秋山黄色×佐藤寛太対談 互いに認め合う「異常さ」、交わる遊び心

秋山黄色がドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌となる新曲“サーチライト”を発表。この曲のミュージックビデオの監督を、水溜りボンドの佐藤寛太が務めている。SoundCloudなどに楽曲をアップすることからキャリアがスタートしている秋山と、言わずと知れたトップYouTuberである佐藤は、ともにインターネットを活動の背景に持つ20代半ばの同世代。2018年から佐藤が「佐藤寛太」としてミュージックビデオの監督や映像ディレクターとしての仕事を本格化させたこともあり、今回のコラボレーションへと繋がった。

アーティストとYouTuberという名目上の違いはあっても、ふたりはそれぞれもの作りをすることで生きる意味を刻んでいる同志であり、出会うべくして出会ったと言っても過言ではない。そして、“サーチライト”という楽曲と、そのミュージックビデオは、同じようにインターネットと関わりながら、それぞれのやり方で自分を表現しているすべての「僕」や「君」に向けられている。もがけ僕らの足。今日を笑えるその日まで。

左から:秋山黄色、佐藤寛太
秋山黄色『From DROPOUT』を聴く(Apple Musicはこちら) / 関連記事:秋山黄色、「脱落者」の歌に見る希望と「僕たち」へのまなざし(記事を読む

息抜きの場でも、別世界でもないインターネットとの出会いーーネットと現実の距離が縮まって以降に活動を始めたふたり

―まずは今回寛太さんが秋山さんのミュージックビデオを撮ることになった経緯から話していただけますか?

秋山:結構前から寛太さんにTwitterをフォローしていただいて。もともと水溜りボンドは知ってたんですけど、その後に映像をやられてるって知って、漠然とですけど、何か一緒にやれたらと思ってたんです。

寛太:僕はずっと秋山くんの作品が好きで、ミュージックビデオが出るたびに、「いいなあ、撮りたいなあ」って思っていて。楽曲を聴いたり、映像を見たりすると、秋山くんがどういった考えを持ってるのかを知りたくなるし、かと思えば、めちゃめちゃどストレートな歌詞の曲もある。

その人間味もすごい好きで、僕も一緒に何かできたらいいなと思ってたんです。まさかこんな早いタイミングで実現するとは思ってなかったので、すごく嬉しかったです。

秋山:僕からすると「やっと」って感じなんですよね(笑)。本格的に活動し始めたのが2年前くらいで、その頃から頭の中にずっとあったアイデアなので。

左:秋山黄色(あきやま きいろ)
1996年3月11日生まれ。栃木県宇都宮市出身。中学生の頃、TVアニメ『けいおん!』に影響されベースを弾き始め、高校1年生の時に初のオリジナル曲を制作。その後、YouTubeやSoundCloudなど、ネット上で楽曲を発表するところから音楽キャリアをスタート。2020年11月13日、テレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌となった新曲“サーチライト”をリリース。

―秋山さんから見た寛太さんであり、水溜りボンドはどういうイメージだったんですか?

秋山:「THE YouTuber」って感じですね。僕もともとニコニコ動画とかのカルチャー寄りだったので、YouTubeには乗り遅れてたんです。で、人に教えてもらって、初めて見始めたのが水溜りボンドで。

―寛太さんはニコニコ動画は見てました?

寛太:神聖かまってちゃんさんの生配信とかは見てました。自分でミュージックビデオを撮って、アップロードするっていう、自家発電的なアーティストの先駆けじゃないですか? 「こんなことできるんだ!」ってゾクッとしたのはすごく覚えてます。

しかも、そこから「レーベルに所属しました」ってなって、さらにはテレビに出るようになったり、そういうワクワク感とか喜びもあって。ネットを自分で使って、世に広まっていくのは面白いなって思ったんですよね。

秋山:神聖かまってちゃんがニコニコ生放送をするようになったくらいから、インターネットが現実とめちゃめちゃ距離を詰めたっていうか。

寛太:あー、本当にそうだと思います。

右:佐藤寛太(さとう かんた)
動画クリエイター。カンタ名義で、大学でお笑いサークルで出会ったトミーとともに「水溜りボンド」として活動。2015年からYouTubeへの動画投稿を開始し、実験、検証、ドッキリに加え、ヤバいTシャツ屋さんや北村匠海とのコラボ動画など、幅広いジャンルの動画を毎日投稿している。本名の佐藤寛太名義では、室井雅也“ヒロインは君で”、秋山黄色“サーチライト”はじめ多数のミュージックビデオを手がけるなど、映像監督としても活動している。

秋山:昔のインターネットって、もっと別の世界みたいな感じでしたよね。ニコニコ動画とかYouTubeが出てくるまでは匿名が当たり前で、顔出してるやつなんておかしな人ばっかりだったけど、動画で本人が映るのって本当に大きいんだなって思って。神聖かまってちゃんは「おかしな人」で終わらずに、ちゃんとそこを足がかりに売れて、インターネットを息抜きの場じゃなくしたというか。

疲れやストレスを振り払い、創作に没頭し続けられる熱量は才能であり、「志」の高さの現れでもある。お互いの活動に「異常」と言いながらも称え合う

―寛太さんはもともと日本のロック自体お好きなんですよね?

寛太:「このジャンルだけが好き」っていうのはなくて、いろいろ好きです。僕は楽曲を聴くと、その人自体が気になっちゃうタイプで。芸人さんでも、役者さんでも、絵を描く人でも、その「志」みたいなものが好きというか。YouTuberは前例がないから、僕はいろんなジャンルの人たちの後ろ姿を見て、「きっとこのくらい打ち込むことは間違ってないし、伝わるはずだ」って、自分に落とし込んでいますね。

―秋山さんはYouTuberという存在、職業に対してはどんなイメージを持っていますか?

秋山:まずひとつ言えるのが……絶対やりたくない(笑)。

寛太:そうなんだ(笑)。

秋山:僕の中のYouTuberのイメージが水溜りボンドだっていうのもあるんですけど……動画を見てきたうえで思ったのが、「もはやYouTuberではない」というか。特に寛太さんはそういう人だと思っていて。YouTubeは時代の最先端だと思うんです。

活性化のレベルが他の界隈とは比較できないくらいすごいし、寛太さんはさらにその最先端で、ものを作り続けて、毎日投稿をしているじゃないですか。しかも、とにかく動画に夢中で、好きで好きでしょうがないけどもう眠いから寝るしかないみたいな、もの作りから心が離れる時間のほうが短いんじゃないかって……寛太さん、マジで異常だと思うんですよ(笑)。

寛太:あははははは。

秋山:毎日動画投稿って……絶対やりたくない。異常ですよ、本当に。

寛太:それでいうと、僕はアーティストさんも異常だと思いますよ(笑)。アーティストさんは毎日っていうスパンじゃないけど、一作ごとにものすごい気持ちを込めて、どこの角度に投げるかまでちゃんと考えて、「これを今やるべきだ、やりたい」っていう力を持続し続けないといけないわけじゃないですか。しかも、その曲を一生背負っていかないといけない。その純度の高さを保ち続けるって本当にすごいことだと思います。

秋山:いや、全然大変じゃないから!

―そこで「大変じゃない」って言えちゃう秋山さんもやっぱり異常かもしれない(笑)。おふたりはきっと同じようにもの作りに対する「志」を持っていて、アーティストとYouTuberという名目上の違いはあれど、文字通りの「同志」なんじゃないかなって。

秋山:創作に対する熱量って、ひとつの才能でもあるし、この業界だとマストなことでもあって。でも、それを自然にこなせる人と、頑張ってやってる人の違いって、本当にでかいと思う。僕は半分半分なんです。好きでやれてるけど、「とはいえ疲れるじゃん」っていうのもある。

秋山黄色“モノローグ”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

秋山:ただ、作品が完成してしまえば、それも全部「好きだからやった」っていう記憶として残る。僕はその繰り返しだと思ってるんですけど、寛太さんの場合はもっとヤバいっていうか……その自覚あるのかなって(笑)。

寛太:僕も5~6年やってるんで、やっぱり気づきますよ。自分でも、おかしいなって(笑)。毎日投稿を始めたのが2015年の1月1日で、「毎日投稿やりたいと思います。いつまで続くかわかんないけど、気にしないでね」みたいにツイートしてるんですけど、まさかこんなに続くとは思ってなくて。どこかで寝坊しちゃって動画が撮れないとかあると思ったけど、ずっと続いてて……これは天職と言わざるを得ないなって。

―ただ、今年いっぱいで毎日投稿をストップすることが発表されていて、その一方で、寛太さんは近年ミュージックビデオの監督や、映像ディレクターとしてのお仕事にも力を入れています。その意味合いをご自身ではどうお考えですか?

寛太:毎日動画を投稿してきて、楽しく日々を過ごしてきたんですけど、とはいえ僕の人生はYouTubeだけではないし、YouTubeを続けることで得たものや生まれたものって大きいけれど、意外とYouTubeには還元できなかったりもして。

YouTubeをやり続けることで生まれた余剰をぶつけられるのが、僕にとってはミュージックビデオだったんです。それが今ちゃんと作品になっているのはすごく嬉しいことで。

毎日投稿をやめるという報告のもと公開された“ハッピー毎日投稿終了前ソング”のミュージックビデオ。監督は佐藤寛太自身が務めている

秋山:毎日の動画も楽しいんですけど、一緒にもの作りをした感触で、僕は映像作品もどんどん出していってほしいなって思います。寛太さんのことはもうYouTuberだとは思ってなくて、その枠から飛び出て、完全に別の何かになっちゃってると思うんですよね。その人の作品の一部に僕もなれたんだって思うと僕も嬉しいです。

「『楽しむ』とか『笑いたい』っていうポジティブな部分から生まれたものだけでもの作りをしたい」(秋山)

―“サーチライト”はドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌ですが、どのようにできあがっていった曲なのでしょうか?

秋山:曲の欠片は去年の段階でできていたんです。僕はどっちかっていうと作るのが速いほうで、1曲作るのに30分っていう場合もあるんですけど、その欠片は珍しくすぐにかたちにはできなくて、僕の感覚としてはボツだったんですね。

で、今回ドラマのお話をいただいたときも、「これでもいいけど、頭の中にはこれよりよくできると思っちゃってる余白がある」みたいな感じでわりと行き詰まってて。そんなときに偶然この曲を引っ張り出せたんです。この曲が完成するために必要だったのは、僕自身のエネルギーじゃなくて、他のパーツだったんだって、そのとき思ったんですよね。

秋山黄色“サーチライト”を聴く(Apple Musicはこちら

―「ドラマ」という自分以外のパーツが必要だったと。

秋山:僕のもの作りはひとりが鉄則だったんです。でも自分が徐々に成長して、餅は餅屋というか、僕の専門じゃない分野は人に任せるようになっていった結果、自分の中の理想がこれまでよりも高くなって。

そうすると、自分の力だけだとそこには届かないっていう初めての経験をして、曲が完成しなかったのは自分がマックスを出せてないからじゃなかったということに気付いたんです。この曲の持つ意味を対外的に与えられて、ようやくピースがハマった感じがしたんですよね。

―『先生を消す方程式。』というドラマのどんな部分が楽曲にハマったんですか?

秋山:このドラマって、本当に強烈な内容なんです。脚本を読んだときに、「なんだこのやりたい放題は?」と思って。でも、そのフィーリングが自分とすごく合ってたんですよね。

寛太:僕は脚本の鈴木おさむさんに良くしていただいていて、ご本人を知ってるのもあって、このドラマもやりたい放題やってるんじゃないかと感じてました(笑)。

秋山:僕が絶対必要だと思ってるのが遊び心なんです。趣味で作ってる音楽がたまたまプロフェッショナルなお仕事とリンクしたからお金が発生してるって考えで。おそらくそのうち均衡が取れなくなると思うから、かなり泡沫ではあるんですけど、今はそれを満喫してる。

自分が作るものはある程度やりたい放題のぶつけ合いでありたいと思うけど、他のアーティストと話していちばん感じるのが、そこにかける熱の違いなんですよね。僕は本当に全部を遊びでやりたいんですよ。

―それは決して「適当」みたいな、軽い意味ではないということですよね。

秋山:「楽しむ」とか「笑いたい」っていうポジティブな部分から生まれたものだけでもの作りをしたいんです。今回はドラマもすごくやりたい放題だったから(笑)、僕がプロとしてやるお仕事に、初めて自分がもともと持ってる感覚を持ってこれた。

で、「ひとりでやる」っていう鉄則がひとつ壊れたことで、「だったらいくところまでいきたい」と思った。そんなときに、僕の中での行く先が寛太さんだったんです。寛太さんは「楽しむ」とか「笑いたい」の集合体みたいな人ですしね。

「これだけ真っ直ぐな歌詞って、自分を大きく見せようとしてる人には書けないと思う」(寛太)

―寛太さんは“サーチライト”という曲をどう感じて、どう映像に落とし込もうと考えたのでしょうか?

寛太:秋山くんのスタンス的に「楽しんでやっていい」っていうのは伝わってきていたんですけど、今回の曲は今までにないくらいどストレートだったので、どう表現するかは結構考えました。

ただ、秋山くんには不思議なオーラがあるというか、この人が救う人っていっぱいいるんじゃないかと思ったんです。僕の動画では救えない人たちでも、この楽曲を僕のフィルターを通して届けることができれば、何か与えることができるんじゃないかって、そういうパワーを感じる曲だと思いました。

―光と影の使い方が非常に印象的ですが、こだわったポイントを教えてください。

寛太:受け取る人次第だとは思うんですけど、僕の中では意味のある映像になっていて。ネットでずっと活動してきたうえで、SNSによって、普通の人がすごく大きく見えることもあれば、悪く見えたり、暴走し始めたりすることも感じてきて。それを影で表せないかなと。

寛太:秋山くん自身の影がものすごく大きくなっていて、実際秋山くんのことをそう見てる人もいると思うけど、これだけ真っ直ぐな歌詞って、自分を大きく見せようとしてる人には書けないと思うんです。

―確かに。

寛太:なので、この曲は等身大の部分を大事にしたくて。影が離れて、対峙するシーンのあと、最後にバンドメンバーがいて、サーチライトのような光がバーッと降り注ぐ。その中に秋山くんが何も持たずに乗り込んでくる感じ、その姿を見たときは痺れましたね。

秋山:打ち合わせでこの案をいただいて、何が来ても驚かない心の準備はしてたんですけど……ニヤッとしてしまったというか。この曲は青春ロックというか、ポップパンクみたいな曲で、今、こういうバンドめちゃめちゃ多いし、ミュージックビデオの前例もいろいろある中、モノクロの案が出てきて……「なるほどね」ってなりました(笑)。

「他校と一緒に合同練習してきた、みたいな(笑)」――ふたりが確かめ合った本気の遊び心と、創作における信念

―ニヤッとしたっていうのは、「わかるわ」みたいな感覚?

秋山:というか、僕はそれまでインターネットを通した寛太さんしか知らなかったわけですけど、シンパシーを感じることを信じるというか、寛太さんに対して確信があったんです。だから、実際の案をもらったときは、想像してたティラノサウルスがそのまま来た感じ(笑)。

寛太:ティラノサウルス!(笑)

秋山:だから、「わかるわ」っていうのもあったけど、僕以外にも同じような人がちゃんと存在した安心感でもあって。僕も「ちょっとおかしい」って言われる側だったから、これまではアーティストと呼ばれる人とは距離を置いちゃってたんですよね。僕は不真面目の中に本質を見つけてしまったので、その瞬間を笑うためだけに作りたい。

でも、それを「冷めてる」と捉えられることも多くて……だから、今回の寛太さんへの一歩って、不安もあったし、恐る恐るでもあったけど、でも、信じてもいて。最初の打ち合わせは「そうだよね」っていう答え合わせみたいなものだったし、作品自体も思った通りになって、すごくホッとしてます。

―寛太さんにも最初の打ち合わせのときの感覚をお伺いしたいです。

寛太:今回の話が来て、「絶対やりたい」と思って企画書を作ったわけですけど、やっぱり「俺、こういうのしか作れんよ」っていうのもあるから、秋山くんがどういう反応をするのかは怖かったですよ。僕は理由をすごく考えちゃうタイプだし、「なんで自分はこれがやりたいのか?」がわからないと、テンションが上がらない。

だから、「洒落てる風」みたいな、「よくわかんないけど、それが逆にいい」みたいなものはできないなって。YouTubeでもそうなんですけど、「こう撮ってこう撮ったらこういう映像になる」みたいなものだと、視聴者さんより先に自分が飽きちゃう。人が作る意味があるものがいいと思うし、今回の撮影はすごく自分の成長にも繋がって……他校と一緒に合同練習してきた、みたいな(笑)。

秋山:その感じありますよね(笑)。

寛太:「みんなこうやって練習してるんだ」っていう。「秋山くんもこれくらい突き詰めてやってるから、こういうものができるんだ」っていうのがわかって、「自分の好きなものがこうやって作られてるんだから、自分ももっと頑張ろう」って気持ちになりました。

「水溜りボンドでアコギで弾けちゃうドッキリやってくださいね(笑)」(秋山)

―実際の撮影現場では、お互いに対してどんなことを感じましたか?

秋山:寛太さんは思った通りヤバかったです(笑)。とにかく速度が速い。現場での指揮も、ノーを出す速度も、位置を修正するのもスーパー速くて。さっき「こう撮ってこう撮って」みたいなのにはしたくないって話がありましたけど、そういう考えの人のジャッジがめちゃくちゃ速いって、本当にすごい。

寛太:速いというか、秋山くんがセットの中に立つだけでオッケーだったんですよね。こちらからはあんまり指示せずに、「伝えたいままにお願いします」って言ってカメラを回したら、「もうこれでいいじゃん」っていうくらい、映像を通して届くものがあったので、めちゃめちゃ安心しました。実はセットの関係で最後のシーンから撮ってるんですよ。

秋山:テンションマックスから撮ったんです(笑)。

寛太:早朝にマックスをお願いして(笑)、ライト調整して、秋山くんが入ったら、そこでバチッと決まって。僕の中でいちばん大事なシーンがバッチリ決まって「楽しい!」ってなったから、そのあとは伸び伸びできました(笑)。

秋山:できるだけ演技はしないで、いつものライブのようにやろうと思って。今回はバンドもいてくれたので、本当に自然にできました。僕、ライブで必ず右手の指を怪我するんですけど、この日もしっかり怪我してて。見えないと思うけど、途中から絆創膏してるんです。それくらい、リアルだったってことですね。

―SNSはときに人を大きく映し出してしまうけど、この楽曲と映像には嘘がなくて、等身大の姿が映し出されてる。それは今の時代に対するメッセージとも言えそうですね。

秋山:そうですね……これめっちゃバズったら、水溜りボンドでアコギで弾けちゃうドッキリやってくださいね(笑)。

「まさか自分が助けられるとは、みたいな感じでした」(秋山)

―最後に、今回のコラボレーションが今後の自身の活動にどんな意味を持ってくると思いますか?

寛太:僕は今後この曲に助けられるんじゃないかと思います。動画では迷ってる素振りは見せないですけど、自分の人生の中で迷う瞬間は当然あって。今回の経験は、僕の中でこの曲の意味として残ってるんで、めちゃめちゃ好きになりましたし、今後の指針にもなるんじゃないかと思いますね。

秋山:曲の構想段階ではまったく想像もしてなかった場所まで来てるので……本当にこんなことなかなか言わないですけど、大切な曲になりました。僕はこれまでほとんどの曲で「自分以外にもこういう人がいるんだよ」ってことを伝えるようにしてきたんですけど、それは「誰かを助けたい」みたいなことで。

ずっとひとりでやってきたけど、今回寛太さんと会って、自分以外にもこういう人がいるんだって実際にわかった。まさか自分が助けられるとは、みたいな感じでしたし、これからは仲間を増やそうって気持ちにもなりました。自分の中で一回ゼロになったというか、またスタート地点に立った感じがします。

リリース情報
秋山黄色
『サーチライト』

2020年11月13日(金)配信

プロフィール
秋山黄色 (あきやま きいろ)

1996年3月11日生まれ。栃木県宇都宮市出身。中学生の頃、TVアニメ『けいおん!』に影響されベースを弾き始め、高校1年生の時に初のオリジナル曲を制作。その後、YouTubeやSoundCloudなど、ネット上で楽曲を発表するところから音楽キャリアをスタート。2017年12月より宇都宮と東京を中心にライブ活動を開始。2018年6月に自主レーベルBUG TYPE RECORDSより第1作目となる“やさぐれカイドー”を配信リリースし、Spotifyバイラルチャート(日本)で2位にランクインし、「出れんの!?サマソニ!?」枠で「SUMMER SONIC 2018」へも出演。2019年2月には、Spotify「Early Noise 2019」に選出された。2019年1月には1stミニアルバム『Hello my shoes』を、8月には『夕暮れに映して』を配信リリース。「SPACE SHOWER RETSUDEN NEW FORCE 2019」や「JFL presents FOR THE NEXT 2019 supported by 日本セーフティ J-WAVE推薦“NEXT BREAK ARTIST”」にも選出された。ロックフェスに立て続けに出演し、9月にはTSUTAYA O-Crestにて初めてのワンマンライブを開催。2020年1月放送開始のTVドラマ『10の秘密』の主題歌である初めての書き下ろし曲“モノローグ”が話題に。新曲“サーチライト”がテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』の主題歌となっている。

佐藤寛太 (さとう かんた)

動画クリエイター。カンタ名義で、大学でお笑いサークルで出会ったトミーとともに「水溜りボンド」として活動。2015年からYouTubeへの動画投稿を開始し、実験、検証、ドッキリに加え、ヤバいTシャツ屋さんや北村匠海とのコラボ動画など、幅広いジャンルの動画を毎日投稿している。2020年からは初の冠番組『水溜りボンドの○○いくってよ』(テレビ神奈川)、ラジオ番組『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』に出演。本名の佐藤寛太名義では、室井雅也“ヒロインは君で”、岸洋佑“ごめんね”を始め多数のミュージックビデオを手がけるなど、映像監督としても活動している。



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