあ、他の適任者を」というのではなく、「次はもっといい結果を出してくれる」と信頼することが。その他に、チームで仕事をする上での秘訣はありますか?

Tom-H@ck:お互いを信頼し合っていて、ほどよい緊張感もあり、なおかつ「仲がいい」というのが、チームとしては最高の状態だと思います。そこで気をつけているのは、「こうしてください」っていうディレクションを、あまり具体的に言わないこと。

アートワーク、ミュージックビデオ、歌詞など、それぞれが自分のフィールドで「いい」と思っているものを出してもらったほうが、最終的に合わせたときにすごいものになる。それも相手をリスペクトし、信頼するということですよね。

大河:チームワークということでいうと、映像では常に監督がフィーチャーされがちで、「監督」って言われて持ち上げられる立場なんですけど、それは違うと僕は思っているんです。

監督は単に「代表者」ということでしかなく、一人でミュージックビデオを作っているわけでは決してない。「これは僕の仕事でもあると同時に、あなたの仕事でもある。なので一緒にいいものを作っていきましょう」というのが僕の考え方です。「はいはい、こっち向いて!」と言って、スタッフに監督のほうを向かせるのではなく、みんなで同じ方向を向いているような仕事がしたいんですよね。

大河臣
大河臣

大河が監督を務めた、Tom-H@ckが所属するもう1組のユニット「OxT」のミュージックビデオ

Tom-H@ck:その話に関連する僕の夢がひとつあるんです。MYTH & ROIDが今後ライブをやることになったら、最後のメンバー紹介のときに、演奏したメンバーだけではなくて、美術担当、照明スタッフ、音響チームとか、クリエイター全員をステージに立たせたい。

最近、ミュージックビデオのエンドロールにスタッフ全員をクレジットする人って増えているけど、それをステージでもやりたいんですよね。「MYTH & ROIDはTom-H@ckの一人プロジェクト」という見え方じゃなくて、クリエイターチームなんだよっていうのを見せたい。

―最近、作家でもコライトという形が増えてきて、「作家1人が作品を作っています」という「作家至上主義的なヒエラルキー」がどんどんなくなっている気がしますよね。作家も、エンジニアも、マニピュレーターも、プロデューサーも、全員がチームのメンバーとして平等というか。

Tom-H@ck:おっしゃる通りだと思います。裏方が表に立つ時代というか。たとえば日本の芸能界って、プロダクションがあってマネージャーがいて、そこにタレントが所属してっていう形態じゃないですか。海外はそうじゃないんですよね。

海外だと、タレントがマネージャー、エージェントを自分で選んで雇い、それぞれが同等の立場として仕事をしている。そういう考え方っていいなと前から思っていたんですよ。もちろん、日本人の習慣や性質にあった方法なのかもしれないけど、そのほうが風通しもよくなるし、新しい信頼関係を構築できる気がします。

Tom-H@ck
Tom-H@ck

―「こういう人となら一緒に仕事をしたい」という理想像はありますか?

Tom-H@ck:ありきたりに聞こえるかもしれないけど、やっぱり自分の仕事に真面目な人。ふざけたことばかり言ってても、「結局お前、仕事のことしか考えてないじゃん!」っていうくらい真面目に取り組んでいる人が好きだし、そういう人と仕事がしたいですね。……2BOYさんは、元々アパレルだったんだよね?

2BOY:そうです。専門学校はデザインだったんですけど、卒業後は洋服屋で働いていて。でも「やっぱりデザインがやりたい! もの作りがしたい!」と気づき、「これからの人生はこれに賭けよう」と思って転職しました。

2BOY
2BOY

2BOY:僕の信念は、「仕事は楽しくやりたい」ということですね。横柄な態度を取ったり、イライラしている素振りを見せたりは、絶対にしないと決めています。もちろん締めるところは締めますが。

アートディレクターって、撮影当日よりもその前後が大変なんですよ。スタッフィングやコンセプト決めなどの準備があり、終わった後は入稿作業が待っていて。当日は、カメラマンもヘアメイクもスタイリストも、自分の信頼しているスタッフがやってくれているので、やることといえば確認作業くらいなんです(笑)。それであれば、現場をいかにハッピーにするかを考えたい。何事も、楽しいに越したことないし。

せっかくある五感を使って楽しんでもらいたいんです。(2BOY)

―さて、最新アルバム『eYe's』の初回限定盤には、これまでのミュージックビデオを収録したBlu-rayが同梱されています。MYTH & ROIDの映像やアートワークは、単体で見たときにアニメのタイアップ曲、いわゆる「アニソン」だと分からないじゃないですか。それってアニソン業界からすると、かなり規格外なことなのでは?

Tom-H@ck:おそらく普通なら、アーティストから企画書を出した段階で、メーカー側が嫌がると思います(笑)。それこそ、アニメのキャラクターの顔がジャケットに出ているほうが、セールスも見込めるので。でも、そういう固定観念を崩したかったんです。

ただし、「固定観念を崩すこと」そのものが目的になると、ちょっと違うと思うんですよ。「アニソンなのに」とかそんなこと関係なく、芸術作品として美しくかっこいいものを作りたいと思ったんですよね。

2BOY:MYTH & ROIDのアートワークを手がけるときにTom-H@ckさんから言われたのは、「iTunesにジャケ写が並んだとき、そこで目立つようにしたい」ということだったんです。そういうところも意識されている方なんだなと思って感銘を受けました。

そこももちろん大事なのですが、子どもの頃、発売日にCDをお店に買いに行って、封を開けるまでワクワクしていた者としては、フィジカルでしかできない表現にもこだわり続けたいんですよね。今の時代だからこそ。

2BOY
2BOY

―フィジカルでしかできない表現とは?

2BOY:フィジカルの場合は「視覚」だけでなく「触覚」でも楽しめると思うんです。MYTH & ROIDでは、毎回紙にこだわっていて。もちろんCDが不況と言われている時代なので、メーカーによっては「ツヤありか、ツヤなしの2種類しかない」なんて言われることもあるんですけど、MYTH & ROIDに関しては、KADOKAWAの担当の方に無理を言ってこだわらせてもらってます(笑)。

今の時代、フィジカルで買ってくれる人は貴重でありがたい存在ですよね。せっかく手にしていただいたなら、少しでも大切にしてほしいし、少しでも楽しんでもらいたい。極端な話、ちゃんと印刷や紙質にこだわったジャケットと、単なるカラーコピーのジャケットでは、受け取り方が全然違うと思うんですよ。ちょっとした指の感触でもいい。せっかくある五感を使って楽しんでもらいたいんです。

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リリース情報

MYTH & ROID『eYe's』初回限定盤
MYTH & ROID
『eYe's』初回限定盤(CD+Blu-ray)

2017年4月26日(水)発売
価格:4,320円(税込)
ZMCZ-11076

[CD]
1. - A beginning -
2. TRAGEDY:ETERNITY
3. Paradisus-Paradoxum
4. STYX HELIX
5. 雪を聴く夜
6. Tough & Alone
7. ANGER/ANGER
8. theater D
9. JINGO JUNGLE -HBB Remix-
10. Crazy Scary Holy Fantasy
11. L.L.L.
12. sunny garden sunday
13. -to the future days
14. - An ending -
[Blu-ray]
1. TRAGEDY:ETERNITY (Music Video)
2. L.L.L. (Music Video)
3. ANGER/ANGER (Music Video)
4. STYX HELIX (Music Video)
5. Paradisus-Paradoxum (Music Video)
6. JINGO JUNGLE (Music Video)

MYTH & ROID『eYe's』通常盤
MYTH & ROID
『eYe's』通常盤(CD)

2017年4月26日(水)発売
価格:3,240円(税込)
ZMCZ-11077

1. - A beginning -
2. TRAGEDY:ETERNITY
3. Paradisus-Paradoxum
4. STYX HELIX
5. 雪を聴く夜
6. Tough & Alone
7. ANGER/ANGER
8. theater D
9. JINGO JUNGLE -HBB Remix-
10. Crazy Scary Holy Fantasy
11. L.L.L.
12. sunny garden sunday
13. -to the future days
14. - An ending -

プロフィール

MYTH & ROID
MYTH & ROID(みすあんどろいど)

「MYTH & ROID」はプロデューサー・Tom-H@ckを中心としたコンテンポラリークリエイティブユニット。インターナショナルで本格的なサウンド、鋭角的でキャッチーなメロディー、圧倒的なボーカルパフォーマンスを兼ね備えた気鋭のユニットである。2015年7月、TVアニメ『オーバーロード』EDタイアップ楽曲の1st Single『L.L.L』でメジャーデビュー。iTunesジャンル別ランキングでは同時リリースのOP楽曲と合わせ1位、2位を独占。iTunes総合ランキングでは最高3位を記録。『オーバーロード』のヒットと共に鮮烈なデビューを果たした。2016年に発表した3rd Single『STYX HELIX』4th Single『Paradisus-Paradoxum』は2作続けてiTunes総合チャート1位を記録。ユニット名である「MYTH & ROID」は過去を想起させる「Myth」(神話)と未来を想起させる「Android」を組み合わせた造語。互いのルーツを掛け合わせ新たな世界を切り開きたいという思いで考案された。

2BOY(つぼい)

MILKBOY、AMBUSH® DESIGNでのデザイン業務を経て、現在はアソビシステム株式会社のアートディレクターとして在籍。音楽やファッションを中心に、広告のアートディレクションからグラフィックデザイン、映像の監督までトータルで手掛けており、「不自由の中で最大限の自由」、“0”を“1”に、“1”を“100”に。“0”を“A”にする、をモットーに、フレキシブルなスタンスで活動中。マンガ・音楽・ファッションをこよなく愛するブロンドヘアーがトレードマークのアートディレクター。

大河臣(おおかわ しん)

映像作家。ミュージックビデオ、ライブ演出映像、CMなどを手がける。代表作に、L'Arc~en~Ciel『25th L'Anniversary LIVE』OPENING FILM、ねごと“アシンメトリ”、THE ORAL CIGARETTES“リコリス”、Mrs. GREEN APPLE“StaRt”、GARNiDELiA“ARiA”、PlayStation®4「A Possibility of SHARE」など。

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