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小山健×たなかみさき、SNSを語る。いいね!の数より大事なこと

小山健×たなかみさき、SNSを語る。いいね!の数より大事なこと

『SNS展』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:鈴木渉 編集:木村直大

ブログに端を発してSNSで人気となり、現在は雑誌、書籍、ウェブなど幅広く活動する漫画家 / イラストレーター、小山健。男女の絶妙な距離感を描いた色気のある画風で、Instagramのフォロワー数27万人という人気を誇るイラストレーター、たなかみさき。SNSに作品をアップし続けることで、従来のイラストレーターとは異なる幅広い層の人々から支持を集めてきた、気鋭の2人の対談が実現した。

CINRA主催、LINEモバイルの特別協賛にて今年5月に開催される『SNS展 #もしもSNSがなかったら』(以下、SNS展)への参加も決定している彼らは、SNSについてどんな思いを抱きながら、自らの作品の発表の場として利用してきたのだろうか? そして、その際に意識していることは何なのだろうか? SNSとのよりよい付き合い方から、『SNS展』に応募する人々に対する期待まで、いろいろと語ってもらった。

自分としては、「あるある」じゃなくて「ないない」を描いているぐらいのつもりなんです(笑)。(小山)

—お2人は今日が初対面とのことですが、お互いの存在は、ご存知でしたか?

たなかみさき(以下、たなか):もちろん、知っていました。私は3年前ぐらいから小山さんの作品を見ていて。主に「オモコロ」というサイトで見ていたんですけど、漫画だけではなく、小山さん自身が女装されたりとか、いろいろやっていましたよね?

小山:そう、いろいろやっていたんです(笑)。

—小山さんも、たなかさんの存在はご存知でした?

小山:ここ半年ぐらいですかね。「たなかみさきがいいよ」って、まわりから何度も言われて、本屋に行ってみたら、作品集が置いてあったりとかして。すごく「いま」な感じの絵だなって思っていました。

左から:たなかみさき、小山健
左から:たなかみさき、小山健

—人によっては、「どこか懐かしい感じがする絵」みたいな感想もあるようですが。

小山:それもひっくるめて、いまの若い人が好きそうな絵だなって思って。こういう男女の絵を描く人は、いまホントにたくさんいるんですけど、その中でもすごく目立ちますよね。

—たなかさんは、小山さんの作品をどんなふうにご覧になっていたんですか?

たなか:小山さんは、いわゆる「あるあるネタ」を描かれていることが多いんですけど、すごく個人的というか、世間にわかってもらおうとしている「あるある」じゃなくて、自分自身の「あるある」なんですよね。そこが面白いなと思っていて。

小山:自分としては、むしろ普通の人には「ないない」を描いているぐらいのつもりなんです(笑)。

たなか:そう。何だったら「共感するな」ぐらいの感じがあるところが、すごく好きなんですよね。

左から:たなかみさき、小山健

小山:あと僕は、たなかさんの存在を知って、ちょっと「ズルい」って思いましたね。僕は、若い女の人が書いたエロ小説とかに、ものすごく興奮するんですけど……。

たなか:はははは(笑)。

小山:その作家込みで萌えるので。そういう意味で、25歳の女性がエロい絵を描いているのは、ちょっとズルいなって思いました。

たなか:でも、それはたしかにあるかもしれないです。私は普通に顔も出してるから、「意外と若い」「女なんだ」みたいなことを、よく言われたりするので(笑)。

小山:作家自身が若い女性である、という魅力をあえて使わない人も多いですけど、僕はそういうものを振りかざして欲しいと思うタイプなんですよね。だから、むしろ清々しいなって思っていました。

小山健

Instagramに絵を載せていたら、さも活動しているふうになるじゃないですか(笑)。(たなか)

—そもそもお2人は、いつ頃からSNSを作品発表の場として活用されてきたのでしょう?

小山:僕はいま33歳なんですけど、24、5歳あたりのときに、みんなから遅れてパソコンを買って。当時はブログが流行っていたので、早速ブログを始めたんですよね。イラストレーターになりたいとは思ってたけど、そのためにインターネットを使うという意識はあんまりなく。ただ面白いからやってるみたいな感じで始めました。

そこからmixiにいって、そのあとTwitterに移行して。それで、何か若い女性がいっぱいいるらしいって話を聞いて(笑)、Instagramにも同じものを載せるようになったっていう。だから、もう8年ぐらいやってることになりますね。

—最初から、いまのように漫画を載せていたんですか?

小山:いちばん最初は、ちょっとアートっぽい絵に言葉を添えて、みたいなことをやっていたんですけど、まったくウケなかったんですよね。やっぱりウケたいなと思って、四コマ漫画を描き始めたら、ちょっと反応が返ってきたんです。それで嬉しくなっちゃって、もうのめり込むように、四コマ漫画をアップするようになって。そこからずっと、描き続けている感じですね。

—たなかさんは?

たなか:Instagramを使い始めたのは、4年前ぐらいからですかね。私も特に何か考えていたわけではなく、普通にまわりの人がやっていたからという理由で、ふらっと始めてみただけです(笑)。

それで、絵にキャプションをつけて載せ始めたんですけど、それって絵の展示会と似てるじゃないですか。ギャラリーでも壁に絵がかけてあって、その横にキャプションついてますよね。

—Instagram上での作品の見せ方が、しっくりきたんですね。

たなか:私もイラストレーターになりたかったんですけど、大学を出たあと、就職活動とかも全然しなかったので……Instagramに絵を載せていたら、さも活動しているふうになるじゃないですか(笑)。

それで、描いてはアップしてっていうのを、ずっと繰り返していて。いまも大体そんな感じなので、やっていることは、あんまり変わってないかもしれないですね。Instagramに絵とキャプションを載せて、たまにお酒を飲んでる写真とか、スナックで歌ってる写真を載せたりっていう(笑)。

たなかみさき

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イベント情報

『SNS展』

主催:CINRA, Inc
特別協賛:LINEモバイル
参加アーティスト・キュレーター:
のん
菅本裕子
小山健
能町みね子
燃え殻
濱田英明
たなかみさき
最果タヒ
塩谷舞
UMMMI.
藤原麻里菜
東佳苗
ほか

2018年4月10日(火)まで公募作品の受付中。詳しくは公式サイトへ

プロフィール

小山健(こやま けん)

東京都在住。
会社員時代に趣味でブログに描いていたマンガ「手足をのばしてパタパタする」をきっかけにマンガやイラストを様々なところで執筆。
2013年に独立以降、雑誌・書籍・ウェブなどで幅広く活動中。
ときどきイベントに出て絵を描いたりしゃべったりもします。

たなかみさき

1992年11月14日生まれ。埼玉県出身。日本大学芸術学部を卒業後、熊本に移り住みフリーランスのイラストレーターとして活動。2017年春からは東京に拠点を移し主にグッズ制作、出版物に関わりながら活動中。お酒、歌謡、哀愁をこよなく愛し、それらは作品の中で色気を匂わせている、誰もが感じた事のある、あの青春を追い求めて。

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