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THE BACK HORNが語る、20年の歩みと「自立」の時代の生き方

THE BACK HORNが語る、20年の歩みと「自立」の時代の生き方

THE BACK HORN『BEST THE BACK HORN II』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西槇太一 編集:川浦慧、矢島由佳子
2017/10/25

“孤独を繋いで”っていうタイトルはまさにTHE BACK HORNだなって思ってて。(菅波)

—菅波さんの中では「自立」という言葉が今のキーワードになっているようですね。

菅波:そうですね。最初にちょっとフェスの話がありましたけど、最近のフェスって、お客さんが画一的にのるイメージから少し変わってきたと思ってて。そういうメガフェス系とは別に、独立した小さなフェスも増えてるじゃないですか? そうやってインディペンデントでやる人がどんどん増えてると思うんです。

—確かに、それはありますね。

菅波:あと自分たちは昔よく「日本のオルタナロック」って呼ばれてましたけど、それはメジャーに対するもうひとつの提案としての「オルタナ」だったんですよね。でも、今って「オルタナロック」じゃなくて、「インディーロック」って言われるじゃないですか? 同じスタイルでも、言い方が分けられてるのって、時代が変わったなって思うんですけど、「インディーロック」の「インディー」って、もう「メジャーに対して」とかじゃなくて、もっと独立したものだと思うんです。いろんな種類の人がいて、必ずしも一個に固まらない。今はそういう時代かなって。

菅波栄純

—それって、音楽業界にとどまらず、現代の働き方の話にも通じますよね。終身雇用は過去になって、働き方がかなり多様化してる。

菅波:この前お笑い番組を見てたら、「インディーでやってます」って人が結構いて、そういう時代なんだなって思いました。大きい事務所に属さないで、自分で仕事をとってる。俺らもそういう時代の中で、ちゃんと自立したバンドでいたいんですよね。

—最初に「繋がり方」の話をさせてもらいましたけど、繋がり方が変化していく中で、今は改めて個を見つめるタイミングだと思っていて、それは「一人ひとりが自立する時代」という話にも通じるように思います。“With You”や“あなたが待ってる”も「個」に焦点が当たってるように思うし、“孤独を繋いで”はまさに「自立」の歌でもあるというか。

菅波:“孤独を繋いで”というタイトルはまさにTHE BACK HORNだなって思ってて、自立した上で繋がっていくイメージですね。

山田:「人と人は違う」ってことを認め合って、その上で繋がっていけたら素晴らしいなって、そういう想いでこのタイトルが出てきました。それはホントにTHE BACK HORNの根っこにある考え方で、強制ではなく、信じるところから始まることだと思うんですよね。

山田将司

ずっと横で見守ってて、たまに「大丈夫だよ」って言ってくれるような、そういう存在ではありたい。(山田)

—新曲の“グローリア”はこの10年の流れを汲んだ聴き手の背中を押すような一曲であり、特に<変われない自分が愛しいのだろう 断言できるさ 人は変われる>というラインが印象的でした。

菅波:そこの歌詞は友達に言うくらいの感じにしようと思って。すげえ仲いい友達と横に並んで飲んでて、どんどん盛り上がって、「俺らやれるよ!」って、背中をバーンって叩くみたいなイメージ(笑)。それくらいのテンションで、「俺たち変われるよ!」って言い合いたいというか。

—20年歩みを共にしてきた仲間に呼びかけるような?

菅波:確かに、そうですね。まさに、そこは合致したなって。

山田:「繋がりたい」って気持ちがずっとありつつ、その反面「繋がりたくない」って人の気持ちもわかるから、そういう人に対して「繋がっていこうぜ!」って言うよりは、さっき栄純(菅波)が言ったみたいに、ただ横に座っててくれる存在みたいなのがいいなって。ずっと横で見守ってて、たまに「大丈夫だよ」って言ってくれるような、そういう存在ではありたいですね。

でも、言葉の選び方はすごく難しくて、<断言できるさ 人は変われる>も、最初は「変われない人が聴いたらどう思うんだろう?」って思ったんですよ。でも、俺もきっと変われると思うし、その可能性があるっていうのは希望だから、そういう気持ちをみんなに持ってほしいと思ったんです。

山田将司

—一人ひとりの自立を促しつつ、「気持ち次第で変われる」という前向きなメッセージを投げかけることは、多様性を認めることであり、「KYO-MEI」というテーマへの信頼をより強固なものにしているように思います。では最後に、来年の20周年に向けての展望を話していただけますか?

松田:昔からTHE BACK HORNのことを知っていて、「懐かしいな」って思う人がいたり、最近出会って「昔の曲もいいな」って思ってくれたり、20周年っていうのは、いろんな人たちが一気に交われるいい機会だと思っていて。

自分たちとしては、いつの時代もその時代の音を鳴らして存在し続けたい。だから今があるってことを証明できると思うので、それをみんなでごちゃ混ぜになって味わえたらいいなって思います。

—作品性という意味ではいかがでしょう?

松田:最初に言ったように、この10年は「THE BACK HORNとして何を鳴らすべきか?」に自覚的になって活動をしてきたんですけど、最初の頃にやってたような、自分たちがいいと思うもので繋がれる感覚もいいなって思うんですよね。

「この景色すげえいい」みたいな、「音楽に潜り込んで、みんなで楽しむ」っていう、そこで繋がれる幸せもあると思うんです。なので、これからは最初の10年と後の10年を組み合わせたような、意識的でもありつつ、「生まれちゃった」みたいな部分も大事にして、純度の高い音楽を作っていけたらいいなって。それが時代に求められるものと違ったとしても、俺たちが20年歩んできた真実はそこに詰まってるから、それを残していくべきだと思うんです。

THE BACK HORN

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リリース情報

THE BACK HORN『BEST THE BACK HORN II』TYPE-A
THE BACK HORN
『BEST THE BACK HORN II』TYPE-A(2CD+DVD)

2017年10月18日(水)発売
価格:4,860円(税込)
VIZL-1237

[CD1]
1. 覚醒
2. 戦う君よ
3. 閉ざされた世界
4. 世界中に花束を
5. シリウス
6. シンフォニア
7. バトルイマ
8. シンメトリー
9. コワレモノ
10. ビリーバーズ
11. 悪人
12. その先へ
13. 魂のアリバイ
14. With You
15. あなたが待ってる
16. 孤独を繋いで
17. グローリア
[CD2]
1. ひょうひょうと
2. 声
3. コバルトブルー
4. 赤眼の路上
5. 扉
6. 枝
7. 晩秋
8. ジョーカー
9. 罠
10. 冬のミルク<New Recording>
11. 美しい名前
12. 何処へ行く
13. 上海狂騒曲
14. 刃
15. 泣いている人<New Recording>
16. 無限の荒野<New Recording>
[DVD]
1. 戦う君よ
2. 閉ざされた世界
3. シリウス
4. 世界中に花束を<New Recording>
5. シンフォニア
6. バトルイマ
7. シンメトリー
8. コワレモノ
9. ビリーバーズ
10. 悪人
11. その先へ
12. With You
13. あなたが待ってる
14. 孤独を繋いで
15. 泣いている人<New Recording>
『Extra Video』
1. 戦う君よ(葛藤編)
2. 戦う君よ(狂乱編)
3. 戦う君よ(妄執編)
4. 戦う君よ(鬱屈編)
5. シンフォニア(1cut ver.)

THE BACK HORN
『BEST THE BACK HORN II』TYPE-B(2CD)

2017年10月18日(水)発売
価格:3,456(税込)
VICL-64842/3

[CD1]
1. 覚醒
2. 戦う君よ
3. 閉ざされた世界
4. 世界中に花束を
5. シリウス
6. シンフォニア
7. バトルイマ
8. シンメトリー
9. コワレモノ
10. ビリーバーズ
11. 悪人
12. その先へ
13. 魂のアリバイ
14. With You
15. あなたが待ってる
16. 孤独を繋いで
17. グローリア
[CD2]
1. ひょうひょうと
2. 声
3. コバルトブルー
4. 赤眼の路上
5. 扉
6. 枝
7. 晩秋
8. ジョーカー
9. 罠
10. 冬のミルク<New Recording>
11. 美しい名前
12. 何処へ行く
13. 上海狂騒曲
14. 刃
15. 泣いている人<New Recording>
16. 無限の荒野<New Recording>

イベント情報

『THE BACK HORN マニアックヘブンツアーVol.11』

2017年11月3日(金・祝)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE

2017年11月5日(日)
会場:宮城県 仙台 Rensa

2017年11月10日(金)
会場:福岡県 福岡 DRUM Be-1

2017年11月15日(水)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24

2017年11月26日(日)
会場:大阪府 梅田 umeda TRAD

2017年12月1日(金)
会場:香川県 高松 DIME

2017年12月2日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2017年12月22日(金)
会場:石川県 金沢 AZ

2017年12月24日(日)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

プロフィール

THE BACK HORN
THE BACK HORN(ざ ばっくほーん)

1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意思を掲げている。2001年シングル『サニー』をメジャーリリース。FUJI ROCK FESTIVALやROCK IN JAPAN FESTIVAL等でのメインステージ出演をはじめ、近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立。そしてスペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに10数カ国で作品をリリースし海外にも進出。黒沢清監督映画『アカルイミライ』(2003年)主題歌「未来」をはじめ、紀里谷和明監督映画『CASSHERN』(2004年)挿入歌「レクイエム」、乙一原作『ZOO』(2005年)主題歌「奇跡」、アニメ『機動戦士ガンダム00』(2007年)主題歌「罠」、水島精二監督映画『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the trailblazer-』(2010年)主題歌「閉ざされた世界」、熊切和嘉監督とタッグを組み制作した映画『光の音色 –THE BACK HORN Film-』など、そのオリジナリティ溢れる楽曲の世 界観から映像作品やクリエイターとのコラボレーションも多数。2012年に、激動の一年を経て制作されたアルバム『リヴスコール』を発表。その収録曲「世界中に花束を」は、収益金が震災復興の義援金として寄付されている。そして2017年、第一弾シングルとして宇多田ヒカルとの共同プロデュース楽曲「あなたが待ってる」、第二弾シングルとして「孤独を繋いで」をリリース。秋には6年振り3度目となる日比谷野外大音楽堂のワンマンライブと、恒例のスぺシャルイベント『マニアックヘブンツアーVol.11』の開催が決定し、2018年のバンド結成20周年へ向けて活動を加速させている。

関連チケット情報

2019年4月27日(土)〜4月28日(日)
ARABAKI ROCK FEST.19
会場:みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく(宮城県)
2019年6月5日(水)
ACIDMAN/ストレイテナー/THE BACK HORN
会場:Zepp Tokyo(東京都)
2019年6月7日(金)〜6月9日(日)
I ROCKS 2019 stand by LACCO TOWER
会場:群馬音楽センター(群馬県)
2019年6月21日(金)
ACIDMAN/ストレイテナー/THE BACK HORN
会場:Zepp Nagoya(愛知県)
2019年6月28日(金)
ACIDMAN/ストレイテナー/THE BACK HORN
会場:Zepp Osaka Bayside(大阪府)
2019年8月12日(月)
THE BACK HORN
会場:STUDIO COAST(東京都)

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Elephant Gym“Moonset- Live at Underwater World Tour In Japan”

一聴・一見すると繊細に織られたアンサンブルに柔和な印象を抱く。が、極太のベースがリズムとメロディの両方を引っ張っていく様は超アグレッシヴでもある。観客も含めて会場に漂う空気は一貫して緩やかなものでありながら、なによりも3音の鋭い合気道を存分に楽しめるライブ映像だ。ビルドアップした低音に歌心を置くスタイルはまさに今だし、音の余白も心地いい。ポップとエッジィの両極をあくまで愛嬌たっぷりに鳴らす台湾出身の3ピースバンド、その魅力を1カット1カットが十二分に伝えている。(矢島大地)

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