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怒りをエネルギーにしながら幸福を願う ルサンチマンの目指す音楽

怒りをエネルギーにしながら幸福を願う ルサンチマンの目指す音楽

Eggs
インタビュー・テキスト・編集
飯嶋藍子
撮影:タケシタトモヒロ

怒りを怒りのままにしないために。「怒るだけだったらただ精神力が削られるだけだからもったいない」

―今作は高校時代にできた曲も含みつつ、“アンチドペル”“ラル”“メメントモリ”と新曲が3曲入っていますよね。それぞれいつ頃に書いたんですか?

:“アンチドペル”は去年の2、3月くらいに弾き語りの状態ができたのですが、完成したのはいちばん最後。“メメントモリ”は、コロナ禍で自分のなかで人生観が変わるくらい怒る出来事があって作ったので、いかつめで新しい感じの曲になっています。“ラル”はいちばん最後で、シンプルにいい曲を作ろうと思ってできた曲です。

左から:もぎ、クーラーNAKANO、北、清水

―“メメントモリ”ができた、人生観が変わるほどの出来事っていうのは?

:僕の友人の親がネグレクトみたいな感じの人で、その人と一悶着あったんです。こんなクソみたいな大人がこの世にいるんだ、最悪だなと思って。曲名も、最初“メメントモリ”じゃなくて“クソ大人”だったんですよ。

もぎ:北がこんなエグい歌詞書くことないなと思って、「なんか嫌なことあったの?」って聞いたらそういう話でした。

:そのクソ大人に向けて書いた歌詞なので、その人の精神レベルに合わせるくらい稚拙な言葉をあえて使ったイメージなんです。この曲は作ろうって思って作ったというよりは、ぶつけようのない行き場のない怒りをどうしようかなと思って、ギターを持っていたらできました。

―やっぱり絶望とか怒りのエネルギーが大きいんですね。とはいえ幸せになりたいとも言っていましたが、バンドとしてはどういう幸せに向かっていきたいですか?

もぎ:僕は音楽ができることが幸せなので、今でも十分幸せなんです。これがちゃんと仕事になってきたら本当に幸せだなと思います。

もぎ

:僕は全部うまくいきすぎてもおもしろくないなって思うんですよね。たとえばオーディションだとかコンテストだとかで勝ったらもちろん嬉しいけど、負けて悔しい思いをしたらその思いで曲を作れる。いろんな過程も含めてトータルで幸せだと思うので、この調子でやっていけばきっと幸せになれるだろうなと思っています。

清水:僕も北くんと同じようなことを考えていて。このバンドで場数を踏んでいって、自分たちのことを好きでいてくれる人がいろんなところから集まってきてくれて、最終的に大きくなりたい。SNSでバズって一気に飛び級するアーティストさんもいらっしゃって、それもすごくいいなあと思うんですけど、僕たちはじわじわ成長していく下積みの過程も楽しみたいと思っています。

清水

NAKANO:僕は北と清水さんみたいに長い目で考えたりできない人間なので、瞬間瞬間でバンドをやって楽しいとか、ギターを弾けて楽しいなと思っているので、それが続けられたら幸せだなと思います。

―そんななかで普段は外に出さない怒りや鬱憤を音楽で表現していくのはなぜですか?

:怒って得することってないじゃないですか。それを唯一利用できる場ってバンド、特にルサンチマンの音楽なのかなと思うんです。怒るだけだったらただ精神力が削られるだけだからもったいない。どうせなら音楽に落とし込んでリサイクルできたらお得だなと思ってます。

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リリース情報

ルサンチマン
『memento』(CD)

2021年3月31日(水)発売
価格:2,200円(税込)
BER-1003

1. ニヒリズム
2. 老いても
3. アンチドペル
4. だらしないうた
5. メメントモリ
6. ラル
7. 卒業(BonusTrack)

プロフィール

ルサンチマン(るさんちまん)

北(Vo・G)、クーラーNAKANO(G)、清水(B)、もぎ(Dr)からなる、平均年齢18歳の東京発オルタナディブロックバンド。2018年に結成、2019年にロッキング・オン主催のオーディション「RO JACK」で優勝し、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」に出演。高校卒業を目前にした2021年3月31日に1stミニアルバム『memento』をリリースした。

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