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是枝裕和×井浦新×伊勢谷友介 まだ大人になれなかった日々の話

是枝裕和×井浦新×伊勢谷友介 まだ大人になれなかった日々の話

『是枝裕和 Blu-rayコレクション』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:森山将人 編集:山元翔一

最新監督作『万引き家族』が『第71回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門で見事最高賞「パルムドール」を受賞! 日本人監督としては、実に21年ぶりとなる快挙を成し遂げるなど、名実ともに日本を代表する監督のひとりとなった是枝裕和。そんな彼を形作ったとも言うべき初期7作品のBlu-ray版が、5月25日に発売される。長編デビュー作となった『幻の光』(1995年)から『空気人形』(2009年)まで、世紀をまたいで生み出された全7作品。そこに収められる映像特典の収録のため、是枝裕和、井浦新、伊勢谷友介が久方ぶりの再会を果たした(本取材は2018年3月に実施)。

当時は、ファッションモデルの仕事をメインとしていながらも、『ワンダフルライフ』(1998年)、『DISTANCE』(2001年)という2作品に出演した井浦新と伊勢谷友介(井浦はその後、『空気人形』にも出演)。20代の前半でいきなり飛び込んだ是枝監督の現場で、彼ら2人が見たもの、感じたものとは何だったのか。そして是枝監督は、なぜ役者経験がなかった彼らを起用したのだろうか。20年の歳月を経て、すっかり「大人になった」3人が振り返る、青春の日々。その経験は、いまの彼らの活動に、どんな影響を与えているのだろうか。

民放の連ドラで2人を見るのは、僕にとっても感慨深いというか。(是枝)

井浦伊勢谷:どうも、お久しぶりです。

是枝:なんか懐かしいな(笑)。

伊勢谷:(井浦)新くんは、こないだテレビ局(のスタジオ)の食堂で会ったよね? 俺ら、地上波の連続ドラマをやるようになったんですよ。

井浦:そういう場所で(伊勢谷)友介と会うのは、僕としてはすごく感慨深かったのに、友介は「あ、元気?」とか言って、さーって逃げるようにいなくなって。

伊勢谷:「うわ、恥ずかしっ!」とか思っちゃって(笑)。

左から:是枝裕和、井浦新、伊勢谷友介
左から:是枝裕和、井浦新、伊勢谷友介

是枝:(笑)。でも、そうやって民放の連ドラで2人を見るのは、僕にとっても感慨深いというか。初めて会った頃は、そんなこと考えもしなかったからね。

伊勢谷:俺たちだって考えもしないっすよ。是枝さんからしたら、川に放流したのにハワイで釣れたみたいな話ですよね。

是枝:別に放流したわけじゃないけど(笑)。なんかちょっとドキドキしながら2人のドラマを見ていましたよ。

伊勢谷:当時教えたことが何も残ってないって?

是枝:そんなことないよ。そもそも、別に何かを教えたわけでもないからね。

伊勢谷:何をおっしゃいますか。僕は、自分が映画界に関わるきっかけとなったのが是枝さんの作品だったことをホント最高だと思っていて。当時、僕は藝大(東京藝術大学)に通っていて、人の心に触れたり訴えかけたりすることによって、何か世の中を変えたいと思っていたんです。

そういう理想のなかにいたんだけど商業映画は、どうしてもビジネス寄りになっちゃうじゃないですか。でも是枝さんのもの作りは、アートとしてソリッドに研ぎ澄まされていたわけで。そういう作品に出会えたことによって、僕も映画界にいていいんだなって思えたんです。

伊勢谷友介
伊勢谷友介

井浦:いま思い返すと、友介のほうが『ワンダフルライフ』のときからいろいろ考えて苦心していたよね。藝大で表現の勉強をしている真っ只中で、実際に自分が芝居をするとか、映画作りのなかに入っていくのはどういうことなんだろうって、すごく考えていた気がする。そういう意味で自分はホント、何も考えてなかった。

伊勢谷:そんなことないでしょ? 新くんは主役だったわけだし。俺はどっちかというと、サポートに近い役回りだったから。

井浦:いや、『ワンダフルライフ』をやっているときも自分はただ是枝さんに言われるがまま、その世界を楽しんでるような感じだったから。でも友介は「是枝さんがそう言うなら、むしろ俺はこういう感じでやってみたい」とか、いろいろ言ってたじゃない。それは自分にはないところだなって思ったし、そういうふうにやってもいいんだって最初に教えてくれたのは友介だったかもしれない。

井浦新
井浦新

伊勢谷:まあたしかに、是枝さんに役名をもらっていたのに「伊勢谷っていう役名にしてください!」みたいなことは言ってたけど。でもそれは、自分は素人で、誰かの役なんてできないからであって。それがあの映画のコンセプトとハマったんですよね。

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リリース情報

『是枝裕和監督 Blu-ray7タイトルセット』(7Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:28,728円(税込)

『幻の光』
『幻の光』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『ワンダフルライフ』
『ワンダフルライフ』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『DISTANCE』
『DISTANCE』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『誰も知らない』
『誰も知らない』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『花よりもなほ』
『花よりもなほ』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『歩いても 歩いても』
『歩いても 歩いても』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

『空気人形』
『空気人形』(Blu-ray)

2018年5月25日(金)発売
価格:4,104円(税込)

プロフィール

是枝裕和(これえだ ひろかず)

1962年、東京生まれ。87年に早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出、14年に独立し、制作者集団「分福」を立ち上げる。1995年、初監督した『幻の光』が、第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。2作目の『ワンダフルライフ』(1998)は、各国で高い評価を受け、世界30ヶ国、全米200館での公開と、日本のインディペンデント映画としては異例のヒットとなった。2004年、監督4作目の『誰も知らない』がカンヌ国際映画祭にて映画祭史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)を受賞。2009年、『空気人形』が、第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、官能的なラブ・ファンタジーを描いた新境地として絶賛される。2013年、『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞ほか、国内外で多数受賞。17年、『三度目の殺人』が第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品、日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか6冠。18年、最新作『万引き家族』が第71回カンヌ映画祭コンペティション部門に正式出品決定、国内では2018年6月8日公開予定。

井浦新(いうら あらた)

1974年、東京都生まれ。98年に映画『ワンダフルライフ』に初主演。以降、映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。そのほか『SAVE THE ENERGY PROJECT』のアンバサダー、そしてアパレルブランド『ELNEST CREATIVE ACTIVITY』のディレクターを務めるなどフィールドは多岐にわたる。映画『止められるか、俺たちを』『赤い雪 RED SNOW』『菊とギロチン』『こはく』『嵐電』など公開が控えるほか、カンテレ・フジテレビ系2018年7月期ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の出演も決定している。

伊勢谷友介(いせや ゆうすけ)

1976年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部修士課程修了。大学在学中、ニューヨーク大学映画コースに短期留学し、映画制作を学ぶ。『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督、1998年)で俳優デビュー。その他代表作品としては、『CASSHERN』(紀里谷和明監督、2004年)、『龍馬伝』(NHK大河ドラマ、2010年)、『るろうに剣心』(大友啓史監督、2014年)など。2002年、初監督作品『カクト』が公開。2008年、「人類が地球に生き残るためのプロジェクト」として「REBIRTH PROJECT」をスタートさせ、株式会社リバースプロジェクトの代表を務める。

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