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笑いと優しさを届けるアニメーション作家、松村麻郁

笑いと優しさを届けるアニメーション作家、松村麻郁

インタビュー・テキスト・写真
小林宏彰
川瀬いつか
2008/10/31

松村麻郁のアニメーションを見る体験とは、まずその色彩豊かな世界に魅惑されることである。オシャレさと猥雑さをうまくミックスさせた画面は、奇抜なようでいて、どこかノスタルジックで親しみの湧く雰囲気を感じさせる。それはまるで、私たちが住む世界の隣に存在する、おとぎの国に入り込んでしまったかのような体験だ。一風変わったキャラクターたちの魅力とあいまって、独自の世界観を作り上げるアニメーション作家、松村麻郁氏にインタビューした。

自分が作り出したキャラクターが、そこに本当にいると感じられる瞬間が楽しくて、アニメーション制作を続けられているのかもしれないですね。

―松村さんが、大阪芸術大学の映像学科に入ったきっかけは何だったんですか?

松村:漠然と物を作る仕事がしたいと思っていて、デザイン学科などを受けていたんですけど、落ちてしまいまして。大阪芸大の映像学科は、試験内容が6コマ漫画で、面白そうだな、と思って受けたら通ったんです(笑)。

入学してからは、CMを制作するコースに入りました。でも、模擬CMを作って学内で発表する授業内容は、なにか物足りなかったんですね。そんなとき、専攻でアニメーションの授業がありまして、魅力を知ったんです。それで、CMコースからアニメーションコースに移って、卒業制作で『egg』という作品を作りました。はじめ企画書を見せたら、担当の先生に「平凡」って言われ、カチンっときまして(笑)。「絶対ギャフンと言わせてやる!」といろいろ試行錯誤して作り上げたものなんです。

―作品を初めて人にみせた時、どんなことを言われましたか?

松村:完成した作品を先生にみてもらった時は、「よくやったね」って言ってもらいました。でも、その時は「やったぞ!」っていう達成感は全然なくて、「何でこんな駄作を作ったんだ」っていう思いでいっぱいでした。

―でも、その作品で見事に学長賞を受賞されたんですよね。

松村:はい。大阪芸大は実写映画のほうが勢いがある学校なので、アニメーションで学長賞を取ったのは私が初めてだったそうです。

―アニメーションを作っていて、一番楽しい瞬間は、どんなときですか?

松村:自分の作りだしたキャラクターたちが、動いた! と感じられる瞬間ですね。アニメーション作りを続けられているのも、単純に自分が考えたキャラクターが、そこに本当にいるように感じられる瞬間があるからです。制作中、キャラクターに向かって「がんばれ、走れ!」とか、「ポニョポニョしててかわいいやん~」なんて話しかけていることもあります(笑)。キャラクターを生かすために、アニメーションを作っている感じですね。私のアニメーションを見てくださった方に、面白いと言っていただければ、その楽しさは倍増します。そうした二段階の楽しさが、私を支えています。

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インフォメーション

NHK教育テレビ「シャキーン!」
クイズアニメーション『どっちがおおい?』放送中。

2009年1月より、ネット配信のアニメ連載『ポピエンヌ』がスタート。双方向アニメサイト - livedoor ネットアニメより配信予定。

プロフィール

松村麻郁

1979年大阪生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画製作を学ぶ中、アニメーション作りの面白さを知り、制作をスタート。2003年発表の『カッポロピッタ~まんまくいねい~』は国内外で各賞を受賞。2006年テレビシリーズ『魔法食堂チャラポンタン』をWOWOWにて放送&DVD化。黒を基調とした世界をポップな色で彩る作風で、料理の描写とキャラクターのもっちり感にはこだわりが満載。

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