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スカート×tofubeats 異なる機材でそれぞれが極める「ポップス」

スカート×tofubeats 異なる機材でそれぞれが極める「ポップス」

スカート『トワイライト』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:西田香織 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

やっぱりポップスの中枢にいるやつらは狂ってるなぁって思います。(tofubeats)

―おそらく膨大な音楽を聴いてきて、そのなかにはポップス以外のものもあったと思うんですけど、ご自身の表現として「ポップス」を選んだのはなぜでしょう。以前、澤部さんは「ロックが嫌いだったからポップスを作り始めた」っておっしゃっていましたよね?

tofubeats:なんですかそれ、めっちゃいい話じゃないですか。

澤部:(笑)。ロックが嫌いになっちゃったんですよ。中学生のときに吹奏楽部に入ったんですけどロックがやりたくなったので辞めたんです。なのに、高校に入って一緒にバンドやってた人たちはいい人たちだったんですけど、その付き合いで知り合った人たちの振る舞いを見ていて、「ロックってかっこ悪いな」と思っちゃったんですよ。

たとえば「この学校にはロクなセンコーいねえぜ」みたいな、わかりやすい形でロックを身にまとっていたんですけど、僕は仲のいい先生がたくさんいたし「そ、そうですか?」ってなっちゃって。

tofubeats:わかります。関西にいるとより強く感じていました。自分がロックにだけ妙に深く入り込めなかったのは、そういう違和感のせいかもしれない。「型にはまったことしかしていない」という意味では、ヒップホップ界隈にもそういう人はいますけどね。

なんていうか、概念から飛び出ることがヒップホップだったはずなのに、収まり具合が半端ない。同じような格好して同じようなことをやっているのが、めちゃめちゃかっこ悪いと思ったときにポップスを聴いて、「これは誰にでもできることじゃない」と思ったんです。「ポップスなんてクソだ」と言っているラッパーやロックの人たちより、ポップスを極める方がずっとかっこいいと思ったからこそ、僕はポップスへ向かいました。

左から:澤部渡、tofubeats

澤部:フォーマットに無理やり押し込まれてしまうロックより、ポップスの方が過激ですよね。「ロック」という言葉を使わなくても過激な表現はいくらでもできる。ロックで過激だと、「過激」という箱のなかでやっているような感じになってしまうけど。

tofubeats:そうそうそうそう! めっちゃそれですわ(笑)。

澤部:ポップの過激さはそれと違うんですよね。

tofubeats:人と違ったことをやっていて共存できるのが音楽のよさなのに、フォーマットにのまれてそのなかだけでやっててどないすんねん! みたいなことは思いますね。それで言ったら森高千里さんの方が、そこらのロックミュージシャンより尖っていますからね。澤部さんもそう。やっぱりポップスの中枢にいるやつらは狂ってるなぁって思います。

ふと「メロディーが思いつくってヤバくないか?」って思い直すことがたまにあります。(tofubeats)

左から:tofubeats、澤部渡

―そういえばトーフさん、最近ついに東京に引っ越したそうですね。

tofubeats:そうなんです。東京に部屋を借りて、事務所を立ち上げました。環境が変わったら音楽も変わるかなと思ったら、意外とそんなことはないですね(笑)。まあ、これまでも引っ越してなにか音楽が変わってきたか? というとそんなこともなかったしなあ。

澤部:僕も実家を出るとき、このぬくぬくした環境がなくなって、作る曲が変わってしまったらどうしようってちょっと心配だったんですけど、全然変わらなかった(笑)。

―それよりも、機材や楽器が増えたり変わったりした方が、音楽に影響を与えるかもしれないですよね。

澤部:それはある。今回、新しいアコギを買ったんですよ。それで気分がよくなって、軽快な曲ができましたから(笑)。

tofubeats:間違いなくそうですね。僕、アルバムが1枚できたら機材を少し入れ替えるんですよ。軸にするシンセの音色を変えるとか。じゃないと、ときどき飽きないですか?

澤部:飽きるというか、「どうやってたっけ?」って思うときはある。昔の曲を聴き直して「あれ、これってどうやって作ったっけ」って思うこともあるし。

澤部渡

tofubeats:わかります。曲ってどうやってできていくのか、いまだによくわからないですよね(笑)。いつもなんとなく作っていますけど、ふと「メロディーが思いつくってヤバくないか?」って思い直すことがたまにありますもん。

あと、「スランプってないですか?」ともよく聞かれますけど、曲を作っているときって「できた!」って思うのはほんの一瞬で。それ以外の時間は「曲ができていない」状態なんですよ、そもそも。だからこうやって話している最中もある意味ずっとスランプなんです。

澤部:あははは。

tofubeats:ときどき「なんでこんなことやってるんだろう?」と思うときもありますね。このレールに乗っちゃうと、俺は一生「曲ができてないな」って思いながら生きていくのか……って。

澤部:つら!(笑)

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リリース情報

スカート『トワイライト』初回限定盤
スカート
『トワイライト』初回限定盤(2CD)

2019年6月19日(水)発売
価格:3,456円(税込)
PCCA.04799

[CD] 1. あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)
2.ずっとつづく
3. 君がいるなら
4. 沈黙
5. 遠い春
6. 高田馬場で乗り換えて
7. ハローと言いたい
8. それぞれの悪路
9. 花束にかえて
10. トワイライト
11. 四月のばらの歌のこと

[CD2]
初回限定盤 弾き語り
『トワイライトひとりぼっち』
1. あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)
2. ずっとつづく
3. 君がいるなら
4. 沈黙
5. 遠い春
6. 高田馬場で乗り換えて
7. ハローと言いたい
8. それぞれの悪路
9. 花束にかえて
10. トワイライト
11. 四月のばらの歌のこと

スカート『トワイライト』通常盤
スカート
『トワイライト』通常盤(CD)

2019年6月19日(水)発売
価格:2,808円(税込)
PCCA.04800

1. あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)
2.ずっとつづく
3. 君がいるなら
4. 沈黙
5. 遠い春
6. 高田馬場で乗り換えて
7. ハローと言いたい
8. それぞれの悪路
9. 花束にかえて
10. トワイライト
11. 四月のばらの歌のこと

tofubeats『Keep on Lovin’ You』
tofubeats
『Keep on Lovin’ You』

2019年5月24日(金)配信

プロフィール

スカート
スカート

どこか影を持ちながらも清涼感のあるソングライティングとバンドアンサンブルで職業・性別・年齢を問わず評判を集める不健康ポップバンド。2017年10月に発表したアルバム『20/20』でメジャーデビュー。そのライティングセンスからこれまで多くの楽曲提供、劇伴制作に携わる。近年では藤井隆のアルバム『light showers』(2017年)に「踊りたい」、映画「PARKS パークス」(2017年)には挿入歌を提供。「山田孝之のカンヌ映画祭」(2017年)ではエンディング曲と劇伴を担当している。2018年に入っても映画「恋は雨上がりのように」の劇中音楽に参加。また、スピッツや鈴木慶一のレコーディングに参加するなどマルチに活動している。

tofubeats
tofubeats(とーふびーつ)

1990年生まれ、神戸在住。在学中からインターネット上で活動を行い、2013年にスマッシュヒットした“水星 feat.オノマトペ大臣”を収録したアルバム『lost decade』を自主制作で発売。同年『Don't Stop The Music』でメジャーデビュー。森高千里、藤井隆、DreamAmi等をゲストに迎えて楽曲を制作し、以降、アルバム『First Album』(14年)、『POSITIVE』(15年)、『FANTASY CLUB』(17年)をリリース。2018年10月に4thアルバム『RUN』をリリースした。SMAP、平井堅、Crystal Kayのリミックスやゆずのサウンドプロデュースのほか、BGM制作、CM音楽等のクライアントワークや数誌でのコラム連載等、活動は多岐にわたる。

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