特集 PR

SPiCYSOLが東京を離れて語る 茅ヶ崎に暮らして鳴らす嘘のない音

SPiCYSOLが東京を離れて語る 茅ヶ崎に暮らして鳴らす嘘のない音

SPiCYSOL『ONE-EP』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:沼田学 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2021/04/07

去年、メンバーのうち3人が茅ヶ崎に移住し、11月には茅ヶ崎市民文化会館にてワンマンライブも成功させたSPiCYSOLが、メジャーデビュー1stデジタルEP『ONE-EP』をリリースした。

あくまで個人的な印象としてだが、SPiCYSOLはずっと「不思議なバンド」だった。2015年にデビューミニアルバム『To the C』を「UK PROJECT」よりリリースした頃から、そのバンドの佇まいは銀杏BOYZやsyrup16gといったバンドたちを輩出してきたUK PROJECTの今までのレーベルカラーとどこか違うように見えていた。R&Bやファンクなどが音楽的ルーツにあるという点で、当時、再び時代の潮流として囁かれ始めた「シティポップ」という言葉の中にカテゴライズすることも可能だったのかもしれないが、それもしっくりこない。SPiCYSOLというバンドに筆者自身、どこか捉えどころのない印象を抱いていた。

しかし今回、KENNY(Vo)とPETE(Key,Tp,Cho)のふたりに取材したところ、かなり明確にいろんなことがわかったように思う。彼らが語ってくれたルーツへのリスペクトと、自然と変化してきた生き方が、SPiCYSOLというバンドの存在の輪郭をとてもハッキリと見せてくれた。ルーツを愛し、自然と街を愛し、友を愛し、そして自分たちの身の丈に合った幸福を、音楽と共に掴もうとする彼らの尊い人生観をぜひ読んで感じてほしい。

SPiCYSOL(スパイシーソル)<br>「The Surf Beat Music」を掲げ、ロック、レゲエ、R&Bなど様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、 心に染みるメロウな歌声でメロディを紡ぐ。洋楽のフレイバーを注入しながらも抜群のセンスで独自の進化を遂げたシティとサーフが融合する新世代ハイブリッドバンド。2021年4月7日にデジタルEP『ONE-EP』でメジャーデビューを果たした。
SPiCYSOL(スパイシーソル)
「The Surf Beat Music」を掲げ、ロック、レゲエ、R&Bなど様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、 心に染みるメロウな歌声でメロディを紡ぐ。洋楽のフレイバーを注入しながらも抜群のセンスで独自の進化を遂げたシティとサーフが融合する新世代ハイブリッドバンド。2021年4月7日にデジタルEP『ONE-EP』でメジャーデビューを果たした。
SPiCYSOL『ONE-EP』を聴く(Apple Musicはこちら

SPiCYSOLは茅ヶ崎の街からなにを受け取っているのか? 都内から活動拠点を移し、自分たちらしい音楽を手にするまで

―SPiCYSOLは、2020年から茅ヶ崎に拠点を移されたんですよね。

KENNY(Vo,Gt):そうですね。メンバー4人のうち、僕とギターのAKUNとPETEの3人が茅ヶ崎に引っ越しました。

PETE(Key,Tp,Cho):本当に偶然というか、それぞれ理由は違ったんですけどね。うちのメンバーはみんな海が好きなので、ちょうどよかったなって。

KENNY:海の近くだと自然が多くてデジタルデトックスもしやすいし、あと、やっぱり茅ヶ崎には様々なジャンルのアーティストがすごく多いんです。

サザンオールスターズの名前に由来する「サザン通り」(編注:1999年、サザンオールスターにあやかって茅ヶ崎海水浴場が「サザンビーチちがさき」に改名、茅ヶ崎駅からサザンビーチちがさきまで続く道は「サザン通り」の愛称で呼ばれるようになった。それに伴い、通りに面する南口中央商店街も「サザン通り商店街」に改名することに)とか、加山雄三さんの名前をとった「雄三通り」(編注:茅ヶ崎駅南口正面から茅ヶ崎海岸に続くバス通りのこと。かつてこの通り沿いに加山雄三の自宅があったことに由来する)なんていうのもあって、街自体が音楽にウェルカムなんですよ。

音楽だけじゃなくても、僕の友達の画家のアンベリュウ(RYU AMBE)くんも茅ヶ崎に生まれて育ったイラストレーターだし、いろんなクリエイターが住みながら活動しやすい街なんです。

左から:PETE、AKUN、KENNY、KAZUMA
左から:PETE、AKUN、KENNY、KAZUMA

―裏を返すと、SPiCYSOLにとっては「生活」と「音楽」は密接に結び付くべきものである?

PETE:そうですね。茅ヶ崎を選ぶうえでライフスタイルは大きな理由だったかもしれないです。

KENNY:ミュージシャンの中にもいろんな人がいるじゃないですか。スタジオで音を模索して突き詰めるタイプの人もいると思うんですけど、その人の生活そのものから呼ばれる音も間違いなくあって。ライフスタイルもそのまま音になると思う。僕らは茅ヶ崎で生活をしていくなかで生まれる音を鳴らしていければいいなと。

―新作EP『ONE-EP』の2曲目“From The C”の歌詞には、茅ヶ崎にあるお店の名前も出てきますよね。

KENNY:そうですね。サザンさんに“LOVE AFFAIR ~秘密のデート”(1998年)という曲があって。湘南をデートスポットにした歌詞で、ホテルの名前とか、固有名詞がいっぱい出てくるんですよ。レペゼンという意味も込めて、そういうことを僕らもやってみたら面白いんじゃないかと思ったんです。

SPiCYSOL“From The C”を聴く(Apple Musicはこちら

サザンオールスターズ“LOVE AFFAIR ~秘密のデート”を聴く(Apple Musicはこちら

KENNY:あと、僕らのデビュー作は『To The C』というタイトルだったんですけど、そこには「海に行く道中を彩るBGMのようなアルバムになればいいな」という思いを込めた「海に行こうぜ(To the sea)」って意味と、自分たちのルーツにあるカリフォルニアサウンドに対してのリスペクトを込める意味合いがあったんです。だから「Sea」を「C」にした。で、実は茅ヶ崎も頭文字が「C」なんですよね。

―ああ、たしかに。この曲の歌詞には<常にSlowlyなPlaceだからMindもCozyになっていく>というラインもありますけど、茅ヶ崎は空気感がゆったりしていますか?

KENNY:だいぶゆったりしてますね(笑)。リラックスした雰囲気というか。

PETE:僕も部屋の内見をしたときからそれはすごく感じました。街の空気感がいいなと思って。

―茅ヶ崎に拠点を移されてから、曲作りのムードなども変わりましたか?

KENNY:確実に変わりましたね。今までは都内のスタジオに籠って曲を作っていて。そういう環境で生まれるいい曲もあると思うんですけど、僕らの場合、スタジオにいても盛り上がる瞬間ってあまりなくて。たとえば「夏の曲を作ろう」ってテーマだけ決めて、各々が持ち帰って家で作る、みたいなことが多かったんです。でも今は、誰かメンバーの家に集まって一緒に作ることも増えたので、雰囲気はよくなっているし、より僕ららしい曲を作れるようになったと思いますね。

SPiCYSOL“It's Time”(2020年)を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

PETE:やっぱり、茅ヶ崎にいる3人がいつでも集まることができる環境はいいですね。それに、近くに海があるとリフレッシュできるんですよ。

Page 1
次へ

リリース情報

SPiCYSOL『ONE-EP』
SPiCYSOL
『ONE-EP』

2021年4月7日(水)配信

1. ONLY ONE
2. From the C
3. NAISYO

イベント情報

『73machi One Man Live in Zepp DiverCity』

2021年7月3日(土)
会場:東京都 Zepp DiverCity

プロフィール

SPiCYSOL
SPiCYSOL(スパイシーソル)

「The Surf Beat Music」を掲げ、ロック、レゲエ、R&Bなど様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、心に染みるメロウな歌声でメロディを紡ぐ。洋楽のフレイバーを注入しながらも抜群のセンスで独自の進化を遂げたシティとサーフが融合する新世代ハイブリッドバンド。2021年4月7日にデジタルEP『ONE-EP』でメジャーデビューを果たした。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. 広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する 1

    広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する

  2. BTS“Film out”PV公開 back numberとコラボした『劇場版シグナル』主題歌 2

    BTS“Film out”PV公開 back numberとコラボした『劇場版シグナル』主題歌

  3. 大森元貴のソロデビューの意味。2人の視点から『French』を紐解く 3

    大森元貴のソロデビューの意味。2人の視点から『French』を紐解く

  4. 内田有紀、シシド・カフカらが東京の美術スポット巡る 『新美の巨人たち』 4

    内田有紀、シシド・カフカらが東京の美術スポット巡る 『新美の巨人たち』

  5. Perfume Closetファッショントラックの移動店舗がラフォーレ原宿から開始 5

    Perfume Closetファッショントラックの移動店舗がラフォーレ原宿から開始

  6. 『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神 6

    『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神

  7. いとうせいこう、角舘健悟らが「私の大滝詠一プレイリスト」公開 7

    いとうせいこう、角舘健悟らが「私の大滝詠一プレイリスト」公開

  8. NiziUがNHK『SONGS』リニューアル初回に登場 特技披露&ファン動画企画も 8

    NiziUがNHK『SONGS』リニューアル初回に登場 特技披露&ファン動画企画も

  9. No Busesの「未完成」を楽しむバンド美学 作る喜びが救いだった 9

    No Busesの「未完成」を楽しむバンド美学 作る喜びが救いだった

  10. 内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側 10

    内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側