今週の編集部まとめ
毎週火曜日更新 2020年5月26日- BACKNUMBER
編集部員の、ちょっとひとこと
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あらゆる意見の対立が白熱する今こそ
「『ミュージシャンが政治を語るな』という意見が日本ではあるんだけど、どう思う?」という質問を、イギリス在住であるThe 1975のフロントマン、マシュー・ヒーリーに投げかけました。その回答を、ぜひ、音楽に限らずあらゆるクリエイティブに関わるすべての人に読んでほしいと思います。
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何が「戻り」つつあるのか
5月25日、緊急事態宣言が、最後の対象となっていた首都圏、北海道でも解除された。これで全国一律で解除されたわけだが、様々なメディアで解除後初日の様子が伝えられている。日経新聞の記事よれば、早くも街に繰り出す人の姿もあり、遊ぶ楽しみを謳歌する人、不安ながら出社する人、娘の様子を見に他県から東京にくる人、業態を変えて営業するお店など、多様な人たちの様子が写し出されている。
緊急事態宣言解除にあたって、「戻る」という言葉が使われているのを見かけるが、何が「戻る」んだろう? と一瞬考えてしまった。宣言が解除され、コロナ以前の日常が「戻る」こともあるだろうし、リモートワークによって家族との時間を取り「戻す」でもあるだろうし、仕事に追われていたそれまでから、自分の人生を取り「戻す」という人だってこれからいるかもしれない。そして、戻らないものだってあることを私たちは覚悟しなければならないし、戻らなそうなものを戻すことも、これから考えていく必要が出てくるだろう。
私はこの事態の中で、家族と家で過ごす時間が増えたり、植物を愛でたり、ただただ緑の中でボーッとしたりして、昔はこんな感じだったなあと思ったりもした。大自然の中で野山を駆け回って遊んでいた私にとってそれは脳内が過去に「戻って」いるわけだが、ノスタルジーだけでは終わらない、先に進む何かがある気がしている。