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中島愛、楽曲に導き出された本当の自分らしさ 尾崎雄貴と語る

中島愛、楽曲に導き出された本当の自分らしさ 尾崎雄貴と語る

中島愛『green diary』
インタビュー・テキスト
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編集:宮原朋之(CINRA.NET編集部)

来てくれる人たちの熱気がすべて削がれた状態での音楽は、どういう意味を持つんだろう。(中島)

―2020年のコロナ禍で、お2人とも本作の制作を含めて各々活動されてきたと思います。リスナーとしても作り手としても音楽への関わり方が変わったのではないかと思うのですが、いかがですか。

中島:いままでは1980年代に特化して掘ったり聴いたりしていましたが、邦楽に関しては1970年代のものをたくさん聴くようになりました。1980年代って、どんどん時代の色がポップを超えて蛍光色みたいになっていく感じが好きだったんですけど、1970年代の邦楽の、もうちょっと削ぎ落とされたシンプルな良さに立ち返ったり。

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中島:それとは別に、最近は海外のチャートのトップに入っているものを「全部聴くんだ!」みたいな気持ちでリサーチするのを心がけてます。中学生までは新星堂に通い詰めて、全部の試聴機をまわってたんです。でも、だんだん自分がいいと思うものばかりをくりかえし聴くようになってしまっていて。

―ある種、自分の嗜好のリフレッシュというか、そういったタイミングになったと。

尾崎:僕自身も僕らのバンドも含めて、楽曲を書いたりスタジオでこねたりすることのほうが向いているタイプのミュージシャンだったので、2020年はそこに集中していました。そういう意味では、テイラー・スウィフトが出した『forklore』と、そのすぐ後の『evermore』にかなり勇気づけられました。

テイラー・スウィフト『folklore』を聴く(Apple Musicはこちら) / 関連記事:テイラー・スウィフトと因縁のインディロック 田中宗一郎らが語る

尾崎:オーバープロデュース感もないし、世界的に主流のヒップホップやR&Bのアプローチに対して、自分自身をそこから切り離すような、彼女自身の根っこにあるソングライティングのパワーを、すばらしい制作チームで作っている。実は、制作に関わっているThe Nationalやジャスティン・バーノン(Bon Iver)をずっと追いかけていたので、なにかすごくデカいプロジェクトをやっているっぽいなっていうのは感づいていて。

それがテイラーの作品だとわかったときには、「なんて素晴らしいつながりなんだ!」と思いました。アメリカの音楽シーンには「まだ」夢と希望があるな、と(笑)。

テイラー・スウィフト『evermore』を聴く(Apple Musicはこちら

―BBHFでは2020年夏にアルバム『BBHF1 -南下する青年-』もリリースされました(関連記事:BBHF尾崎雄貴の幸せだけど幸せじゃない今。それでも人生は続く)。コロナ禍で、制作するプロセスはどのように変化しましたか。

尾崎:人前に立って自分の声を直接振動として伝える場がないことが、楽曲を書くことにもすごく影響していて。「人に実際に伝える」という、制作の「その先」が想像できるからこそ作れていた部分もあって、そこがいまは見えない。

僕自身、まだもがいている途中ですし、他のたくさんのミュージシャンも同じだと思います。この慣れていない状況で、伝える先がどこにあるのかを探しているんじゃないかな。

―中島さんも歌い手として、こうした状況に感じることがあるんじゃないかと思います。

中島:ステイホームが始まった昨年の4月から5月くらいのときに、私は正直、結構落ち込んでしまって。そんななかで、6月5日に誕生日を迎えるタイミングがきて、初めてのオンラインライブを企画して。それから何度か、配信ライブを収録と生配信含めてやってきました。

「オンラインでできるだけありがたい……」っていうのが正直な気持ちです。手応えはあるようでなくて、まだ模索中です。

会場に行くまでのワクワク感とか、その直前までの日常であったこととか、個人的な感情を抱えて来てくれる人たちの熱気含めてのライブだったのに、そういうものがすべて削がれた状態での音楽というものがどういう意味を持つんだろう、と。

尾崎:僕らは自分たちでイチから勉強して、機材を買って配信ライブをやってきているんですが、より生のライブ体験ができるように試行錯誤しています。最近、30人くらいの少人数で、Zoomを使い、お客さんの顔が見える状態で僕のソロプロジェクトのライブを2回ほど行いました。

ステージから見える、自分の演奏や歌を聴いている人の表情って、印象に残るんです。Zoomでライブしてみて、僕らにとってはそれがすごく大事だったんだなということを、改めて実感しました。

お客さん側も楽しそうなんです。自分の存在とか、曲のサビで表情が変わるところとか、そういうことを僕らに伝えようとしてくれるし、僕らもそれに応えようとする。一方的な配信よりも「ライブだな」っていう実感がありました。

中島:私がやってきた配信ライブのときって、いままで見てきた客席をがんばって脳内再生しながらやっていて。それだけでも、あとから感想をいただけるので、自分のなかでパズルは組み合わせられるんですね。

「やっぱりこういうふうに聴いてくれてたんだな」とか。でも、私もあとからの答え合わせだけじゃない、顔が見られるライブをやりたいですね。

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リリース情報

中島愛『green diary』初回盤
中島愛
『green diary』初回盤(CD+BD)

2021年2月3日(水)発売
価格:5,500円(税込)
VTZL-182

1. Over & Over
2. GREEN DIARY
3. メロンソーダ・フロート
4. ハイブリッド♡スターチス
5. 髪飾りの天使
6. 粒マスタードのマーチ
7. 窓際のジェラシー
8. ドライブ
9. 水槽
10. All Green

中島愛『green diary』通常盤
中島愛
『green diary』通常盤(CD)

2021年2月3日(水)発売
価格:3,300円(税込)
VTCL-60543

1. Over & Over
2. GREEN DIARY
3. メロンソーダ・フロート
4. ハイブリッド♡スターチス
5. 髪飾りの天使
6. 粒マスタードのマーチ
7. 窓際のジェラシー
8. ドライブ
9. 水槽
10. All Green

サイト情報

特設サイト「recording diary」

アルバム制作に対する思いや作家陣との打ち合わせの様子などが、中島愛自身の言葉で綴られている、ここだけのダイアリー

プロフィール

中島愛(なかじま めぐみ)

6月5日生まれ。A型。1980年代アイドルが大好きな、レコードマニア。2007年『Victor Vocal & Voice Audition』にて最優秀者に選ばれ、TVアニメ『マクロスF』にて声優・歌手デビュー。同作品ではランカ・リー=中島愛名義で数多くの楽曲をリリース。なかでも“星間飛行”は、シングルでオリコン5位、収録アルバムはオリコン2位を記録し大ヒットとなる。2009年、シングル“天使になりたい”にて個人名義での活動をスタート。同年の『第3回声優アワード』にて歌唱賞を受賞。その後、歌手活動と並行して『セイクリッドセブン』(藍羽ルリ役)、『君のいる町』(枝葉柚希役)、『ハピネスチャージプリキュア!』(愛乃めぐみ/キュアラブリー役)など数多くのTVアニメでヒロイン役を射止める。2019年1月には、ソロデビュー10周年を記念して、1980年代アイドルミュージックをはじめとした自身初のセルフプロデュース・カバーミニアルバム『ラブリー・タイム・トラベル』、6月には初のベストアルバム『30 pieces of love』、アナログ盤『8 pieces of love』をリリース。2020年9月には、これまでに中島愛がキャラクター名義で歌唱した楽曲を集めた、キャラクターソング・コレクション『FULL OF LOVE!!』をリリースした。現在、3年ぶり5枚目となるオリジナルフルアルバム『green diary』が好評発売中。

尾崎雄貴(おざき ゆうき)

札幌を拠点に活動する4人組バンドBBHFのヴォーカル&ギターを担当。2017年より自身のソロプロジェクトwarbearを始動。2020年9月にBBHFとして2枚目となるフルアルバム『BBHF1 -南下する青年-』をリリース。同年12月、warbearとして初の配信限定シングル“バブルガム”をリリース。

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