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映画『ライブテープ』監督・松江哲明×前野健太インタビュー
祝! 東京国際映画祭2009「日本映画・ある視点部門」作品賞受賞! 路上音楽ライブをワンカットで、mini-DVテープの限界である「80分」ギリギリまで撮った刺激的な作品『ライブテープ』は、観る者すべての心を熱くさせる傑作だ。監督は、若手ドキュメンタリー作家随一の作り手である、松江哲明。そして主演に、これまで『ロマンスカー』、『さみしいだけ』という珠玉のアルバムを発表している前野健太。泥臭いまでに必死に、そして切ないまでに真剣に、「生きていくこと」の素晴らしさを謳い上げた本作。その「奇跡の74分間」の制作秘話を、じっくりとお伺いした。
(インタビュー・テキスト:小林宏彰 撮影:柏井万作)
松江哲明
1977年生まれ。東京都出身。99年日本映画学校卒業制作として『あんにょんキムチ』を監督。国内外の映画祭に参加し、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞、NETPAC特別賞、平成12年度文化庁優秀映画賞などを受賞。 その後、OV『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズ、『カレーライスの女たち』、『セキ☆ララ』などを制作。2007年に発表の『童貞。をプロデュース』、2009年に入って発表の『あんにょん由美香』が相次いで大ヒットを記録。著書に『童貞の教室(よりみちパン!セ)』等があり、「映画秘宝」「映画芸術」では映画評を発表している。
松江哲明ブログ
前野健太
1979年、埼玉県生まれ。ミュージシャン。2000年頃より作詞・作曲を始め、東京都内を中心にライブ活動、自宅での録音を精力的に行う。2007年9 月、アルバム『ロマンスカー』にてデビュー。同作収録の曲“天気予報”が映画『デトロイト・メタル・シティ』のメイキング映像の挿入歌として使用される。 2009年1月、セカンドアルバム『さみしいだけ』発表。日常の機微を丁寧にすくいあげる歌詞とポップなメロディー、さらにはライブでのアグレッシヴな演奏で注目を集める、新時代のシンガーソングライター。
前野健太_web
「失楽園でヌイてた〜」という歌い出しに、
すごく同世代を感じた(松江)
─『ライブテープ』、大変面白く拝見しました。74分間に、お二人の人生が凝縮 されていて、非常に感動しました。まずは出会いからお伺いしたいと思うのですが。
松江:昨年7月の、SPOTTED PRODUCTIONSという配給宣伝会社が行ったイベントのときですね。九龍ジョーというライターさんが「松江くんと同世代で、きっと好きな音楽だと思うよ」って前野さんを紹介してくれたんですよ。『ライブテープ』の1曲目でもありますが、“18の夏”を初めて聴いたとき、「失楽園でヌイてた〜」という歌い出しにすごく同世代を感じましたね。
前野:それから、8月にやった松江監督の『童貞。をプロデュース』公開1周年記念オールナイトイベントで、僕は簡単なライブをしたんですけど、早朝に松江さんから「一緒に面白いことやりましょう!」って握手を求めていただいたんですよね。

左:松江哲明、右:前野健太
松江:僕は「頑張ってください」って声を掛けるの、嫌なんですよね。僕は自分が共感した人と「一緒にやりたい」って思うんですよ。それは撮っているのがドキュメンタリーだからという理由もあります。劇映画と違って、ドキュメンタリーは少人数のスタッフとコアなものを作るので、性格がガッツリ合う人とじゃないとつくれないんです。
前野:そのオールナイトイベントのちょっと前に、松江さんが骨折したんですよね。松江さんの家にお見舞いに行ったらiTunesが開いていて、僕の“天気予報”という曲がものすごい回数を再生されていた。それを見つけたときは嬉しかったですね。
それにしても、松江さんが『ライブテープ』の内容を思いついたのは、12月に入ってからなんですよね。だから、出会ってから半年も経たないぐらいで、この映画ができたことになります。
─この作品を思いついたきっかけを教えてもらえますか?
松江:『ホット・ファズ』という映画を、吉祥寺バウスシアターの爆音映画祭に観に行ったんです。その帰り道、サンロードという商店街を歩いているときに、「ここで前野さんが歌っているところを見たい」と思いついたんです。で、翌日、前野さんに電話しました。
前野:「前野さん、元旦に歌いません? 一緒に映画撮りませんか?」って。いいっすよ、やりましょうよってすぐに返事をしたんです。
─内容を思いついてから撮影決定まで、本当に素早いですね! それにしてもなぜ、撮影日を元旦にしようと考えたんでしょうか?
松江:一年のうち、吉祥寺の人出が一番少ない時期に撮りたかったんです。その見込みは外れたんですけど(笑)。あんなに人が多いとは思っていなかった。






















