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この時代が生んだ「かけがえのない」音楽の形 fhánaインタビュー

この時代が生んだ「かけがえのない」音楽の形 fhánaインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2015/02/04

アニメって90秒の中で印象に残るものを出さないとなので、ある種わざとらしくしたり、派手にすることも必要で、歌い方はかなり変わったと思います。(towana)

―では、楽曲についても訊かせてください。最初に話の出た“Outside of Melancholy~”は、どのように生まれた曲なのでしょうか?

佐藤:今までのfhánaの曲って、アニメのタイアップが前提になっていることが多かったので、90秒っていう限られた時間の中に、コード進行とか展開をぎゅっと詰め込む必要があったんです。それに対して“Outside of Melancholy~”はアルバムの表題曲で、何の制約もなかったので、シンプルでエモーショナルな曲にしたいと思いました。

yuxuki:シンプルとは言いつつ、佐藤さんの曲ってリズムが難しいんですよ(笑)。ハッキリとは跳ねないんだけど、跳ねてるっていうか。

佐藤:ルーツに小沢健二とかがあるんで、ソウルっぽい跳ね感がありつつ、でも曲調はいろんなポップスとかロックが混ざってて、それで難しいのかもしれない(笑)。

―towanaさんはボーカリストとして、リズムの難しさって感じてました?

towana(Vo):……何も考えたことなかった(笑)。何かリズムの話ってしましたっけ?

佐藤:歌のニュアンスの話はしたけど、リズムが違うなって思ったことはないかも。towanaはリズム感がすごくいいんですよ。fhánaで最初に作った自主制作盤には何人かのゲストボーカルが参加してたんですけど、ライブをやったときに、リズムの面でtowanaが一番しっくり来たのは覚えてますね。

―実際、towanaさんはそこからメンバーになって、佐藤さんの要求に応えつつ、ここまでやってきたのかと思うのですが、ご自身ではこの間の変化をどう捉えていますか?

towana:やっぱり、アニメっていうのは90秒の中で印象に残るものを出さないとなので、ある種わざとらしくしたり、派手にすることも必要で、歌い方はかなり変わったと思います。佐藤さんの要求に対しては、「どうしたらいいんだろう?」って思うことも多かったんですけど、今は「ここはこうしてほしいんだろうな」っていうのが、わかるようになってきた気がしますね。

towana
towana

―引き出しが増えたんですね。kevinくんに関しては、以前は「飛び道具的な立ち位置」みたいな話があったかと思うんですけど、そこに関して変化はありますか?

kevin:僕はサンプリングを多用するんですけど、fhánaの曲ってコードが難しくて、サンプリングの素材を曲に合わせるのにかなり苦戦してたんです。でも、だんだんやり方がわかってきて、今は違和感のないフレーズが作れるようになってきたと思いますね。

佐藤:kevinくんにしか出せないサウンドの質感っていうのがあって、それがちょこっと入ると、それだけでfhánaの大きな特徴になるので、すごい重要なんですよ。

towana:ちょこっとで特徴になるって、美味しいよね(笑)。

バンドシーンとアニソンシーンの間には少なくとも何らかの溝があって、その溝の向こう側の人にも伝わり、繋げられる音楽が出来たらいいな、と思って。(yuxuki)

―前回のシングルのときの取材では、あえて「アニソン」にテーマを絞って話していただきましたが、今の日本の音楽シーン全体を見渡した上で、fhánaの立ち位置っていうのをどのように考えていますか?

yuxuki:fhánaみたいなことをやってる人は、あんまりいないんじゃないかと思いますね。例えば、踊らせることに特化した4つ打ちダンスロックも、しっとりと聴かせる歌ものもそれぞれいい所があると思うんですけど、fhánaの曲はもっとハイブリッドで、どんな楽曲の要素も自然と入れることが出来て、最終的にどのジャンルともはっきり定義出来ない仕上がりになるんです。例えば、“Outside of Melancholy~”だったら、4つ打ちでダンサブルだけど、鼻歌で歌っても気持ちいいし、そういうのがいいなって思うんですよね。

―yuxukiくん作曲の“Paradise Chronicle”も、シンセベースが印象的ではあるんだけど、出てくるのは部分的で、もっといろんな要素が詰まってますよね。

yuxuki:僕は洋楽のインディーロックが大好きで、よくギターの人が曲中でシンセ弾いたりするじゃないですか? あれを意識してて、シンベが鳴ってるところでは、ギターは一切鳴ってないんですよ。

yuxuki
yuxuki

―あくまで、ギターの人が弾くシンベなんだ(笑)。

yuxuki:だから、あんまり難しいこともしてないっていう(笑)。

佐藤:このアルバムはアニソンファンの人にももちろん聴いてほしいし、普段アニソンとかを聴かない人にもぜひ聴いてもらいたいですね。今『COUNTDOWN JAPAN』とかにアニソンの人がちょこっと出たり、クロスオーバーが始まってるとは思うんですけど、でもまだまだ畑は分かれていて、客層も全然違うので、そこは混ぜていきたいですね。いろんな畑、島宇宙が混ざっていく、その中間地点にいれたらいいなって。

―前回の取材で「ハブ」の話がありましたけど、まさにfhánaは音楽シーン全体で見てもハブになれる存在だと思っていて。ここ何年かはシティポップブームで、若い人にも渋谷系好きが増える中、例えば、ceroが好きとか、tofubeatsが好きとか、そういう人にも届く要素を間違いなく持ってると思うんですよね。

yuxuki:例えば、自分と同じボカロシーンから出てきた、大好きなヒトリエのwowakaさんも、今は僕らとは別のバンドシーンで活動していて。お互いのシーンの間には少なくとも何らかの溝があって、それは実はごく浅いかもしれないし、想像以上に深いかもしれないんですけど、その溝の向こう側の人にも伝わり、繋げられる音楽が出来たらいいな、とは思います。

―fhánaとヒトリエがライブ一緒にやったりしたら面白いよね。

towana:やりたい!

yuxuki:「やりたいよね」って、もう3年ぐらい話してるんで……そろそろやんないとですね(笑)。

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リリース情報

fhána『Outside of Melancholy』初回限定盤(CD+Blu-ray)
fhána
『Outside of Melancholy』初回限定盤(CD+Blu-ray)

2015年2月4日(水)発売
価格:3,888円(税込)
LACA-35473

[CD]
1. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~
2. tiny lamp
3. divine intervention
4. lyrical sentence
5. スウィンギングシティ
6. はじまりのサヨウナラ
7. いつかの、いくつかのきみとのせかい
8. Paradise Chronicle
9. ARE YOU SLEEPING?
10. ケセラセラ
11. innocent field
12. 君という特異点 [singular you]
13. 星屑のインターリュード
14. white light
[Blu-ray]
1. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~(Music Video)
2. 星屑のインターリュード(Music Video)
3. いつかの、いくつかのきみとのせかい(Music Video)
4. divine intervention(Music Video)
5. tiny lamp(Music Video)
6. ケセラセラ(Music Video)
7. tiny lamp(2014.9.23 深窓音楽演奏会 at Shinjuku BLAZE)
8. 星屑のインターリュード(2014.9.23 深窓音楽演奏会 at Shinjuku BLAZE)
9. kotonoha breakdown(2014.9.23 深窓音楽演奏会 at Shinjuku BLAZE)

fhána『Outside of Melancholy』通常盤(CD)
fhána
『Outside of Melancholy』通常盤(CD)

2015年2月4日(水)発売
価格:3,240円(税込)
LACA-15473

1. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~
2. tiny lamp
3. divine intervention
4. lyrical sentence
5. スウィンギングシティ
6. はじまりのサヨウナラ
7. いつかの、いくつかのきみとのせかい
8. Paradise Chronicle
9. ARE YOU SLEEPING?
10. ケセラセラ
11. innocent field
12. 君という特異点 [singular you]
13. 星屑のインターリュード
14. white light

イベント情報

1stアルバム発売記念ライブ
『Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~』

2015年3月1日 (日) OPEN 16:30 / START 17:00
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
料金:5,500円

fhána Live Tour 2015
『Outside of Melancholy Show 2015』

2015年5月17日(日)
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHAGE

2015年5月23日(土)
会場:大阪府 OSAKA MUSE

2015年5月24日(日)
会場:京都府 京都 METRO

プロフィール

fhána(ふぁな)

“FLEET”としてYouTubeやMySpace時代到来前よりインターネットを拠点に楽曲を発表、メジャーからも音源をリリースしてきた佐藤純一、クリエイティブサークル”s10rw”を立ち上げ、ニコニコ動画ではVOCALOIDをメインボーカルに据えて楽曲を発表しているyuxuki waga、そしてネットレーベルシーンから登場したエレクトロニカユニット”Leggysalad”のkevin mitsunagaという、サウンド・プロデューサー3名で結成。2012年秋には、ゲスト・ボーカルだったtowanaが正式メンバーとして加入し、4人体制へ。2013年夏、TVアニメ「有頂天家族」のED主題歌『ケセラセラ』でメジャーデビュー。2014年11月5日にTVアニメ『天体のメソッド』ED主題歌『星屑のインターリュード』をリリース。

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