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海外で戦うCrossfaithが語る、日米英豪におけるロックの違い

海外で戦うCrossfaithが語る、日米英豪におけるロックの違い

Crossfaith『FREEDOM』
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:沼田学 編集:山元翔一
2017/08/09

ヒップホップとロックがまた近づき始めているんじゃないかなと思うんです。(Koie)

―たとえば、Dragon AshやRIZEのようなバンドはそういう土壌から出てきたし、その後も「ミクスチャー」という言葉があったから、いろんなバンドがごった煮の発想を持って、ひとつの文化として定着してきた。20年くらいかけて日本独自の「ミクスチャーロック文化」の土壌ができてきたんじゃないかと思っているんです。

Koie:そうですね。ヒップホップでも、RIP SLYMEは10年以上前からドラムンベースやブレイクビーツを取り入れて、海外のヒップホップとは違うマッシュアップをしてきている。それもさっき言った日本人的な発想というところに近いのかなと思います。

Crossfaith

―で、僕はCrossfaithにもそういう系譜を感じるんです。たとえば今回の“Freedom”ではトラップの要素が取り入れられていますけど、それをバンド形態でやる人ってなかなかいないと思っていたんです。しかも、それをEnter Shikariというイギリスのバンドのフロントマンと一緒にやっている。その上、この曲にはグライム(ハウス系クラブミュージックに、ラップやレゲエの要素を加えた音楽ジャンルの総称)があるし、それを新しいやり方でミックスしている。

Koie:そこはTeruがトラップもグライムもしっかり聴いてるところが大きいですね。

―トラップやグライムって、単なるスタイルじゃなくて根底に鬱屈のようなもの、カウンターカルチャーの匂いを感じるんですよね。それはドラムンベースにしてもそうで。UKのドラムンベースの歴史を辿るとダブやレゲエに辿り着くじゃないですか? ロンドンにはアジアンコミュニティーやジャマイカンコミュニティーがあって、迫害されていた人の音楽として生まれたものからドラムンベースは育っていった。Crossfaithはそういうところも含めてバンドで表現しているというか。

Koie:そうですね。ロックって、音楽の形態でもあると思うんですけど、精神性もあると思うんです。たとえば、SkrillexはもともとFrom First to Lastというスクリーモバンドのボーカルでしたけど、彼の音楽の衝動的な部分はロックだと思いますし。Slipknotを初めて聴いたときに感じた「何これ!?」って感覚もそう。そういうふうに近い精神性を持った人がどんどんつながっていくというか、その意味でヒップホップとロックがまた近づき始めているんじゃないかなと思うんです。

―まさにそうですね。最近フロリダのラッパーのXXX Tentacion周辺を追っていると、アメリカの新しい憂鬱がそこにある感じがする。ジャスティン・ビーバーとかDrakeとか、そういうポップスターに中指を立てるような反発心を持った新しいムーブメントが生まれてきている気がしていて。だからこそCrossfaithが、その感覚をこのタイム感で曲にするのは流石だなと思いました。

Teru:遅いくらいかなと思いますけどね。それがバンドとトラックメーカーとの違いでもあって、俺たちみたいに事務所に所属してレーベルを通した上で曲を発表していると、どうしても時間がかかるんです。最先端のものからはタイムラグが生じてしまう。

でもそれは、逆にいい部分もあって。タイムラグが生じたとしても、バンドの場合、気持ちが曲にちゃんと乗ると劣化しづらいんですよ。だから、事務所やレーベルに所属しながらでも、そういうところでブレさえしなければいいなと。それを意識して音楽を作らないと、使い捨てになってしまうので。

Crossfaith『FREEDOM』初回限定盤ジャケット
Crossfaith『FREEDOM』初回限定盤ジャケット(Amazonで見る

楽曲はライブで初めて完成するものだと思ってるし、ライブを重ねるごとに進化していく。(Kazuki)

―バンドであるということで言うと、ライブはすごく大事な場所であると思うんです。シングルと併せて、幕張メッセ公演のライブ映像作品(『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』)も出ましたし、改めて、ライブに対してどういうふうに向き合っているかを訊きたいです。

Tatsuya(Dr):ライブはものすごく特別なものだと思っています。生演奏でそのときにしかできないものを作る空間だし、1本の映画を見るようなストーリー性とか、見せ方や演出にもこだわっていて。今年の2月にやった幕張メッセでのワンマンはステージセットにも凝って、ようやく自分たちがライブで表現したいことをできた手応えがあります。

Tatsuya
Tatsuya

Kazuki(Gt):楽曲はライブで初めて完成するものだと思ってるし、ライブを重ねるごとに進化していく。やっぱり表現ってめちゃくちゃ人間的なものだと思うので、ライブはそういうことをリアルに伝えられる場だと思います。そこが俺らがバンドである意味でもあると思うんです。曲を制作するだけじゃなく、どう伝えるかっていうところに意味があると思っていて。ライブはそういう表現をできる場かなと。

Kazuki
Kazuki

Koie:Crossfaithとして10年間活動しきて、ライブは「刹那のコントロール」だと思うようになってきたんです。この一発目の叫びが大事やから今は喋らんとこうとか、一瞬一瞬の雰囲気を考えてしまう。

でも、自分が観る側のときは、居ても立っても居られないようなライブが好きなんですよね。だから、やっぱり俺たちは「なんかわからんけど汗かいてきた、鳥肌立つわ!」っていうライブを見せたい。

ライブってリアルで現実的なものだけど、観ている側に非現実的な感覚を味わってもらうというか、現実と非現実の境界線を壊せるようなライブにしたいですね。かつて自分が興奮してたように目の前の相手をどう興奮させられるか。俺が一番意識しているのはそこですね。

俺たちは曲を作ることだけに心血注いできたわけじゃなくて、バンドで過ごしてきた日々があって仲間がいる。(Teru)

―では、最後にラウドロックシーンの話もしたいんですけど、近年の盛り上がりはONE OK ROCKのブレイクによる部分もあるかと思います。それに加えてSiMやcoldrainのような、Crossfaithにとってライバルであり、戦友であるようなバンドがいるというのが大きいじゃないかと思うんです。

Koie:そうですね。みんなベクトルは違うけど、音楽に対する情熱という点では合致するからこそ今も一緒にやってるし、お互い違うことをしてるからこそ、切磋琢磨もできる。インスピレーションを受けることは多いです。ちゃんと一緒に戦っていける仲間だと思っています。

Teru:そこは、俺らに大阪のハードコアシーンで育ったバックグラウンドがあるのも大きいと思います。俺たちは曲を作ることだけに心血注いできたわけじゃなくて、バンドで過ごしてきた日々があって仲間がいるので。ちゃんとしたシーンで育ってきたから必然的に仲間と出会えたし、今もつながっているのかなって思います。

Hiro:その仲間は日本だけじゃなく、他の国にも同じようにいるんです。だから他の国に行って日本を違う目で見ることもできる。

Koie:俺たちがバンドを始めたころって、今みたいなラウドロックのシーンはなかったし、俺たちと仲間たちで作ってきたものだと思うんですよね。このシーンをもっと強くしていきたいし、俺たちが海外でも戦い続けることで、海外のバンドにも日本の音楽シーンを知ってほしい気持ちがあります。近い将来、俺たちの主催するフェスで2~3万人を集めて、海外のバンドも日本のバンドも、ジャンルもごちゃごちゃで、でも最高に楽しいものを作りたいです。

Crossfaith

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リリース情報

Crossfaith『FREEDOM』初回限定盤
Crossfaith
『FREEDOM』初回限定盤(2CD)

2017年8月2日(水)発売
価格:1,600円(税込)
SRCL-9470/1

[CD1]
1. Freedom(ft. Rou Reynolds from ENTER SHIKARI)
2. Rockstar Steady(ft. JESSE from The BONEZ / RIZE)
3. Diavolos
[CD2]
1. Revolution(The Bloody Beetroots Remix)
2. Kill 'Em All(Shikari Sound System Remix)
3. Rx Overdrive(TeddyLoid Remix)

Crossfaith『FREEDOM』通常盤
Crossfaith
『FREEDOM』通常盤(CD)

2017年8月2日(水)発売
価格:1,300円(税込)
SRCL-9472

1. Freedom(ft. Rou Reynolds from ENTER SHIKARI)
2. Rockstar Steady(ft. JESSE from The BONEZ / RIZE)
3. Diavolos

Crossfaith『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』
Crossfaith
『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』(DVD)

2017年8月2日(水)発売
価格:4,980円(税込)
SRBL-1761

1. Opening : New Genesis
2. Monolith
3. We Are The Future
4. Jagerbomb
5. Kill 'Em All
6. Snake Code
7. Eclipse
8. Wildfire
9. Mirror
10. Madness
11. Photosphere
12. Tears Fall
13. Scarlett
14. System X VIP
15. Xeno
16. Raise Your Voice
17. Devil's Party
18. Astral Heaven
19. Rx Overdrive
20. Revolution
21. Drum Solo
22. Countdown To Hell
23. Leviathan

Crossfaith『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』
Crossfaith
『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』(Blu-ray)

2017年8月2日(水)発売
価格:5,980円(税込)
SRXL-131

1. Opening : New Genesis
2. Monolith
3. We Are The Future
4. Jagerbomb
5. Kill 'Em All
6. Snake Code
7. Eclipse
8. Wildfire
9. Mirror
10. Madness
11. Photosphere
12. Tears Fall
13. Scarlett
14. System X VIP
15. Xeno
16. Raise Your Voice
17. Devil's Party
18. Astral Heaven
19. Rx Overdrive
20. Revolution
21. Drum Solo
22. Countdown To Hell
23. Leviathan

イベント情報

『10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS - FAITH LASTS FOREVER -』

2017年10月27日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp Tokyo

2017年11月5日(日)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2017年11月10日(金)
会場:宮城県 仙台 Rensa

2017年11月12日(日)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2017年11月17日(金)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2017年11月18日(土)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2017年11月22日(水)
会場:青森県 Quarter

2017年11月24日(金)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24

2017年11月29日(水)
会場:香川県 高松 OLIVE HALL

2017年12月10日(日)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2017年12月16日(土)
会場:沖縄県 桜坂セントラル

プロフィール

Crossfaith
Crossfaith(くろすふぇいす)

2006年11月、Koie(Vo)、Teru(Prog,Vision)、Kazuki(Gt)、Hiro(Ba)、Tatsuya(Dr)により地元・大阪で結成。ロックとエレクトロの2つの世界を融合させた音を武器にワールドワイドな活動を行う。欧米のバンドと同じ舞台に立ち、世界中のキッズを虜にしてきた彼ら。世界各国のフェスへ出演し、メインステージでのアクトを務め、40か国近くの国々でツアーを行うなどといった日本人アーティストとして前例のない偉業を果たし、ロック史に新たな歴史を刻んだ。2015年、メジャーデビューアルバム『XENO』をリリース。ゼロ世代アーティストとして、ひたすら日本から「今」のロック音楽を牽引している。

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