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chayが語る、いま求められるシンガーソングライターのあり方

chayが語る、いま求められるシンガーソングライターのあり方

『大切な色彩』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2019/04/25

人に馬鹿にされるような大きな夢も平気で抱いていたし、それに向けて猪突猛進できていた。

—今作の表題曲“大切な色彩”の作詞クレジットを見ると「chay、安部純、Rie Tsukagoshi、岡田博子」と4人の名義になっています。ここ最近はチームによる「コーライティング(共作)」が、特に海外では当たり前になってきていますよね。

chay:8人とかでコライトしている曲なんかもありますしね。実際にやってみて感じたのは、自分1人では生まれない言葉やメロディーが、どんどん生み出されていくところに「コーライティングの面白さ」があるのだなということでした。これまでは、自分が作詞をする時には完全に1人でやるか、共作の場合でも作家さんと2人で膝を付き合わせる方法だったので、こうやって「チーム」でコライトをしたのは初めての経験でしたね。

最初こそ進め方に戸惑いがあったのですが、チームで話し合いながらレコーディングの直前まで何度もブラッシュアップを重ねていって。非常に勉強になりました。

—コーライティングをやってみて、発見はありましたか?

chay:とても視野が広がりましたね。例えば、私はいつもギターで曲を作るんですけど、そうするとどうしても自分の好きなコード進行や展開の仕方で作りがちだと思うんですよ。でも、そこに第三者が加わることで、自分の概念や美学からは出てこないような発想が生まれてくる。自分ですら思いもよらなかった反応を返していることもあるし。

—今作のテーマでもある「ノスタルジー」って、時にはネガティブなイメージもあるじゃないですか。「過去にとらわれる」とか「思い出にしがみつく」とか。その辺りはどう思いますか?

chay:私は逆に、ノスタルジーに浸ることで前向きになれるんです。部屋を掃除していて昔の写真を見つけたり、見返したりとかたまにすると、「懐かしいな」という気持ちで胸がギュッとなって、切ない気持ちになる時も確かにある。でもそれって「あの頃に戻りたい」みたいな後ろ向きなことではないんですよね。写真の中で楽しそうに笑っている自分、がむしゃらに夢を追いかけていた頃の自分と対峙することによって、「明日からまた頑張ろう」という気持ちになれるというか。

—それってどうしてなんでしょうね。

chay:昔の自分って、いい意味で「怖いもの知らず」だったんですよね。人に馬鹿にされるような大きな夢も平気で抱いていたし、それに向けて猪突猛進できていた。でもそれも、年齢を重ねていくごとに、徐々に薄まっていくじゃないですか。夢を持ち続けてはいるんですけど、どんどん「現実」も分かってくるし、しがらみも増えていくし。

でも、昔の写真を見て「根拠のない自信」に満ち溢れていた頃の自分と再び出会った時に、「初心に立ち返る」ことができるというか。今から2年前、デビュー5周年を迎えた時にいろいろ考えたんですよね、「ここからどうしていこう?」と。

その時に、自分を奮い立たせ続けることの大変さを身にしみて感じたんです。ずっとモチベーションを保ち続けることって、どんな職業においても課題だったりするじゃないですか。高い壁が立ちはだかるような感覚だったんですけど、そんな時に昔の自分を思い出すと「当時に戻りたい」というよりは、「もう一度、がむしゃらだった自分を取り戻そう」と。それですごく燃えてきましたね(笑)。

chay

—ちなみにchayさんの「無謀な夢」って、どんなことだったんですか?

chay:私は幼稚園の頃から歌手になりたかったんですけど、「絶対にデビューして武道館で歌う」って高校生の頃は思っていました(笑)。でも、そんなことを友達に話したところで「何言っちゃってんの?」って話じゃないですか、その頃の私では(笑)。私は、『ミュージックステーション』に出るのが夢で、中2の時にメールで「明日、(『ミュージックステーション』に出るから)テレビ見てね」って打ったのを、送らずに保存しておいたんですよ、いつか送る日のために。

—それ、めちゃくちゃいい話じゃないですか。

chay:(笑)。「誰に何を言われようが、絶対にデビューするし『ミュージックステーション』にも出る」って本気で思っていましたからね。「人間に不可能なんて絶対にないんだ」って。実際、そのメールを送る日がきたわけなので、やっぱり「根拠のない自信」って大事だなと思います。「怖いもの知らずの自分」がいたから、いまの私がいるんですよね。

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リリース情報

chay『大切な色彩』
chay
『大切な色彩』(CD)

2019年4月24日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-13040

1. 大切な色彩
2. With
3. 最後の夏休み

プロフィール

XXXXX
chay(ちゃい)

1990年10月23日生まれ。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃からピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ね、本格的に音楽活動を始める。2012年10月に「はじめての気持ち」でワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。2013年10月より2014年3月までフジテレビ系「テラスハウス」に出演し、各方面で話題に。2014年5月より「CanCam」専属モデルとしても活動開始。2015年2月にリリースされた「あなたに恋をしてみました」は、フジテレビ系月9ドラマの主題歌となり、50万DLを突破し大ヒット!その後、配信限定リリースを含めた9枚のシングルと、2枚のアルバムを発売。昨年12月にはフィーチャリングにCrystal Kay を迎え、シングル「あなたの知らない私たち」を発売。これまで歌ってきたピュアで一途な恋心とはうってかわって、女と女の戦いやスリリングな大人の恋の駆け引きを思わせる楽曲が話題を呼んだ。

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