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PIZZA OF DEATHの新星、KUZIRAが受け継ぐアティチュード

PIZZA OF DEATHの新星、KUZIRAが受け継ぐアティチュード

KUZIRA『Superspin』
インタビュー・テキスト
TAISHI IWAMI
撮影:山口こすも 編集:黒田隆憲

PIZZA OF DEATH RECORDSから出すことが決まった当初、今までにないプレッシャーを感じたんです。「パンクって、バンドって何だろう」って(末武)

―現在ラッパーやシンガーといったバンドではない形式をとるアーティストサイドから、エモやポップパンクの巻き返しが起こっていることについては、どう思われていますか?

末武:すごく面白いと思います。タイムリーな話だと、去年Machine Gun Kellyが「ポップパンクのアルバムを作る」と宣言して出したアルバム『Tickets To My Downfall』が全米1位を獲りましたけど、実際に曲もかっこいいし、もっともっと盛り上がったら最高ですね。

Machine Gun Kelly ft. Halsey“forget me too”MV

左から:熊野和也、末武竜之介、シャー:D

―KUZIRAはバンドですが、そういった海外の状況とも重なる部分を感じるんです。1990年代にHi-STANDARDならびにPIZZA OF DEATH RECORDSを中心に巻き起こったインディペンデントなパンクのムーブメントや、2000年代に出ていたELLEGARDENらのレガシーの再解釈的な。今作『Superspin』は新しい世代だからこそできる過去へのアクセスやサウンドのミクスチャー感覚、メッセージ性があると思いました。そこでまず、今回PIZZA OF DEATH RECORDSからデビューすることについてはどう思われていますか?

熊野:2019年の9月にKen Bandのツアー『Still Age Tour Ⅱ』の北海道編に帯同させてもらったんです。その時にKenさんが前の曲のビートを止めずに「俺らの前にやったKUZIRA、カッコよかったでしょ?」とMCを入れてから“Let The Beat Carry On”を演奏した瞬間は、感動して涙が溢れそうになりました。

Ken Yokoyama “Let The Beat Carry On”MV

―まさに世代から世代へ受け継がれていく音楽の魅力をKenさんが体現されたんですね。

熊野:そのうえで、PIZZA OF DEATH RECORDSから、しかもKenさんのニューアルバム『4Wheels 9Lives』と同日発売できることになるなんて。

末武:Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSにKen Bandなど、Kenさんの音楽性やアティチュードから受けた影響は、間違いなくKUZIRAを始めた大きなきっかけの一つです。すごく不思議な感じがしますね。

KUZIRA『Superspin』ジャケット
KUZIRA『Superspin』ジャケット(Amazonで購入する

―アティチュードということで言えば、パンクには直接的にポリティカルなことに言及した曲や作品もあれば、ただ「飯が美味い」みたいなことを連呼するパーティーソングもある。いずれにせよその魅力は聴いたときに何かしら熱い衝動が湧き上がってきて奮い立つことだと思うんです。みなさんはパンクの魅力について、どうお考えですか?

末武:PIZZA OF DEATH RECORDSから出すことが決まった当初、今までにないプレッシャーを感じたんです。「パンクって、バンドって何だろう」って、すごく悩みました。そこであらためて思ったのは、Rage Against The MachineもSystem Of A Downも、Kenさんもそうですけど、ポリティカルなことや社会に対して思うことを臆することなく発信してきたじゃないですか。

末武竜之介

末武:そういう姿勢はシンプルにかっこいいなって。だから使命感じゃないですけど、僕なりにそういうことがやりたくなりました。憧れのバンドの精神を受け継いで現代社会に思うことを言う。タイトルに「spin(紡ぐ)」という言葉を入れて『Superspin』としたことには、そういうコンセプトもあります。

―末武さんなりにやれることとは今どんなことを考えていますか?

末武:僕は今も看護師をしていて、その現場でもたくさん思うことがあります。僕らが払っている税金の使い道だったり、新型コロナウイルスの感染拡大やワクチンの問題もそう。若いからって見過ごすことはできない問題が現状山積みになっています。だから、そういうメッセージを歌詞に込めることって、僕はすごく大事なことだと思うんです。

熊野:竜之介はコロナのワクチンを実際に打ったうえで、肯定的な意見をTwitterで発信したりもしていて。そこは看護師だから言える部分も大きいと思うんですけど、今ってライブハウスの在り方も問われているし、いろんな問題が繋がっていてどれも決して他人事ではない。そこで考えるきっかけを投じることは、いいことだと思います。

熊野和也

―このアルバムは大切な人を思う気持ちと広く社会的な問題という2軸の相互関係を描きながら物語を展開していく、まるで一つの映画のような作品だと思いました。“Crank In”という曲があって、『ショーシャンクの空に』や『スター・ウォーズ』をオマージュした歌詞が出てくるので、余計にそう思った部分もありますが。

末武:そこ気づいてくれました? よかったです。映画、好きなんですよね。とはいえ、アルバム自体に映画のような性質を持たせようという意図は特になくて、さっきも言ったように憧れのバンドが積み重ねてきたことを紡ぎながら、今の僕ららしいことをしようというコンセプトのもとに作りました。そこでいろんなタイプの曲をいい流れになるように考えて組んでいったので、映画のように感じられたのかもしれません。

左から:末武竜之介、熊野和也、シャー:D
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リリース情報

KUZIRA『Superspin』
KUZIRA
『Superspin』(CD)

2021年5月26日(水)発売
価格:2,750円(税込)
PZCA-93

1. Power Bank
2. Throw Your Cell Away
3. Spin
4. Sad (Regrets)
5. He
6. The Feeling
7. Crank In
8. Together Forever
9. ByeFor Now
10. Change
11. I'm Cool
12. Under The Snow
13. Speak Up

プロフィール

KUZIRA(クジラ)

2017年に本格始動したメロディックパンクバンド。末武竜之介、熊野和也、シャー:Dの三人。2018年8月TRUST RECORDSよりリリースしたデビューミニアルバム『Deep Down』が無名の新人ながらタワレコメンに選出。『Deep Down』を携え約80本に及ぶ初のリリースツアーを開催。東岐阪ツアーファイナル、名古屋での裏ファイナル2daysチケットは即完。2019年8月1st EP「Pay The Piper」をリリース、約半年間に及ぶ全国32ヶ所のリリースツアーを開催。2019年9月Ken Yokoyama『Still Age Tour Ⅱ』に参加。2021年3月 新ドラマーとしてシャー:Dが加入。2021年5月1st Full Album『Superspin』をPIZZA OF DEATH RECORDSよりリリース。

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