特集 PR

broken hazeインタビュー

broken hazeインタビュー

インタビュー・テキスト
柏井万作(CINRA.NET編集長)
2008/05/13

音の追求から音楽の追求へ

―まずはbroken hazeの経歴からお話をお伺いしたいのですが、いつ頃からどんな音楽を作り始めていたんですか?

broken haze:2000年頃からヒップホップのDJをやり始めたのがきっかけでした。その頃は、ターンテーブリズムにのめりこんでいて、世界的に有名なターンテーブリスト集団のINVISIBL SKRATCH PIKLZやBeat Junkiesたちのプレイを見て研究してました。その後にDJが自分の中で一段落ついた時、macを手に入れてトラックを作りだしたんです。その時はDJ KRUSHさんの影響が大きかったので、かなりアブストラクトな方向性でしたね。さらに、そこからオリジナリティをだそうとして、よくも悪くも実験的なサウンドを求めていたと思います。

―broken hazeは恐らく「エレクトロニカ meets ヒップホップ」とカテゴライズされると思いますが、そういう音楽は実験的で難解な音楽が多いように思います。broken hazeの旧作にもやはり「難解さ」があったと思いますが、今作『raid system』はとても聴きやすくなりましたよね。何か心境の変化などがあったのでしょうか?

broken hazeインタビュー

broken haze:音楽に対する考え方が変わってきたんだと思います。ご指摘のとおり、実験的で難解なものがエレクトロニカといわれるものには多いと思います。ぼくも前作のEPなどでは、「音的」な追求に集中していて、よい意味でも悪い意味でも実験的だったと思いますし、そのときはそれが自分にとっての正解でした。

今回のアルバムが出来上がる前にも、そうした「実験的」な音で構成されたアルバムをほぼ完成させていたんですよ。でもその作品は、アルバムとしてのコンセプトや伝えたいことをしっかり言えていなかったし、前作の延長線上のような気がして、リリースする気になりませんでした。その後に今作の『raid system』を作ったわけですが、まずはコンセプトやストーリーを先に考えて作り始めたんです。その結果、実験的な要素は薄まったかもしれないですが、コセンプトやストーリーを表現するためにわかりやすいメロディーを使うことにはまったく抵抗がないですし、むしろそれを出していきたいとさえ考えていました。

―アルバムひとつボツにしてたんですか!(笑) 「わかりやすさ」を敢えて避けてしまうアーティストも多いと思いますが、音楽で何かを伝えようとした時に、コンセプトを表現する為の「わかりやすさ」というのはリスナーに親切で嬉しいです。

broken haze:そうですよね。個人的には、音の追求から曲としての追求になっていったんだと思います。だから今となっては、音がいいとか悪いとかは以前と比べて変なこだわりはなくなりました。ぼくは、音のピースを作ってるのではなくて、音楽を作っているのだと。そう思えたのは、自分にとってとてもプラスになったと思います。ちなみに、ぼくはメジャーでミーハーな音楽も好きです。「意外!」といわれますが…。

―ミーハーとマニアックって、二分されているように思われがちですもんね(笑)。『raid system』は、クラブはもちろん家でも聴ける幅の広さがあると思いますが、 そういう部分にも「マニアックなだけじゃない」というbroken hazeらしさが出ているのかもしれませんね。

broken haze:ありがとうございます。今回はメロディーをできるだけ前に出したし、音楽を聴く環境にできるだけ左右されない曲を作りたいと思っていたので、そういっていただけるととてもうれしいです!クラブじゃないと体感できないような、かなり低い位置で鳴っている音もあるんですが、基本的にはふつうのスピーカーでも聴けるようには努めたつもりです。

―わかりやすいメロディーが入ったものの、やはり「ビート」というのが常にbroken hazeの音楽の根っこにあるように思います。これまでどんな「ビート」に刺激を受けてきたんでしょうか?

broken haze:ビートという面でぼくを構築してきたのはやっぱりヒップホップだと思います。90年前後、ニュースクール期のヒップホップはリアルタイムで聴いていましたし。

―特に好きだったビートメーカーはいますか?

broken haze:GANGSTARRのDJ PREMIERの存在はぼくにとってとても大きいですね。太いキックと後頭部を叩かれるようなスネアが気持ちいいんです。あとはさっきも言ったDJ KRUSHですね。でもヒップホップだけではなくて、エレクトロニカとかバンドものとかも常に聴いていました。バンドのライブなども観に行くし、今回もジャムバンド「旅団」のギターリストtoshitaka mukaiyama氏にも参加してもらってますしね。

Page 1
  • 1
  • 2
次へ

リリース情報

broken haze
『raid system』

2008年4月25日発売
価格:2,520円(税込)
ISLOCD-005

1.intro-login-
2.raid system feat.xlii
3.core program~in-sect raid slasher mix~
4.fusion process feat.ORGA
5.maintenance
6.rebulld
7.counter attack feat. joga
8.slasher attacks feat.Richard devine
9.rebuild~machinedrum remix~
10.protect progrem feat.COM.A
11.secured place feat.toshitaka mukaiyama(ryoden)
12.reboot the engine
13.beautiful destruction -conflict remix-
14.against the wall
15.beautiful destruction
[DVD]
・AUDIOVISUALライブ映像 + CD未収録音源PV

プロフィール

broken haze

鋭利で攻撃的なビートと叙情的なメロディーを融合した「Electronica meets hip hop」型アーティスト。2005年ソロEP『phase.01』を発表。その後は、Insector laboの盟友chaosのアルバムへの参加やryukeへの楽曲提供、2006年にはテクノレーベルAsianDynasty RecordsからリリースしiTunes StoreではElectronic Chart 5位を記録するなど、「エレクトロニカ要素を取り入れた新しいテクノスタイル」と賞賛を得た。ライブ活動では、AUDIO ACTIVEのギタリストCut sighや、schematicやmerckからのリリースで知られるkiyoとのコラボレーションライブを行い、新たな世界を模索し続けている。 音楽レーベルInsector laboとraid systemを主宰し、Insector laboのニューカマーjogaとのユニット「mad smack」では、ヒップホップ的要素を全面に押し出した新たな試みも行う。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

斉藤和義“アレ”

ドラマ『家売るオンナの逆襲』の主題歌でもある斉藤和義48枚目のシングル“アレ”のMVが公開。冒頭から正方形の枠に収められた動画や画像が繋ぎ合わされていくこのMV、実は斉藤本人が撮影・編集・監修を務めたという。某SNSを彷彿とさせるたくさんの動画や画像がめまぐるしく変わる様に注目して「アレ」とは何かを考えながら観るのも良し、ひたすら猫に癒されるのも良しです。(高橋)

  1. OKAMOTO’Sが大人と少年の間で語る、28歳で迎えた10周年の心境 1

    OKAMOTO’Sが大人と少年の間で語る、28歳で迎えた10周年の心境

  2. 竹内結子主演、異色のリーガルドラマ『QUEEN』。監督は関和亮、音楽も注目 2

    竹内結子主演、異色のリーガルドラマ『QUEEN』。監督は関和亮、音楽も注目

  3. 『十二人の死にたい子どもたち』キャラ&場面写真に橋本環奈、新田真剣佑ら 3

    『十二人の死にたい子どもたち』キャラ&場面写真に橋本環奈、新田真剣佑ら

  4. 柴田聡子がジャコメッティら巨匠から活力をもらう展覧会レポ 4

    柴田聡子がジャコメッティら巨匠から活力をもらう展覧会レポ

  5. 『鈴木敏夫とジブリ展』4月から神田明神で開催、鈴木敏夫の「言葉」に注目 5

    『鈴木敏夫とジブリ展』4月から神田明神で開催、鈴木敏夫の「言葉」に注目

  6. 『乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展』開催間近、齋藤飛鳥らが訪問&感想 6

    『乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展』開催間近、齋藤飛鳥らが訪問&感想

  7. 石原さとみが後楽園堪能する東京メトロ新CM 曲はスキマスイッチと矢野まき 7

    石原さとみが後楽園堪能する東京メトロ新CM 曲はスキマスイッチと矢野まき

  8. Spangle call Lilli lineの美学 20年消費されなかった秘密を探る 8

    Spangle call Lilli lineの美学 20年消費されなかった秘密を探る

  9. back numberが深田恭子主演ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌 9

    back numberが深田恭子主演ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌

  10. 漫画本に囲まれる「眠れないホテル」MANGA ART HOTEL, TOKYOが2月開業 10

    漫画本に囲まれる「眠れないホテル」MANGA ART HOTEL, TOKYOが2月開業