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蒼井優×岩井俊二×軽部真一が語る『リリイ・シュシュのすべて』

蒼井優×岩井俊二×軽部真一が語る『リリイ・シュシュのすべて』

インタビュー・テキスト
久保正樹
撮影:小林宏彰

最新作『ヴァンパイア』はヘンな映画!?

軽部:蒼井優さんにとって『リリイ・シュシュのすべて』はどういう作品なんでしょうか?

蒼井:いい思い出であり、誇りですね。役者って、常に「何が良くて、何が良くないのか」なんていう葛藤をしながら仕事をしていると思うんですけど、そのスタートになったのがこの作品でした。

軽部:悩んだりすると思い出す、蒼井さんの原点となった作品なんですね。その蒼井優さんは、その後『花とアリス』、プロデュース作品の『虹の女神』と岩井作品に立て続けに出演されているわけですが、最新作『ヴァンパイア』にも出演されていますね。これはタイトル通り、吸血鬼が主人公となった映画なんでしょうか?

『ヴァンパイア』
『ヴァンパイア』©Vampire@2011Rockwell Eyes Inc All Right Reserved.

岩井:ちょっと違うんです。血を飲んだりするのが好きな吸血鬼のような男と、自殺を考えている女の子の話なんですが、すごくヘンな内容だよね。

蒼井:ヘンな内容ですね(笑)。

軽部:蒼井優さんはどういう役なんですか?

蒼井:主人公の「自称吸血鬼」は学校の先生なんですが、そこへ留学生として通っている女の子の役です。自分の居場所を見つけられなくて、でも誰かに頼りたいという女の子ですね。

『ヴァンパイア』
『ヴァンパイア』©Vampire@2011Rockwell Eyes Inc All Right Reserved

軽部:全編英語で撮られていますが、相当練習したんですか?

蒼井:そうなんです。でも、しっかり練習してからカナダに入ってみたら、留学生に見えないから「アイ・ワナ」じゃなくて「アイ・ウォント・トゥ」にしてくださいって指示されたり、結局あんまり練習した意味がなかったんです(笑)。

軽部:岩井監督の作品ですから、観客の感情に訴えかけるような、情感のあるストーリーなんでしょうか?

岩井:そうですね…相当ヘンで、登場人物はみんなピュアで、なんか憎めないところがありますね。自殺という、ちょっと重たいテーマが真ん中にありつつ、彼らにしか分からない信頼関係が築かれているような映画です。

『ヴァンパイア』
『ヴァンパイア』©Vampire@2011Rockwell Eyes Inc All Right Reserved.

軽部:個人的には、また『リリイ・シュシュのすべて』のような日本が舞台で、日本の俳優さんたちを起用した作品を撮っていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

岩井:ええ、考えていますよ。「日本で撮りたいなぁ」とは常に思っていますので、完成したらぜひご覧ください。

軽部:日本の風景をもっとも美しく撮られる監督だと思っているので、ぜひお待ちしたいと思います。そして蒼井優さん、ますます頑張ってくださいね。

蒼井:ありがとうございます。10年後も観ていただけるような作品を、これからも作っていきたいなと思っています。

蒼井優の魅力を「器用ではないけれど、いろんな個性を持っている女優」と評する岩井俊二監督。トークイベント後の取材では、「震災以降、今の日本を撮りたいという思いをさらに強めている。自分自身がさらに殻を脱ぎ、既製品ではないような作品を作らなければ、観客の期待に応えられない気がする」という頼もしい言葉を聴くことができた。

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番組情報

『日曜邦画劇場』500回記念スペシャル

2011年5月1日(日)『容疑者Xの献身』ゲスト:福山雅治
2011年5月8日(日)『リリイ・シュシュのすべて』ゲスト:岩井俊二監督、蒼井優
2011年5月15日(日)『シコふんじゃった。』ゲスト:周防正行監督、竹中直人
2011年5月22日(日)『愛を乞うひと』ゲスト:原田美枝子、野波麻帆、平山秀幸監督
2011年5月29日(日)『あ・うん』ゲスト:板東英二、降旗康男監督、木村大作撮影監督

プロフィール

蒼井優

1985年生まれ。福岡県出身。小学校時代よりモデル事務所に所属し、CMや広告に出演。映画デビュー作は岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』(2001)。援助交際を行う中学生・津田詩織を熱演した。2003年には『高校教師』で初の連続ドラマレギュラー出演。2006年、映画『フラガール』で第30回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。2010年には大河ドラマ『龍馬伝』の元役を務める。岩井監督作品には『花とアリス』(2004)に引き続き、『ヴァンパイア』にも出演。

岩井俊二

1963年生まれ。宮城県仙台市出身。1988年より、音楽ビデオとCATVの仕事からスタート。1993年、テレビドラマ『ifもしも~打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で日本映画監督協会新人賞を映画監督としてデビューする前に受賞。その後映画へ進出し、1995年に『Love Letter』、1996年には長篇第2作目として、架空都市『円都』(イェンタウン)を舞台にしたサクセスストーリー『スワロウテイル』を発表。2000年4月から7月にかけてインターネット上で、BBS(電子掲示板)のスタイルを使い、一般の人たちの対話の中から物語を展開していく異色のインターネット小説『リリイ・シュシュのすべて』を発表。2001年にはその小説を自ら映画化。そして2003年ショートフィルム『花とアリス』をインターネット上で発表し翌年には長編映画『花とアリス』を劇場公開した。最新作は、蒼井優主演の『ヴァンパイア』。

軽部真一

1962年生まれ。1985年、フジテレビ入社。1994年より朝の報道番組『めざましテレビ』にレギュラー出演している。また、同僚の笠井信輔アナウンサーとのコンビは「男おばさん」と呼ばれ、映画関連の仕事等を行う。日本映画専門チャンネルでは『日曜邦画劇場』の支配人を番組開始当初より務め、2011年5月に500回目の放送を迎えた。

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