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人の出会いで振り返る、浜野謙太の自伝的音楽人生

人の出会いで振り返る、浜野謙太の自伝的音楽人生

インタビュー・テキスト
松永良平
撮影:菱沼勇夫
2013/04/05

オーサカ=モノレールを聴いたときは衝撃的でした。JBを聴いたときに沸き立つものと同じものを感じたというか。

―なるほど。じゃあその流れで、本格的なリズム&ブルースとしてレイ・チャールズを聴いたわけですね。

浜野:高校の同級生だった、村上(Ba / 在日ファンク)に「これを見たら世界が変わるから」って言われて、みんなで映画の『ブルース・ブラザーズ』を見に行ったんです。そしたら本当にヤバかった(笑)。

―レイが出てきて演奏するのは楽器屋のシーンですよね。外を歩いてる人たちも踊り出す。

浜野:あの映画って「白人のおれらにもブラックミュージックが出来る」というメッセージがあるじゃないですか。だから、日本人の僕にも出来るはずと思うようになったんです。高校時代のバンドで“I've Got A Woman”は、やれば必ず盛り上がる鉄板曲っていう渋い旋風を巻き起こしていました(笑)。何を言ってるのかまったく分かんなかったけど、スウィング感とか最高なんですよ。

―次に選んで頂いてるジェームス・ブラウン“The Old Landmark”も、同じ『ブルース・ブラザーズ』からですね。これは教会のシーン。教会に入ったら、黒人のおばさんみたいな人がすごい声でゴスペルを歌ってて、それがJBなんですけど(笑)。

浜野:「光を見たかー?」「見たー!」って言って、バク転してガンガン盛り上がっていくっていうね(笑)。僕と村上のブラックミュージックのとらえ方って、結局ああいう感じなんですよ。この曲を埼玉の高校生が集まる催しで演奏指揮したことがあるんです。合唱がいて、ブラスバンドがいて、楽譜も僕が書きました。あれは超盛り上がりましたね。他校の吹奏楽部の頑固な先生からも「学生がここまでやるのはすごい」って感心されました。でもやっぱり吹奏楽部だからどこか変で、本物のソウルほどのグルーヴは出なかったんですけどね(笑)。

―次はKool & the Gangの“Chocolate Buttermilk”。ここで、在日ファンクに通じる本格派のファンクが出てきました。

浜野:高校を卒業してから、プータローでバイトやってた時期が1年あるんです。そのバイト先で出会った坂本さんって人がめちゃくちゃブラックミュージック好きで、色々教えてくれたんです。「オリジナル盤のレコードを見つけたら買っておいたほうがいいぞ」とか、「スチャダラパーよりもMUROを聴け!」って言ってました(笑)。

―坂本さんは幾つぐらいの人だったんですか?

浜野:当時で30歳過ぎくらいでした。ミックスMD作ってくれたり、家に泊めてもらったこともあるし、本当にお世話になりましたね。その坂本さんが教えてくれた曲の中に、このKool & the Gangがあって「ファンクにもこんなにエモーショナルな曲があるんだ!」って思ったんです。こういう感じの曲がやりたくて、在日ファンクの“京都”とか“城”を作ったんですけどね。

―Kool & the Gangが外国のファンクだとしたら、オーサカ=モノレール“What It Is...What It Was,Pt.1&2”は日本のファンクです。

浜野:この曲も多分、坂本さんからだったと思うんですよ。これを聴いたときは衝撃的でしたね。JBを聴いたときに沸き立つものと同じものを感じたというか。

―日本人でもこれだけ出来るんだと。

浜野:当時、友だちとライブを見に行ったときのことをよく覚えてます。その後、大学に入ってファンクバンドをやりたくて、岡上スカイライナーズっていうインストバンドをやったりしてましたね。

浜野謙太

在日ファンクの曲に歌詞を書いていても、行き着くところはシャンソンだなって思ったりします。

―なるほど。このあたりで和光大学に入学したんですね。いよいよSAKEROCKに参加する頃です。最初は星野源くん(Vo,Gt / SAKEROCK)にトロンボーンで頼まれたのを断って「司会ならいいよ」と言ったという(笑)。

浜野:そうでした(笑)。でも、SAKEROCKに入って、結局トロンボーン吹くことになって。ルイ・プリマの“Body And Soul”は、(田中)馨くん(Ba / 元SAKEROCK)に教えてもらったんですよ。「これ、ハマケン好きなんじゃない?」って。

―そうなんですか!

浜野:この曲はトロンボーンのパートがすごくて何回も練習しました。最初はとてもゆっくりなんですけど、後半すごくテンポアップするんですよ。このおかげでトロンボーンも上達したと思います。

―越路吹雪“ラストダンスは私に”は、シャンソンです。

浜野:SAKEROCKを始めた頃は、渋谷にあった「青い部屋」というシャンソンバーでよくライブしてたんです。

―「青い部屋」に出ていた2002年頃は、苦労の連続だったんですよね。

浜野:そうなんですよ(笑)。僕、学校では人気者で、人前で何か言えばみんなウケてたし、「青い部屋」でも同じようにウケると思ってたんですよ。司会を頼まれて、オーナーの戸川昌子さんと共演することになったときにも「僕がリードするんでついて来てください!」とか言って(笑)。そしたら、まったくウケなかったうえに、戸川さんがしゃべったらもうバカウケで。戸川さんにも「あんた! あたしをリードするって言ったじゃないの!」って怒られて(笑)。見に来ていた友だちからも「童貞を奪われた中学生みたいだったね」って言われました(笑)。

浜野謙太

―完全に食われちゃった(笑)。

浜野:でも、そのとき見に来ていたある音楽ライターの方が「ハマケンは童貞を奪われた中学生みたいに見えたが、そのあとSAKEROCKは演奏で熟女を押し倒す中学生になった」って書いてくれて、すごく嬉しかったですね(笑)。そういうわけで、その頃はシャンソンにトラウマがあったんですが、今聴くと、シャンソンって素晴らしいなって思いますね。むしろシャンソンに育てられたんだなって。最近、在日ファンクの曲に歌詞を書いていても、行き着くところはシャンソンだなって思ったりします。

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製品情報

音楽で話そう「ATTACCA」

iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、iPod touch (第5世代)、およびiPadに対応。iOS5.0以降が必要。iPhone5用に最適化済み
料金:無料
販売元:Recruit Holdings Co.,Ltd.

インタビューでご紹介した、以下のプレイリストを『ATTACCA』で試聴することが出来ます。また2013年4月12日より浜野謙太さんから読者に伝えたいボーナストラック5曲が追加されます。

浜野謙太 プレイリスト

1. The Sidewinder / Quincy Jones and His Orchestra
2. Change the World / エリック・クラプトン
3. I've Got A Woman / レイ・チャールズ
4. The Old Landmark (with Rev. James Cleveland Choir)/ ジェームズ・ブラウン
5. Chocolate Buttermilk / クール & ザ・ギャング
6. What It Is...What It Was,Pt.1&2 / オーサカ=モノレール
7. Body And Soul / ルイ・プリマ
8. ラストダンスは私に / 越路吹雪
9. You're Mine You / ベニー・グリーン
10. Directions [Thursday Miles] / マイルス・デイヴィス
11. Everybody's Twistin' / フランク・シナトラ
12. Egbe Mi O (Carry Me I Want To Die) / フェラ・クティ
13. いい時間 / EVISBEATS

リリース情報

在日ファンク
『はじめての在日ファンクアワー Live in SHIBUYA』(CD+DVD)

2013年5月2日発売
価格:3,000円(税込)
PCD-18737/8

『在日ファンクpresents「宇宙大決戦」FINALツアー』

2013年5月17日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:広島県 広島 CLUB QUATTRO
出演:
在日ファンク
eastern youth

2013年6月29日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24
出演:
在日ファンク
ペトロールズ

2013年7月15日(月・祝)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:岡山県 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
出演:
在日ファンク
ペトロールズ

2013年7月21日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 渋谷 O-EAST
出演:
在日ファンク
ペトロールズ

料金:各公演 前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

プロフィール

浜野謙太

ミュージシャンとしてSAKEROCK、在日ファンク、Newdayという3つのバンドに在籍し、俳優、タレントとしても多忙を極めるハマケンこと浜野謙太の音楽人生は、まさにそんな人との出会いから音楽を知る体験の連続だった。今回、SNSを通じて、色々な人たちのお気に入りの音楽を試聴することが出来るiPhoneアプリ「ATTACCA」を使って、ハマケンがリストにしてくれたのは「人から教えてもらった、お気に入りの音楽」。それは、ハマケンがハマケンでいられる理由を作ってくれた様々な人たちとの出会いと、渋くて明くて笑える魅力に満ちた素敵な音楽の数々だった。ハマケンのこれまでをたどることの出来る自伝ともいえる曲リストを元に、お話をおうかがいした。

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