カーネーション×サニーデイ 同じことを何度歌ってもいいじゃん?

カーネーションの直枝政広と、サニーデイ・サービスの曽我部恵一。最高のソングライターでありボーカリストでもあると当時に、世代はひと回り違えど、熱心なレコードコレクターであり、読書家であり、文筆家でもあるなど、何かと共通点の多い二人の対談が実現。

1990年代から親交を持ち、つかず離れずの関係性を保ちながら、お互いの活動を見守ってきたという二人。片や今年6月に、通算11作目となるアルバム『Popcorn Ballads』を、Apple MusicとSpotifyのみでストリーミング配信するという大胆なやり方に打って出たサニーデイ。そして、片やこの9月13日に、その新たなる到達点とも言える、通算17作目のアルバム『Suburban Baroque』を完成させたカーネーション。「常に刺激を受け合う関係」であるという二人は、お互いの作品やスタンス、そして近年再び活性化しているように思える両者の活動状況に対して、どんな思いを抱いているのだろうか。

その共通点はもちろん、意外な相違点も浮かび上がる、実に貴重な対談となった。キーワードは、さまざまな意味での「軽やかさ」。

僕は、いい意味で軽くなれないところがあって。こだわっちゃうんだよね、メディアとか形とかに。(直枝)

—お二方とも、すでに長いキャリアをお持ちですが、ここ最近またすごくアクティブに活動されている印象があります。

直枝:最近の曽我部くんは、ホント何をやるかわからない面白さがありますよね。それで、いつもビックリするんだけど、あれも相当すごかったよね。ニューアルバム(『Popcorn Ballads』)を、いきなり配信リリースして。

曽我部:ありがとうございます(笑)。あれは、海外のマネっ子なんですけど、ああいうことを日本では誰もやらないというか、そういうのは「海の向こうの話です」っていうふうになっていることに寂しさがあって(参照記事:サニーデイ×LOSTAGEが腹を割って話す、音楽家兼経営者の胸中)。

直枝:曲数もすごかったよね。全22曲だっけ?

曽我部:そうですね。やっぱりたくさん入ってたほうが、迫力あるんじゃないかって。

曽我部恵一
曽我部恵一

直枝:迫力あるよ。ホント困るから(笑)。あれはすごいと思いました。だって、いきなり「新しいアルバムを配信します!」ってTwitterで言って始まったんだよね?

曽我部:そうですね。その一瞬だけでも、盛り上がるかなと思って。いわゆる「バズる」っていうんですか? ちょっと「バズりたい」みたいな(笑)。

直枝:(笑)。でも、それをきっかけに、僕はApple Music契約しましたから。

直枝政広
直枝政広

曽我部:あ、ホントですか? そういう方がいたら、面白いかなって思って。アナログレコードで、できるだけオリジナルなものを掘っていこうとすると、聴くものが大体決まってきちゃうじゃないですか。

直枝:まあ、そうだね。

曽我部:それもつまらないなと思ったんですよね。たまに、Apple MusicとかSpotifyとかを覗いてみると、ディスクユニオンとはまったく違う空間が広がっていて……。

直枝:そうなんだよね。

曽我部:そこを行き来できる大人でいたいなって思ったんですよね。

サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』ジャケット
サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』ジャケット(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

直枝:いいこと言うなあ……いや、流石だよ(笑)。僕はそこまで、いい意味で軽くなれないところがあって。どうしても馴染んだやり方にこだわっちゃうんだよね、好きなメディアとか形とかに。

曽我部:でも、今回のカーネーションのアルバム(『Suburban Baroque』)を聴いて、そこがホントにすごいなって思ったんですよね。要するに、僕はアイデア先行で、極端な話、完成度は二の次というほうなんですよ。アイデアとひらめきがちゃんとあれば、それは絶対面白いものになるんじゃないかなって。やっぱり、パンクがルーツなので、先にやったもん勝ち、みたいなところがあるんです。

直枝:なるほど。

曽我部:でもやっぱり、このアルバムを聴くと、スキルがあって、演奏はもちろんビシッと上手いし、ちゃんとしっかりした土台の上に音楽があるなあって思うんですよね。ああ、俺もこういうのをやらないとダメかなって。

カーネーション『Suburban Baroque』ジャケット
カーネーション『Suburban Baroque』ジャケット(Amazonで見る

直枝:いやいや。でも、ベーシック録音の時からホーム・デモを聴きながら録音したりしているんですよね。

曽我部:あ、ホントですか?

直枝:アナログレコーディングでやりつつ、さらに、不自由に。

曽我部:レコーディングは、Gok Sound(吉祥寺にあるレコーディングスタジオ)ですよね?

左から:直枝政広、曽我部恵一

直枝:うん。前作(『Multimoodal Sentiment』)も、そこで録りました。そう、この間、曽我部くんに「直枝さん、今度一発録りでやったらどうですか?」って言われて、それもいいなって思ってたんだけど、せーので、一発録りだけで完成させる曲も日程も勇気もまだなかった(笑)。

曽我部:でも今回、割と一発録りに近い感じがありますよね?

直枝:そうだね。もちろん、リズムとかは一発で録るんだけど、それでも、あらかじめ組み立てておいたデータや演奏をドンカマ(ドンカマチック=リズムマシンの総称)と同じようにイメージして先に流し込んでおくの。

そうやって効率的に作業してようやく、スケジュールや予算が成り立つような状況なので、ちょっと変わった作り方と言えば、変わった作り方なのかもしれないですが。

基本的に女の子のことを歌っていれば、いいかなっていうところですもんね。(曽我部)

—今回のアルバムは、1曲目の“Shooting Star”を筆頭に、かなり軽やかなアルバムに仕上がっている印象を受けました。

直枝:そう聴いてもらえるのが一番嬉しいですね。僕は、曽我部くんを見ていると、多作って素晴らしいなって思うんですよ。多作っていうのは、自分の中の「自分でもわからない部分」を考えて止まらなくていいっていうルールを持つわけじゃない? だからこそ、聴き手は驚くし、自分も一緒に驚くみたいなところがあって。

僕は曽我部くんの制作ペースからすごく刺激を受けているんです。スピードに任せるということを、自分もやってみたいとずっと思っていて。そういう気持ちよさは、今回すごく久しぶりに味わっているところがあります。1年ちょっとでアルバムを出すなんて、ホント久しぶりだから。まあ、このペースじゃ、曽我部くんの多作には、全然かなわないけど。

直枝政広

曽我部:いえいえ(笑)。でも、それは確かに感じましたね。前作はもうちょっともがいている感じがあって、それが面白かったんだけど、今回はスコーンと抜けた感じがあって。『EDO RIVER』(1994年発売、5枚目のアルバム)のあとぐらいのカーネーションの感じがあるというか。それは、“Peanut Butter & Jelly”のミュージックビデオとかも含めて思いましたね。

直枝:うんうん。『a Beautiful Day』(1995年発売、6枚目のアルバム)とか、あのへんの頃のムードね。

曽我部:そうそう。それを今回、久しぶりに思い出しました。と言っても、そこに戻っていくというのではなく、ちょうどまたそういうバイブレーションと直枝さんたちが出会ったような感じがあるというか。そこが前作と違うところでしたね。

左から:直枝政広、曽我部恵一

直枝:前作は絶対バラードなしでいこうと思ってたんだよね。だから、そういう気負いみたいなのがちょっとあったのかもしれない。

曽我部:それは、なぜですか?

直枝:「俺たち、勢いあるよ」みたいなところを見せたいじゃない?(笑) 実験的なことをやってみたりね、ちょっと力が入っちゃってる。でも今回は「泣き節」を復活させて、かなり歌ものに寄って行ったところがあるの。その音楽性の幅の広さや明快さに関しては、制作途中で『Popcorn Ballads』を聴いたことも関係しているかもしれないけど(笑)。

直枝政広

曽我部:いやいや(笑)。

—今、曽我部さんがおっしゃった『EDO RIVER』のあとぐらいの感じというのは、僕も思いました。それは歌詞の世界観も含めて。

直枝:そうですね。やっぱり、ひとりの人間なので、同じことも繰り返し言うだろうし、そうやって同じことを繰り返し歌いながら育っていくことも、肯定していきたいというか。

曽我部:それ、セルフライナーノーツにも書いてらっしゃいましたよね。「文体も“以前に使った言葉は使わない”といったスタイリッシュな態度を否定し、“重要だと思うことは何度でも繰り返す”ようになってきている」って。

直枝:そう。何を歌ったっていいし、隠すことはないんですよね。

曽我部:それは、いわゆる「手癖」という意味ではないんですよね。例えば、画家がずっと同じモチーフで、絵を描いたりするじゃないですか? きっと、そういう感じの意味合いなのかなって。

直枝:そうなんです。歌を作る人ってよく、この路線は前やったからやめようとか、この言葉は前に使ったからやめようとか言うじゃない? そういうディレクター的な発想はやめたいんですよ。もっと作家マターでやりたいというか。それを認めようよって言いたい。繰り返し10年かけてでも言わなきゃいけないことってあるし、何度でも言っていい言葉だってあると思うんですよね。

左から:直枝政広、曽我部恵一

曽我部:逆に言うと、そんなに歌いたいことってないですからね。

直枝:そうなんですよ(笑)。

曽我部:大体、歌詞にして歌いたいようなテーマって、そんなに多くないですもんね。やっぱり女の子のことでしょ? 恋というか欲望というか。

直枝:そうだね(笑)。

曽我部:社会変革みたいなことを歌いたいわけでもないし。自分も含めてだけど、基本的に女の子のことを歌っていれば、いいかなっていうところですもんね(笑)。

直枝:そうそう(笑)。サウンドに関しては、絶対に守らなきゃいけない線が自分の中にあるんだけど、その他は、自我がほとんどないんですよ。

曽我部:あ、そうなんですか?

何のためにやっているんだろうって悲しくなるんですよね。実家に帰ろうかな……って思うくらい(笑)。(曽我部)

直枝:今のカーネーションは、大田(譲 / Ba)くんと僕の二人組で、そこにいろんなミュージシャンを呼ばなきゃいけないじゃないですか。いろんな人を呼ぶ以上、その人のプレイがアレンジにもなるわけです。

とはいえ、あらかじめサウンドのイメージを表した僕のホーム・デモは聴いておいてもらうのですが、そこで、さらに細かく指導していたら、いつまで経っても録音が終わらない。まぁ、そういう局面がないわけではないのですが、押し付けがすぎるとよくないと思っているんですよね。

直枝政広

曽我部:じゃあ、現場での最終的なジャッジは、割とみんなで決めていくような?

直枝:スタジオにいる時点で、僕には楽曲のイメージが最初から明快に見えているので、「もう、最高、最高」と、みんなを乗せて気持ち良く演奏していただく(笑)。現場では、上から自我を押し付けることもない。

曽我部:レコーディングに入るまでが長いってことですか?

直枝:そこに至るまでは、やっぱり自分の中での戦いが厳しいですね。

曽我部:それは、詞曲の部分が大変ということですか?

直枝:アレンジのアイデアも含め、ですね。出てきちゃうものは、そのまま泳がせてあげるっていう。そうすれば、作品はいつか勝手に仕上がるだろうというふうに思っているので。

直枝政広

—ちなみに、曽我部さんは、レコーディングの現場ではどんな感じで制作されるんですか?

曽我部:僕はもう全然ダメですね。「キックの音が、もう何か月も決まらない」みたいなことが続いちゃう。だから、直枝さんのように、音を泳がせるみたいなことをやってみたいんですけど……どうもダメなんですよね。

直枝:それ、すごいね。バスドラ一個で、何か月も悩んだりするんだ?

曽我部:もう、全然ありますよ。音が悪いと、もう何のためにやっているんだろうって悲しくなるんですよね。もう、実家に帰ろうかな……って思うくらい(笑)。

直枝:はははは。そういう、曲のポイントになる音っていうのはあるからね。それが決まらないのは、つらいわ。今回のアルバムは、矢部(浩志)くんが復帰して、7曲叩いてくれたんだけど、これは大きいんだよ。ドラムスはやっぱりチューニングなんですよ。チューニングがすべてを決める。それがあってベースが落ち着くし、歌もちゃんと歌える。

曽我部:そうなんですよね。同じキックでも、人によって鳴りが違ったりするから……。

曽我部恵一

直枝:僕と大田くんは、矢部くんのドラムスで十分能力を発揮できるんですよ。今回の軽やかさっていうのは、そこにも理由があるのかもしれない。やっぱり、ドラムは重要というか、もうそれがすべてかもしれないよね。

まあ、それが俺の、大田くんに対する信頼と愛情ですね(笑)。(直枝)

—カーネーションは二人組になって以降、年下のミュージシャンと一緒に作業していますよね。そういう中で、今回の風通しのよさみたいなものが培われていったのでしょうか? 前回、GRAPEVINEの西川(弘剛 / G)さんと対談したときも、ほとんど何も指示を出さないとおっしゃっていましたよね。(参照記事:カーネーション×GRAPEVINE対談 勇気ある音楽馬鹿たちに向けて)。

直枝:そうですね。くどくど説明してすべてをわかってもらおうということは、もうしないんですよ。もちろん、核となるフレーズなど、重要な部分は指定したり、一緒に考えますが、基本はその人の個性やフィーリングを自由に披露してもらえばいい。呼んだ以上は、「好きにやっていってよ」とも思う。その運命を受け入れているというか、もう思いっきり楽しまなきゃってことですよね。

曽我部:そうですよね。Steely Dan(1972年デビューのアメリカのバンド)みたいな、ホントにしごきというか、「お前、ダメ。次の人」っていう、あの血も涙もない感じもすごいですけど……。

直枝:あれは、すごいよね(笑)。でも実は昔、カーネーションも割とそういうところがあったんだよね。大田くんとか、ホント大変だったと思う。

左から:直枝政広、曽我部恵一

曽我部:それは、直枝さんにその気があったってことですか?

直枝:うん。かなり。

曽我部:今はそれが変わって、その運命を受け入れていきたいっていう。

直枝:そう。この2人カーネーションとしてのやり方ではそうだね。

曽我部:ということは、戻っちゃう可能性もあるってことですか? Steely Dan方式に。

直枝:ははは。「ジャッジ」は今も相当シビアなんだけど、厳しく押し付けるようなことは、もう絶対しない。楽曲の中で大体描けていると思ってるし、じゃないと音楽が大きくならないんだよね。

直枝政広

曽我部:僕、スタジオ入ったら、これはもう自分だけの聖域だって思っちゃうほうなので。だから、考え方がマイブラ(My Bloody Valentine。1984年結成のアイルランドのオルタナティブロックバンド)みたいになっちゃうんですけど……。

直枝:考え方がマイブラ(笑)。すげえ面白い!

曽我部:多分、それはおかしいんですよ。あと、直枝さん、大田さんに歌わせるじゃないですか? 大田さんが歌うために、直枝さんが曲を書くっていう。

直枝:あ、“Little Jetty”ね。

曽我部:僕、絶対無理ですもん。田中(貴 / Ba)が歌うとか。田中が曲を書いてきたら、絶対引くだろうし。「今回は、田中のために、この曲書いたんです」とか、今の自分には絶対ないから。僕はまだ、そういうところまで行ってない。

左から:直枝政広、曽我部恵一

直枝:前作でどうしても大田くんが歌える曲ができなかったんですよね。で、じゃあ今回は作るよって言って、「どういうの歌いたい?」って大田くんに聞いて……。

曽我部:あ、リクエスト制なんですか?

直枝:そしたら大田くんが、Steely Danの“Brooklyn (Owes The Charmer Under Me)”みたいなのがいいって言うから、こっちはDonald Fagen(Steely Danのメンバー)になりきって、一生懸命ピアノで作るわけですよ。それがまた意外と俺の作曲のピークだったりして。すっげえいいのができちゃって(笑)。

曽我部:いいのができたと思ったときに、「これは俺が歌おう」とはならないんですか?

直枝:それは大田くんにあげることになっているから、もうそれはできないよ。そういうモードになっているというか。まあ、それが俺の、大田くんに対する信頼と愛情ですね(笑)。

でも、曽我部くんのその田中くんに対する感じも、すごいカッコいいと思うよ(笑)。絶対歌わせたくないっていう。すごく人として、いいなあって思う。

曽我部:いや、人としてはダメでしょう(笑)。

これは僕の勝手な妄想なんですけど、ここからがまた、カーネーションのピークのような気がして。(曽我部)

—直枝さんとしては、今回のアルバムは、どんなものになったと感じていますか?

直枝:自分の中から、何か重たいものが消えていった感じがありますね。それと、歌というものを素直に自分の人生と照らし合わせながら、大切なことを歌にできた瞬間があったかもしれないです。それによって、今までとはちょっと違う作り方になった部分があって……それはまあ、最後に入っている“VIVRE”という曲のことだったりするんだけど。

曽我部:そう、今回はいつもとは違う終わり方ですよね。カーネーションのアルバムって、だんだんと情念の中に引きずり込まれて、そこでサイケデリックな夢を見るみたいなイメージがあって。だけど、今回はそういうものとは違う終わりだったというか。それがすごくいいなあと思いました。

左から:直枝政広、曽我部恵一

直枝:うんうん、サイケデリックに溺れてない感じでしょ?

曽我部:もちろん、途中はすごくサイケなんですけど、すごく平和な場所に辿り着くような感じがあって。この『Suburban Baroque』っていうタイトルも、そういうことなのかもしれないですけど。

直枝:そう、このアルバムの後味としては、夜と朝をつなぐハイウェイをイメージしていて……これからも続いていく道を走っている状態を歌いたかったんです。続きがあるんだっていう望みみたいなものを出したかった。

曽我部:なるほど。この曲で終わるっていうのは、最初から決めていたんですか?

直枝:何となくそうなりましたね。この曲に一番こだわっていたので。それは音質も何もかも。エンジニアには、1965年のコロムビア・スタジオの音が欲しいと言い続けたんです。そこがこのアルバムの中で唯一のこだわりだった。この歌詞やサウンドの温かみが、いい意味での軽やかさにつながったんだと思うんですよね。

—この『Suburban Baroque』というタイトルには、どんな思いが込められているのでしょう? 前作『Multimodal Sentiment』に続き、今回もまたちょっと難しいタイトルになっていますが。

直枝:ええとね、それは敢えて難しくしているんですよ。最近の世の中は、何でもワンワードで済んでしまうから。「Suburban Baroque」というのは「近郊のバロック」という意味で、その違和感みたいなものが、自然と滲み出てきたというか。

基本的に、サバーバン=都市郊外の何もない中から、その景色を掴んで歌にしていくみたいな作業が、僕の中ではかなり大きい位置を占めているんですよね。それプラス、今回のジャケットを撮影しに行ってわかったんだけど、何気ない国道の風景の中に、パチスロのでっかい看板があったりして……何かその違和感みたいなもの、気持ち悪さみたいなものが、僕らが作る音楽の幻想性にすごく近いなと思ったんです。

直枝政広

曽我部:これは僕の勝手な妄想なんですけど、ここからがまた、カーネーションのピークのような気がして……次もまた何かすごいことになるような、そういうタイミングな気がします。これが何かひとつの完成形で、次は直枝さんがめちゃくちゃやって、これを根底から崩すものが生まれそうな感じもありますよね。

曽我部恵一

直枝:それ、面白いね。確かに、これとはまったく違うものが出てくる可能性はあるよね。ただ、来年12月で結成35年を迎えるので、そこにもいろんな意味でピークを持っていきたいとは思っているんですよね。

曽我部:それは武道館とかですか?

直枝:いや、武道館は、別に興味ないなあ(笑)。

曽我部:ですよね。何でみんな、武道館やるんだろう(笑)。何か達成感があるのかな? こういうこと言うとひがみだと思われるんですけど、僕もホント武道館でやりたいって気持ちがないんですよね。売れたいっていうのは、ありますけど……。

直枝:めちゃくちゃ売れたいですよ。というか、そろそろ売れてもいいよね(笑)。

曽我部:それは俺も、ずーっと思っているんですけど(笑)。

—お二方とも「売れたい」は、昔からすごい強くありますよね。

曽我部:めちゃくちゃありますね。そういう、「売れたい」というか、もっと多くの人に聴いてもらいたいという思いは、このアルバムの中にも、すごく強くあるような気がしました。売れたいって思っていても、そこに集中してない時期もあるわけじゃないですか。「いいものを作りたい」とか「自分がやりたいことを思いっきりやりたい」とか、集中する場所が違う時期というのもあって。

でも、今回のアルバムは、作品としても素晴らしいし、これはもっと聴かれなきゃいけない音楽なんだっていう思いが感じられるところも含めて、すごくバランスがいい一枚になっていると思います。

左から:直枝政広、曽我部恵一

リリース情報
カーネーション
『Suburban Baroque』(2CD)

2017年9月13日(水)発売
価格:3,300円(税込)
CRCP-40525/6

[DISC1]
1. Shooting Star
2. Peanut Butter & Jelly
3. ハンマーロック
4. Little Jetty
5. 夜の森
6. Younger Than Today
7. 金魚と浮雲
8. Girl
9. Suspicious Mind
10. Please Please Please
11. VIVRE
※DISC2にはinstrumental ver.を収録

イベント情報
カーネーション
『Live Tour 2017“Suburban Baroque”』

2017年11月18日(土)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

2017年11月19日(日)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La
ゲスト:浦朋恵
DJ:キングジョー

2017年11月24日(金)
会場:東京都 キネマ倶楽部
ゲスト:
田村玄一(KIRINJI)
吉澤嘉代子

2017年12月1日(金)
会場:北海道 札幌 BESSIE HALL

2017年12月9日(土)
会場:福岡県 LIVEHOUSE CB

リリース情報
サニーデイ・サービス
『Popcorn Ballads』

2017年6月2日(金)からApple Music、Spotifyで配信

1. 青い戦車
2. 街角のファンク feat. C.O.S.A. & KID FRESINO
3. 泡アワー
4. 炭酸xyz
5. 東京市憂愁(トーキョーシティブルース)
6. きみは今日、空港で。
7. 花火
8. Tシャツ
9. クリスマス
10. 金星
11. heart&soul
12. 流れ星
13. すべての若き動物たち
14. summer baby
15. 恋人の歌
16. ハニー
17. クジラ
18. 虹の外
19. ポップコーン・バラッド
20. 透明でも透明じゃなくても
21. サマー・レイン
22. popcorn run out groove

プロフィール
カーネーション
カーネーション

1983年12月カーネーション結成。1984年ナゴムレコードよりシングル「夜の煙突」でレコードデビュー。以降、数度のメンバーチェンジを経ながら、時流に消費されることなく、数多くの傑作アルバムをリリース。練りに練られた楽曲、人生の哀楽を鋭く綴った歌詞、演奏力抜群のアンサンブル、圧倒的な歌唱、レコードジャンキーとしての博覧強記ぶりなど、その存在意義はあまりに大きい。現メンバーは直枝政広(Vo.G)と大田譲(B)の2人。他アーティストからの支持も厚く、2013年には結成30周年を祝うべく14組が参加したトリビュートアルバム『なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?』が発売された。2016年7月13日に4年ぶり16枚目のオリジナルアルバム『Multimodal Sentiment』をリリース。直枝政広はプロデューサー(大森靖子等)、文筆業などでも活躍している。

サニーデイ・サービス

曽我部恵一(Vo,Gt)、田中貴(Ba)、丸山晴茂(Dr)からなるロックバンド。1994年メジャーデビュー。1995年に1stアルバム『若者たち』、翌年2ndアルバム『東京』をリリース。「街」という地平を舞台に、そこに佇む恋人たちや若者たちの物語を透明なメロディーで鮮やかに描きだし、多くのリスナーを魅了し続けている。2016年8月には通算10枚目のアルバム『DANCE TO YOU』を発売し、現在もロングセラー作品となっている。2017年6月2日、事前告知なしでニューアルバム『Popcorn Ballads』をApple Music、Spotify限定で配信リリース。8月には、結成25周年の総決算として、サニーデイ・サービスと北沢夏音の共著『青春狂走曲』がスタンド・ブックスより発売。



フィードバック 3

新たな発見や感動を得ることはできましたか?

  • HOME
  • Music
  • カーネーション×サニーデイ 同じことを何度歌ってもいいじゃん?

Special Feature

coe──未来世代のちいさな声から兆しをつくる

ダイバーシティーやインクルージョンという言葉が浸透し、SDGsなど社会課題の解決を目指す取り組みが進む。しかし、個人のちいさな声はどうしても取りこぼされてしまいがちだ。いまこの瞬間も、たくさんの子どもや若者たちが真剣な悩みやコンプレックス、生きづらさを抱えながら、毎日を生きている。

記事一覧へ

JOB

これからの企業を彩る9つのバッヂ認証システム

グリーンカンパニー

グリーンカンパニーについて
グリーンカンパニーについて