インタビュー

ミツメ×STUTS対談 今は、創作への前向きな気持ちが救いになる

ミツメ×STUTS対談 今は、創作への前向きな気持ちが救いになる

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:池野詩織 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2021/03/19

ミツメが6枚目となるニューアルバム『Ⅵ』(シックス)を完成させた。多くの同業者と同じく、活動の縮小を余儀なくされた2020年を彼らは楽曲制作に費やした。時勢の影響もあり、制作の方法論も変化した。リモートでデモ作りを進め、メンバーそれぞれがこれまで以上に独立した状態で各パートのフレーズやソングライティングと向き合いながら1曲1曲を作り上げ、アルバムとして編んだ。その結果、ノーコンセプトでありながら、バンドグルーヴには宅録感と肉体性がナチュラルに融和し、歌には平熱のポジティビティが宿り、ミツメのスタンダードを再構築したような作品が仕上がった。

ボーナストラックにはミツメにとって初のコラボレーション楽曲となる“Basic(feat. STUTS)”を収録。nakayaanとSTUTSは小学校の同級生であり、かつてSTUTSのライブと制作にnakayaanが参加した縁もあり、今回の共作が実現した。ミツメとSTUTSの共通項をピックアップするならば、さまざまな音楽的要素を独自のスタイルで昇華しながら、いかに同時代的かつ普遍性のある曲を作れるかというトライアルをしている点であろう。この対談ではミツメとSTUTSの接続点を軸に、『Ⅵ』及び“Basic(feat. STUTS)”の制作エピソードを紐解いた。

ミツメ(左から:大竹雅生、nakayaan、川辺素、須田洋次郎)<br>2009年、東京にて結成。4人組のバンド。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。2021年3月24日、ニューアルバム『VI』をリリース。
ミツメ(左から:大竹雅生、nakayaan、川辺素、須田洋次郎)
2009年、東京にて結成。4人組のバンド。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。2021年3月24日、ニューアルバム『VI』をリリース。
STUTS(スタッツ)<br>1989年生まれのトラックメーカー/MPC Player。2020年9月、ミニアルバム『Contrast』をリリース。現在は自身の作品制作、ライブと並行して数多くのプロデュース、コラボレーションやCM楽曲制作等を行っている。
STUTS(スタッツ)
1989年生まれのトラックメーカー/MPC Player。2020年9月、ミニアルバム『Contrast』をリリース。現在は自身の作品制作、ライブと並行して数多くのプロデュース、コラボレーションやCM楽曲制作等を行っている。

小学校の同級生だったnakayaanとSTUTS。少年時代をお互いに回想

―実はSTUTSくんとnakayaanさんが同級生だという。STUTSくんのバンドメンバーとしてnakayaanさんが参加するずっと前からつながりがあったんですね。

STUTS:そうなんです。小学校の同級生で。

nakayaan(Ba):地元が一緒です。

STUTS:小5のとき同じクラスで、(nakayaanの)おウチに行ってポケモンカードやったりしてました。

nakayaan:僕はSTUTSくんの家に行ってNINTENDO64やらせてもらったり。中学から別々になって、大学生のころにお互い音楽をやっていることを友だち伝いで知ったんですよね。そこから数年前にSTUTSのバンドで自分がベースを弾かせてもらって(2018年11月に渋谷WWW Xで開催された『STUTS “Eutopia” Release Tour』)。

川辺(Vo,Gt):一緒にHomecomingsのイベントに出たこともあったよね。

STUTS:あー、ありました! 大阪ですよね(2017年12月に梅田CLUB QUATTROで開催された『Homecomings presents「Casper the Friendly Ghost」』)。

STUTSは、2016年12月に恵比寿LIQUIDROOMとLOFTで開催されたミツメ主催『WWMM』にも出演している
STUTSは、2016年12月に恵比寿LIQUIDROOMとLOFTで開催されたミツメ主催『WWMM』にも出演している

―小学生のころから時を経て、STUTSくんのバンドで一緒に演奏したときはどんな感覚でした?

STUTS:不思議な感覚はあったかもしれない。小学校から間が空いてるので、記憶と現実があまり結びつかない感じというか。

―それぞれが音楽にハマっていったのも小学生からあとかもしれないし。

nakayaan:自分が大学1年のときの同級生にSTUTSと中高が一緒だった共通の友だちが一人いて。STUTSが中高生のころからでっかいMTR持っていてMPCも叩き始めてという話を聞いて、小学校のころのイメージと全然結びつかなくて「マジか!」ってなりました(笑)。それで連絡をとって「俺もバンドをやっていて」って話をしたんですよね。STUTSは小学生のころからあまり変わってないんですよ。

STUTS:あ、マジすか(笑)。でも、当時はすごい太ってたでしょ。

nakayaan:でも、雰囲気は変わらない。周りの人たちに愛されて、可愛がられていて。そこが変わってないのが素晴らしいことだなって。

 
 

―STUTSくんが見ていたnakayaan少年の印象は?

STUTS:尖ってた面もあった記憶がありますね。

nakayaan:たしかに尖ってたかも(笑)。

―友だちとつるんだりすることもそんなになく?

nakayaan:そういう感じではなかったですね。自分は小学生の時点で中二病に足を突っ込んでいたところがあったので(笑)。歳の離れた兄がいたから「俺はおまえらとは違う音楽を聴いてるぜ」みたいな態度をとってたと思います。当時は兄の影響でThe BeatlesとかRadioheadとかOasisとかをよく聴いていて、家にある『rockin’on』とかを読んでましたね。

―なおさらSTUTSくんが音楽をやっていることに驚いたのかもしれないですね。

nakayaan:そうなんですよね。今では(星野源のサポートメンバーとして)『紅白』とかにも出ているので。

STUTS:いやいやいや。

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リリース情報

『Basic(feat. STUTS)』
ミツメ
『Basic(feat. STUTS)』

2021年3月17日(水)配信リリース

ミツメ
『Basic(feat. STUTS)』(7インチアナログ盤)

2021年4月21日(水)発売
価格:2,200円(税込)
PEKF-91035 mitsume-028

[SIDE-A]
1. Basic(feat. STUTS)
[SIDE-B]
1. ジンクス

『VI』
ミツメ
『VI』(2CD)

2021年3月24日(水)発売
価格:3,000円(税抜)
PECF-1183/4 mitsume-026

[CD1]
1. Intro
2. フィクション
3. 変身
4. ダンス
5. 睡魔
6. メッセージ
7. システム
8. VIDEO
9. リピート
10. コンタクト
11. Interlude
12. トニック・ラブ
13. Basic(feat.STUTS)(ボーナストラック)
[CD2]
1. Intro
2. フィクション(instrumental)
3. 変身(instrumental)
4. ダンス(instrumental)
5. 睡魔(instrumental)
6. メッセージ(instrumental)
7. システム(instrumental)
8. VIDEO(instrumental)
9. リピート(instrumental)
10. コンタクト(instrumental)
11. Interlude
12. トニック・ラブ(instrumental)

ミツメ
『VI』(アナログ盤)

2021年3月24日(水)発売
価格:3,200円(税抜)
PEJF-91034 mitsume-027

1. Intro
2. フィクション
3. 変身
4. ダンス
5. 睡魔
6. メッセージ
7. システム
8. VIDEO
9. リピート
10. コンタクト
11. Interlude
12. トニック・ラブ

イベント情報

『WWMW』

2021年3月31日(水)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

プロフィール

ミツメ
ミツメ

2009年、東京にて結成。4人組のバンド。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。2021年3月24日、ニューアルバム『VI』をリリース。

STUTS
STUTS(スタッツ)

1989年生まれのトラックメーカー/MPC Player。2016年4月、縁のあるアーティストをゲストに迎えて制作した1stアルバム『Pushin’』を発表し、ロングセールスを記録。2017年6月、Alfred Beach Sandalとのコラボレーション作品『ABS+STUTS』を発表。2018年9月、国内外のアーティストをゲストに迎えて制作した2ndアルバム『Eutopia』を発表。現在は自身の作品制作、ライブと並行して数多くのプロデュース、コラボレーションやCM楽曲制作等を行っている。

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