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ティム・バートンを名監督にした音楽家ダニー・エルフマンの功績

ティム・バートンを名監督にした音楽家ダニー・エルフマンの功績

インタビュー・テキスト
伊藤なつみ
撮影:豊島望, 取材協力:HANG OUT

エルフマンは、歌も歌えて、曲も書けて、オーケストレーションもできて……なんかもう憧れでしかないです。立ち姿とか、眼鏡が似合って美しいし……(笑)。

―コトリさんが聴いて、これはエルフマンの音楽だとわかる特徴はありますか?

コトリンゴ:怪しげで、ユーモアがあって、すごくキャッチーで、ブンチャッ、ブンチャッ、ブンチャッていう感じも出てくると、絶対そう(笑)。しかもすごくキレイなメロディーできゅんとさせる場面もあって。テーマ曲はすごくワクワクさせてくれるのに、いきなりジャズの方向にいったり、予想外な展開になると、エルフマンらしくてニヤッとしてしまいますね(笑)。

コトリンゴ

―わけわからなくなるとダニー・エルフマン?(笑)

コトリンゴ:楽曲が個性的ですよね。オーケストラなのに、とってもポップだったりするし。「これなんの音なんだろう?」という特徴的な音もたくさん使っていると思います。あとはメロディー楽器にサックスを使うのも特徴的かもしれません。クラシック寄りのオーケストラだと、あまりサックスは使わないんです。

―バートンの「ダークだけど笑える」といった作風は、エルフマンの音楽のフレーズにも表れているのでしょうか? 書くメロディーに特徴がありますか?

コトリンゴ:特徴的だと思います。バークリー音楽院(ボストンにある名門音楽大学。コトリンゴは、ジャズ作・編曲 / ピアノパフォーマンス科を卒業)で「リディアンスケール」というのを先生が教えてくれたときに、例として『ザ・シンプソンズ』のテーマ曲(エルフマン作)を演奏してくれたんですね。そのときに「あ!」と思って。スケールの4番目の音が#になることで世界がふわぁ~って広がる感じなんですけど、気をつけて聴いてみるとエルフマンの曲にはリディアンスケールが結構あることがわかって。

―エルフマンが作る音楽が特徴的である、ということ以外に、コトリさんはどういった部分にエルフマンの魅力を感じるのでしょう?

コトリンゴ:まず、映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で、主人公ジャックの歌を全部エルフマンが歌っていると知ったときは、衝撃でした。すごく歌も上手いし、役になりきって歌ってて。その後で知ったのですが、エルフマンは、Oingo Boingoというバンドで自らボーカルを務めていて、シンガーとしても素晴らしくて、歌う姿もイケメンなんですよね。いろいろ調べてみると、オーケストレーションを独学したと書いてあって、しかもポップロックなバンドでメロディーを書けるから、それが映画音楽に反映されているのかしらと。知れば知るほど見えてくる部分があって、クラシックばりばりの人ではなかったということにもすごく納得ましたね。歌も歌えて、曲も書けて、オーケストレーションもできて……なんかもう憧れでしかないですよね(笑)。彼が歌っている映像を初めて見たときは、立ち姿とか、眼鏡が似合って美しいところとか、なんか……(笑)。

―恋に落ちた?(笑)

コトリンゴ:いえ(笑)。でも話している姿とか見たら、すごく優しそうな感じで。彼がブリジット・フォンダ(アメリカの女優。代表的な主演映画『アイアン・メイズ / ピッツバーグの幻想』)と、しかも50歳で結婚しているのにはビックリしました。バートンに負けないように、自分も女優さんと結婚したのかなぁ(笑)。それまでどんなプレイボーイっぷりを発揮してたんだろう、とか勝手に想像して(笑)。

ダニー・エルフマン Photo:Jimmy Ienner, Jr.
ダニー・エルフマン Photo:Jimmy Ienner, Jr.

私のアルバム『ツバメ・ノヴェレッテ』の1曲目は、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を見たあと、ダニー・エルフマンに捧げて作った曲なんです。

―ダニー・エルフマン&ティム・バートンがコラボした作品のなかから、最も好きな作品をあげてもらえますか。

コトリンゴ:まず私が『ツバメ・ノヴェレッテ』(2013年)というアルバムを作る前に初めて見て、すごく感動してしまった『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1994年)。これはですね(CDを手に、いきなり目が輝く)、あまりによくてビックリしちゃって(笑)。

コトリンゴ

―とても好きなのが表情からわかります(笑)。

コトリンゴ:音楽がミュージカルっぽいので曲がノンストップでいくんですけど、オーケストラのワクワク感のあるテーマ曲から始まって、そこからジャジーな方向にもいき、それがエルフマンらしい予想のつかない展開で。曲の切れ目とかもあまり感じられないくらいスムーズな流れで、見事に音楽とストーリーが合って引き込まれ続けるんです。ちょうど自分のアルバムをどうしようと悩んでいた時期だったので、ヒントももらったりして。『ツバメ・ノヴェレッテ』の1曲目“Preamble”は、エルフマンに捧げた曲なんです。バートンとエルフマンが作る、なんとなく17世紀後半のような中世の雰囲気を出してみました。

―他には?

コトリンゴ:最初に見た『シザーハンズ』。あとは、『アリス・イン・ワンダーランド』。『アリス・イン・ワンダーランド』は映像の世界観もすごく好き。バートンの奥さん(事実婚)がヘレナ・ボナム=カーターで、よくバートンの作品に出演しているんですけど、ここでも赤の女王を怪演しているのが印象的で。普段の写真を見るととても綺麗なんだけど、あんな強烈なキャラクターを演じられるのは、奥さんだからできるのか、女優としての意識の高さがあるからできるのか……。

―『アリス・イン・ワンダーランド』で、最も印象に残っている音楽はありますか?

コトリンゴ:私はテーマ曲が一番ですね。エルフマンの曲って、コーラスがいっぱい入るところが少し教会音楽っぽくもあって、なんか神々しい感じがして好きなんですけど、最初のテーマのストリングスの「テレレ、テレレ、テレレ、テレレ」って、歌がどんどん入っていくところが特に好きです。


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イベント情報

『ティム・バートン&ダニー・エルフマン 映画音楽コンサート』

2014年8月9日(土)OPEN 17:30 / START 18:30
2014年8月10日(日)OPEN 12:00 / START 13:00
会場:東京都 有楽町 東京国際フォーラム ホールA
作曲・歌:ダニー・エルフマン
指揮:ジョン・マウチェリ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
コーラス:洗足フレッシュマン・シンガーズ
料金:
S席9,800円 A席7,800円 B席5,800円
※A席とB席は売り切れ
※3歳以下のお子様はご入場できません、お一人様1枚チケットが必要です。
※車椅子をご利用のお客様は、S席をお買い求め頂き、キョードー東京までお電話にてお問合せ下さい。
※プログラム、出演者は変更になる場合もございます

  • ティム・バートン&ダニー・エルフマン映画音楽コンサート
  • 『コトリの巣めぐりツアー2014』

    2014年7月26日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
    会場:島根県 松江 清光院下のギャラリー
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    2014年7月27日(日)START 15:00
    会場:鳥取県 わらべ館いべんとほーる
    料金:料金:大人500円(入館料)
    ※高校生以下無料

    2014年8月2日(土)OPEN 9:00 / START 19:30
    会場:香川県 小豆島 ベイリゾートホテル小豆島
    料金:前売2,000円 当日2,500円 宿泊客1,000円

    2014年8月3日(日)OPEN 19:00 / START 20:00
    会場:香川県 高松 umie
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    2014年8月4日(月)OPEN 18:30 / START 19:30
    会場:愛媛県 新居浜 アンデルセンホール
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    2014年8月6日(水)OPEN 19:00 / START 19:30
    会場:愛知県 名古屋 K.D Japon
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    2014年8月23日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
    会場:宮城県 仙台 SENDAI KOFFEE CO.
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    2014年8月24日(日)OPEN 16:30 / START 17:00
    会場:福島県 いわき burrows
    料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

    『コトリの巣めぐりツアー2014 Band set ver.』

    2014年8月31日(日)OPEN 17:30 / START 18:30
    会場:東京都 青山 CAY
    出演:コトリンゴ with 村田シゲ・神谷洵平
    ゲスト:良原リエ(トイ楽器)
    料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

    リリース情報

    コトリンゴ<br>
『birdcore!』(CD+DVD)
    コトリンゴ
    『birdcore!』(CD+DVD)

    2014年4月30日(水)発売
    価格:3,672円(税込)
    RZCM-59575/B

    [CD]
    1. 種まき
    2. terrarium
    3. ツバメ号
    4. 誰か私を
    5. 白い鳥
    6. 読み合うふたり
    7. 絵描きと雲雀
    8. ballooning
    9. o by the by
    10. あたま、こころ
    11. moon's a balloon
    [DVD]
    ・“誰か私を”PV

    コトリンゴ<br>
『birdcore!』(CD)
    コトリンゴ
    『birdcore!』(CD)

    2014年4月30日(水)発売
    価格:3,240円(税込)
    RZCM-59576

    1. 種まき
    2. terrarium
    3. ツバメ号
    4. 誰か私を
    5. 白い鳥
    6. 読み合うふたり
    7. 絵描きと雲雀
    8. ballooning
    9. o by the by
    10. あたま、こころ
    11. moon's a balloon

    プロフィール

    {コトリンゴ

    1978年生まれ。5歳よりピアノを始め、7歳で初めての作曲をする。1999年、神戸の甲陽音楽院を卒業後、ボストンのバークリー音楽院に留学。ジャズ作・編曲 / ピアノパフォーマンス科専攻。在学中には教会でのクワイヤのレギュラーピアニストや、バークリーのボイス科のピアノ伴奏の仕事も務めながら、数々の賞を受賞。2006年『こんにちは またあした』でデビュー。2010年にアニメーション映画『くまのがっこう~ジャッキーとケイティ』、2012年には、映画『新しい靴を買わなくちゃ』の音楽を、坂本龍一と共に手がける。最新アルバム『birdcore!』には、ドラマ『明日、ママがいない』の主題歌“誰か私を“を収録。卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描きだす女性シンガー・ソングライターとして各方面から注目を浴びている。

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