
No Busesの「未完成」を楽しむバンド美学 作る喜びが救いだった
AVIOT「TE-D01d mk2」- インタビュー・テキスト
- 黒田隆憲
- 撮影:タケシタトモヒロ 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
Arctic Monkeysの曲名をバンド名に拝借し、The Strokes、The Cribsら2000年前後にシーンを賑わせたバンドのエッセンスを散りばめながら、日本人の琴線にも触れるメロディを英語詞で歌うというユニークなスタイルで活動するNo Buses。ガレージロックをひとつのルーツに持ち、初シングル『Tic』(2018年)でいきなり国境を超えてリスナーを獲得し、現在、国内外で注目を集めている。
結成時からのメンバーである近藤大彗(Vo,Gt)と後藤晋也(Gt)は大学の同級生。ただただ自分たちがやりたい音楽、聴きたい音楽を奏でる目的で始めたバンドが、期せずして海外でも大きな注目を浴びたことを、バンドはどう受け止めているのか。新規メンバーを加えて5人編成で動きはじめ、2枚目のアルバムを完成させたばかりだというバンドの信条とはどのようなものか。
今回、No BusesとコラボしてもらったAVIOTのワイヤレスイヤホン「TE-D01d mk2」の企画で、近藤と後藤にインタビューを実施。CINRA.NET初登場となるふたりに、自身のルーツからバンドの「今」まで詳しく訊いた。

No Buses(ノー バシーズ)
2016年結成。2018年4月に1stシングル『Tic』を発表。そのMVは日本にとどまらず世界中で高い評価を受け、夏には『SUMMER SONIC 2018』出演。2019年8月に初の海外公演を韓国で行う。9月にリリースされた1stフルアルバム『Boys Loved Her』は「タワレコメンオブザイヤー」を受賞した。2020年にはBIM“Non Fiction feat. No Buses”に参加にジャンルを超えたコラボで驚かせた。
熱心に打ち込んでいた部活をドロップアウト後に、日々のモヤモヤを晴らすようにロックとギターへ。似た者同士の音楽遍歴
―まずは、おふたりの音楽遍歴から教えてもらえますか?
近藤(Vo,Gt):僕らはONE OK ROCK直撃世代というか。ワンオクは『るろうに剣心』(2012年)の映画の主題歌(“The Beginning”)などで知ったと思うんですけど、そのくらいから「バンド」を意識したり、アルバム単位で音楽を聴いたりするようになりました。
海外の音楽が好きになったのも同じ時期で、The StrokesやArctic Monkeysのようなガレージロック、Red Hot Chili PeppersのようなUSオルタナ、今の僕らの音楽に直接的な影響はないけど、ラウドロックやメタルも聴いていましたね。
No Buses『Boys Missed The Bus』収録曲(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く)
後藤(Gt):僕は中学生のときにクラスメイトが、ELLEGARDENやサカナクション、[Champagne](現在は[Alexandros])など日本のバンドを聴いていて、その流れでOasisなんかもちょっとだけ聴くようになりました。高校に入ってからは、Rage Against the MachineやMuseあたりを齧っていたんですけど、本格的にガレージロックやインディロックを聴き始めたのは大学で近藤と同じサークルに入ったときですね。
―楽器はいつ頃から始めたんですか?
近藤:僕は高2からです。もともとサッカーをやっていて、高校でも続けるつもりで中高一貫校に入ったんですけど、部活が本当にキツくて……途中で辞めて帰宅部になったので、何もすることがなくなっちゃって「何かやらなきゃ」と思って手に取ったのがギターだったんです。
当時は意識していなかったけど、きっと何か自分の「よりどころ」になるようなものが欲しかったのだと思います。Arctic Monkeysに夢中になったのも、自分のモヤモヤした気持ち、「どうやってこれから生きていけばいいのだろう」という感覚を、彼らの音楽が散らしてくれたようなところもあったのだろうなと。
後藤:僕は中学生の時に友人から「バンドやらない?」と言われて、その年のお年玉を1万円くらい使ってギターの初心者キットを買ったんです。でも、難しすぎてすぐ手放してしまうという「あるある」の顛末を迎えてしまい(笑)。しかも近藤と同じように、僕も小学校の頃からやっていた野球を高校のときに辞めてしまったんですよね。
悪いことは重なるというか、ちょうどその頃、父親の具合が悪くなり、買ったばかりのギターを僕に譲ってくれたんです。長渕剛が好きで、家ではずっとギターばかり弾いていた親父だったのですが、「お前にやる」って。それで「もう一度やってみよう」と思って高校1年の終わりくらいから本腰を入れて始めました。
―2人とも似たような境遇というか。
近藤:そうなんです。大学に入って僕が最初に仲良くなったのが後藤で。「ギターやっている」と聞いて、お互いにONE OK ROCKやレイジが好きだったので意気投合して。僕は大学に入ったら絶対にバンドをやろうと決めていたので、そのときは後藤を誘おうと思いました。
僕、高校の頃からGarageBandを使ってデモ音源を作っていて、「いつかバンドを組んだらやろう」と思ってずっと温めていたんですよね。そのうちの1曲を後藤に聴かせて。その曲は“Rat”という名前で1stアルバム『Boys Loved Her』(2019年)にも入っています。
No Buses『Boys Loved Her』を聴く(Apple Musicはこちら)
製品情報

- AVIOT「TE-D01d mk2」
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第一線で活躍する日本のサウンドエンジニアやアーティストの意見を取り入れたサウンドチューニングに加え、最大120時間*再生の超大容量バッテリーの搭載やワイヤレス充電対応など、マルチスペックが魅力のAVIOTのベストセラーモデル。
*チャージングケース併用時
プロフィール

- No Buses(ノー バシーズ)
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2016年結成。2018年4月に1stシングル『Tic』を発表。そのMVは日本にとどまらず世界中で高い評価を受け、夏には『SUMMER SONIC 2018』出演。2019年8月に初の海外公演を韓国で行う。9月にリリースされた1stフルアルバム『Boys Loved Her』は「タワレコメンオブザイヤー」を受賞した。2020年にはBIM「Non Fiction feat. No Buses」に参加にジャンルを超えたコラボで驚かせた。国境を超えての活動が期待される今最注目のバンド。