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中川翔子×根本宗子対談「重たい女」は決して黒歴史だけじゃない

中川翔子×根本宗子対談「重たい女」は決して黒歴史だけじゃない

中川翔子『blue moon』
インタビュー・テキスト
土佐有明
撮影:鈴木渉 編集:矢島由佳子

昨今はミュージカルにも出演している中川翔子の3年半ぶりのシングル『blue moon』は、カップリングの“Heavy Girl”で気鋭の劇作家・演出家、根本宗子が作詞を担当している。

<わからない私 重たいの意味 / 愛の重さ受け止めてよ / なんでもあげる / お金もあげる / すべて君のためにある>という、重い女の想いを盛り込んだ歌詞は、中川にとって明らかに新境地だろう。ミュージックビデオでも、ゴミ捨て場でボロボロになったり、男に水をかけられたりと、中川はこれまでになかった迫真の演技を見せている。さらには、曲中に根本が書いた台詞を言うパートもあり、中川の「演技派」としての側面が露わになっている。

そんなふたりの対談は、それぞれ表現者として、そして恋する女性として、この日初めて明らかになった事実が次々に飛び出すものとなった。

中高6年間車椅子で、お芝居を始めて不安だらけだった中、中川さんの曲にものすごく勇気づけられたんです。(根本)

—まず、中川さんの楽曲の歌詞を根本さんが書くことになった経緯を聞かせていただけますか?

中川:以前、下北沢のザ・スズナリで上演された「月刊「根本宗子」」(根本が主宰する劇団)の『スーパーストライク』(2017年10月)を観させていただいたんです。30代になってから舞台をやるようになったので、勉強の一環として観に行ったんですけど、すごく面白くてびっくりしました。

そして今回、約3年半ぶりにシングルをリリースするということで、久しぶりだからこそ今までとは違う角度のなにかを探したいと思っていたときに、根本さんの名前が挙がりまして。「大忙しな方だけど……やってもらえないかな?」って、オファーをさせていただいたんです。

—根本さんは話がきたとき、どう思いましたか?

根本:すごく嬉しかったです。実は私、中川さんのファンで、CDほとんど全部持っているんですよ。グラビアもずっと見ていたし、最初のシングル(『Brilliant Dream』、2006年7月発売)のときから好きでした。

中川:え、そうだったんですか!?

中川翔子
中川翔子

根本:はい。だから、断る理由はまったくなかったです(笑)。

根本宗子
根本宗子

根本:どの曲も好きなんですけど、特に“Shiny GATE”(2008年8月発売、5thシングル曲)には思い入れがあって。私、モーグル選手を目指していたんですけど、足を悪くして中高6年間車椅子で、あの曲が出た頃にちょうどお芝居を始めて。不安だらけだった中、あの曲にはものすごく勇気づけられたんです。ミュージックビデオの世界観も好き。

重いぐらいに「好き」って言えるほうが、一度きりの人生の中では貴重なことだと思うんです。(中川)

根本:“Shiny GATE”みたいに元気で明るい中川さんのファンだから、今回作詞にあたって“Heavy Girl”みたいな、それとは正反対の歌詞を書いていいんだろうか? という想いが最初はあったんです。でも、ご一緒させていいただくなら自分の色を出していこうと思って。

“Heavy Girl”キービジュアル
“Heavy Girl”キービジュアル

中川:作詞をしていただく上で、過去の曲を知ってくださっているというのはすごく嬉しいです。

根本:ただ、新しい側面を求められて依頼していただいたんだろうなと思う一方で、ファンの方が「そこ求めてないよ」っていうふうになっても違うと思って、結構すれすれのラインを探りながら作詞しました。

書いているときはただただ楽しかったですね。私も恋愛に関して相当重たい女だった時期があったので、それを思い出しながら書きました(笑)。

中川:すごく振り切った歌詞で、楽しんで書いてくださったことが伝わってきました。私も若い頃に恋愛で失敗してひどい目に遭って、「今後はLINEとか送りすぎないようにしよう……」とか思ってたんです(笑)。

でも、その頃の経験が無駄だったかというと全然そんなことはなくて。恋愛でテンションが上がらないよりは、重いぐらいに「好き」って言えるほうが一度きりの人生の中では貴重なことだと思うんです。

—<お金出しちゃう>って歌詞、結構ストレートですよね。曲の中だから言えますけど。

中川:そこ、わかりみが深いです(笑)。私も好きな人に対して、「私なんかとご飯食べてくれるの申し訳ない」とか思ってましたから(笑)。

中川翔子

根本:(笑)。私、昔ひとり暮らしをしていた家に、「家を解約してきた」って言って、ハムスターを持った男が訪ねてきたことがあって。聞けば、あくまで同棲が私のためという理由で。それが多分、自分の中で最強のヒモですね。そこで断ればいいんですけど、断らなかったっていうのが最大の間違いで(笑)。

あのときのお金出してたのなんなんだろうと思うけど、それがモチベーションになって仕事を頑張れたんですよね……あのヒモがいなかったらここまでの頑張りをしなかったかもしれない(笑)。

根本宗子

中川:そうそう、その人にとって仕事のモチベーションとかになるんだったら、長い人生の中ではしょうがないと思うんですよ。

うちの母もずっと父のことがすごく好きで、周りの反対もあった中で駆け落ちっぽく海外で結婚式を挙げて。結婚してからは、父が家に帰ってこなかったり浮気したり色々あって。それでも、母は父が亡くなってからもずっと好きだから再婚しようとか全然思わなかったみたいで。

あとから聞いたら、「あのとき幸せだったなあ」っていう話の中に、「アルファロメオのローンをずっと払ってあげてたんだけどな」っていうエピソードが混じってきて(笑)。急に言うから、いやいやいやいやって。そういう血を引いてるのかなと(笑)。

根本:お金出してても幸せは幸せなんですよね。だから今回の歌詞も、ただ重たいだけではなく、この人にとっては幸せな時期が確かにあったということを入れたいなと思っていました。ミュージックビデオの脚本を書くときに仲良く手を繋いでいるシーンを入れたのも、そう思ったからなんですよね。

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リリース情報

中川翔子『blue moon』初回生産限定盤
中川翔子
『blue moon』初回生産限定盤(CD+DVD)

2018年11月28日(水)
価格:2,500円(税込)
SRCL-9955~9957

[CD]
1.blue moon
2.Heavy Girl
3.ミスター・ダーリン(self cover ver.)
4.blue moon -Instrumental-
5.Heavy Girl -Instrumental-
[DVD]
1.「blue moon」Music Video
2.「Heavy Girl」Music Video
3.「blue moon」Music Video Making
4.「Heavy Girl」Music Video Making
5. Shoko Nakagawa Interview in LA ~10年ぶりのLAで語る、これまでとこれから~

※中川翔子とBEAMSが共同プロデュースする「mmts」5th Anniversary バンダナ付(全3色のうちランダム1種封入)

中川翔子『blue moon』通常盤
中川翔子
『blue moon』通常盤(CD)

2018年11月28日(水)
価格:1,300円(税込)
SRCL-9958

1.blue moon
2.Heavy Girl
3.blue moon -Instrumental-
4.Heavy Girl -Instrumental-

イベント情報

『中川翔子「blue moon」発売記念イベント「ラッキームーンツアー」』

2018年11月25日(日)12:00~
会場:岡山県 イオンモール岡山 1F 未来スクエア

2018年11月25日(日)17:30~
会場:大阪府 イオンモールりんくう泉南 1F セントラルコート

2018年11月27日(火)19:00~
会場:東京都 ニコニコ本社 B2Fイベントスペース

2018年11月28日(水)19:00~
会場:東京都 タワーレコード渋谷 B1F

2018年11月29日(木)18:30~
会場:愛知県 アスナル金山 明日なる!広場

2018年12月1日(土)20:30~
会場:東京都 タワーレコード新宿店 7F特設スペース

2018年12月2日(日)11:00~
会場:埼玉県 イオンレイクタウン mori 木の広場

2018年12月2日(日)20:00~
場所:東京都 SHIBUYA TSUTAYA 2F特設会場

イベント情報

月刊「根本宗子」第16号『愛犬ポリーの死、そして家族の話』
月刊「根本宗子」第16号
『愛犬ポリーの死、そして家族の話』

2018年12月20日(木)~12月31日(月)
会場:東京都 下北沢 本多劇場

作・演出:根本宗子
出演:
青山美郷
村杉蝉之介
瑛蓮
小野川晶
根本宗子
長井短
田村健太郎
岩瀬亮
用松亮

プロフィール

中川翔子
中川翔子(なかがわ しょうこ)

1985年5月5日生まれ、東京都出身。2002年芸能界デビュー。歌手・女優・声優・タレント・イラストレーターなど、活動は多岐に渡る。2020年のオリンピックに向けた「マスコット審査会」メンバーや、2025年万博誘致スペシャルサポーターとしても活動。音楽活動ではアジアでのコンサートツアーなども行い、その人気は海外にも広がっている。2006年7月、『Brilliant Dream』でCDデビュー。2007年6月、3rd Single『空色デイズ』をリリースし、オリコンシングルチャート初登場3位を獲得。『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。女優としては、2016年に初舞台となるミュージカル『ブラック メリーポピンズ』にてヒロイン役として出演、2018年1月ミュージカル『戯伝写楽』ヒロイン役、NHKドラマ10『デイジー・ラック』などに出演。11月2日公開のマーベル映画『ヴェノム』日本語吹替版でアン・ウェイング役として声優出演。そして11月28日、約3年半ぶりとなるシングル『blue moon』をリリースする。

根本宗子
根本宗子(ねもと しゅうこ)

劇作家 演出家 俳優。1989年10月16日生まれ 東京都出身。19歳で劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。以降、劇団公演ではすべての作品の作、演出を手掛け、女優としても外部作品にも多数出演。最近ではテレビドラマ、ショートムービーなどの映像脚本を手がけるなど、演劇以外でも精力的に活動中。2015年上演の『夏果て幸せの果て』にて、『第60回岸田國士戯曲賞』最終候補作品に選出された。2019年には劇団旗揚げ10週年を迎える。現在、ニッポン放送『オールナイトニッポン0』の月曜パーソナリティを担当している。

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