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2003年生まれのLAUSBUBが語る 人生を変えたテクノとの出会い

2003年生まれのLAUSBUBが語る 人生を変えたテクノとの出会い

Eggs
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2021/06/18

2021年初頭、SNSで拡散された高校生2人組によるテクノミュージック“Telefon”のサウンドクオリティーに度肝を抜かされた人は多いだろう。

ドイツ語で「いたずらっ子」を意味するユニット名「LAUSBUB」と名乗る、北海道は札幌在住の岩井莉子(Gt,Syn,DJ)と高橋芽以(Vo,Gt)による2人組。ユニットを結成したのも、本格的に打ち込みをはじめたのもまだ1年と少し前という事実にも驚かされるが、すでにSoundCloudにアップされている3曲は、いずれもYellow Magic OrchestraやBuffalo Daughter、Corneliusなどに影響を受けたポップでミニマルな音楽性に、デジタルネイティブならではのアイデアやユーモアがふんだんに盛り込まれている。

コロナ禍で家にいる時間が増え、できなくなったバンド活動の代わりにはじめたというLAUSBUB。iPadにバンドルされたGarageBandを触っているうちに、いつの間にかできた楽曲がSoundCloudで週間チャート1位になるなど、まるで現在のシンデレラストーリーのようでもある。が、それは決して「まぐれ」や「ビギナーズラック」の類いではなく、中学生のときにYMOを聴いて衝撃を受けたという岩井莉子の貪欲な好奇心と洞察力、天性の歌声を持つ高橋芽以のセンスと存在感、そんな二人のケミストリーによって生み出されたものであることは、このインタビューを読めばおわかりいただけると思う。

くだんの『Telefon』を6月18日、デジタルシングルとして初配信するLAUSBUB。音楽的バックグラウンドはもちろん、諭吉佳作/menら同世代アーティストへの思いや、将来についての展望など岩井と高橋に訊いた。

LAUSBUB(らうすばぶ)<br>2020年3月に北海道札幌市の同じ学校の軽音楽部に所属する2人の高校生によって結成されたニューテクノポップバンド。1月18日にとあるツイートを機に、爆発的に話題を集め、ドイツの無料音楽プラットフォーム「SoundCloud」で週間チャート1位を記録、さらにTOKYO FMのラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー「サカナLOCKS!」(MC:サカナクション山口一郎)にゲスト出演するなど 各メディアやミュージシャンからも注目を集めている。
LAUSBUB(らうすばぶ)
2020年3月に北海道札幌市の同じ学校の軽音楽部に所属する2人の高校生によって結成されたニューテクノポップバンド。1月18日にとあるツイートを機に、爆発的に話題を集め、ドイツの無料音楽プラットフォーム「SoundCloud」で週間チャート1位を記録、さらにTOKYO FMのラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー「サカナLOCKS!」(MC:サカナクション山口一郎)にゲスト出演するなど 各メディアやミュージシャンからも注目を集めている。(Eggsで聴く / SoundCloudで聴く

「『あえて1980年代風にしているのかな?』と思ったんです」。LAUSBUBの原点は、岩井がたまたまYouTubeで見たYMOの動画

―もともとお二人は軽音楽部でバンドを組んでいたそうですね。

岩井:はい。ドラムを入れた3ピースバンドで、そのときはKhruangbinなどインスト曲を中心にコピーしていました。一度、Tempalayのコピーをやったこともあります。それと私は、学年がひとつ上の先輩3人がやっているバンドにシンセサイザーでも入っていて、そのバンドでは結構ライブもやっていました。

―音楽に目覚めたきっかけは?

岩井:私は幼稚園から小学生のころまでピアノを習っていたんですけど、そのときはあまりのめり込めず。中学生になってYouTubeを見るようになってYMOのミュージックビデオに衝撃を受けました。

関連記事:2020年のYMO評 エキゾ、電子音楽、ポップスの視点から3人が紡ぐ(記事を読む

岩井:そこからどんどん掘っていくようになって。最初は一人でいろいろ調べていたんですけど、札幌にある「Takechas Records」というレコード屋さんに通うようになってからは、ネットの情報だけでなく直接いろんな音楽の話ができるようになりましたね。

―それまではどんな音楽を聴いていたんですか?

岩井:親が普段音楽を全然聴かなくて(笑)、家にはCDプレイヤーすらなかったので、それまでは私もほとんど音楽を聴いていませんでした。

最初にYMOをYouTubeで見たとき、昔の映像だとは気づかなくて「あえて1980年代風にしているのかな?」と思ったんです。ここまでシンセがフィーチャーされている音楽は他に聴いたことがなかったのでびっくりして。

高橋:私は家族の影響で音楽が側にある環境で育ったので、小さい頃から車のなかで流れている音楽をよく聴いていました。サザンオールスターズが好きで、家族でライブを観に行くこともありました。高校生になって岩井と出会ってからは、YMOとかいままで聴いたことのない音楽をいろいろ教えてもらって、そこから聴く音楽の幅もどんどん広がっていきました。

左から:岩井莉子、高橋芽以
左から:岩井莉子、高橋芽以

―たとえばどの辺の音楽を聴いていたのですか?

岩井:CorneliusやAlva Notoなど、YMOのサポートメンバーから掘っていくことが多かったです。矢野顕子さんとかもそれで知ったんですけど、最近のライブのサポートメンバーの方々とのサウンドが本当にかっこよくて。

そこから「この人は誰だろう?」というふうに、その人が他に参加しているバンドやプロジェクトをどんどん調べていました。

関連記事:Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった?(記事を読む) / Corneliusが突然変異したとき 音楽家として迎えた転換点を語る(記事を読む

高橋:私も岩井からCorneliusのCDを貸してもらって好きになって、フリッパーズ・ギターもそこから知って好きになりました。ゆらゆら帝国や坂本慎太郎さんも好きで聴いています。

ちゃんと聴きはじめたのがコロナの休校期間だったんですけど、歌詞と音楽の結びつきが魅力的だと思います。坂本慎太郎さんが雑誌とかで紹介している音楽から掘っていくこともありますね。

関連記事:坂本慎太郎が語る「いい曲」のかたち。キャリアを通じて貫く美学(記事を読む

岩井:ちなみにKhruangbinも、小山田圭吾さんがラジオで流していたり、インタビューの記事などで紹介していたりしたので、そこから知りました。

―ドイツのニューウェーブやテクノも好きだと聞いたのですが、それもYMOから?

岩井:はい。YMOつながりでKraftwerkにいって、そこからクラウス・シュルツェやDAF(Deutsch Amerikanische Freundschaft)……DAFがとにかく好きで、ガビ(・デルガド=ロペス)になりたいと思っていた時期もありました(笑)。

ツルツルとしたシンセサウンドや、ミニマルなのに音の隙間を感じさせない音像にすごく影響を受けていて、そこからいまにつながっていくドイツのレイヴシーンも、ネット越しですが見ていて本当に魅力的で。実際に行ってみたら違うのかもしれないけど、もう「テクノシティ」みたいな感じで憧れています(笑)。

電気グルーヴの二人が自らのルーツとしてDAFを取り上げている

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リリース情報

LAUSBUB『Telefon』
LAUSBUB
『Telefon』

2021年6月18日(金)配信

プロフィール

LAUSBUB
LAUSBUB(らうすばぶ)

2020年3月に北海道札幌市の同じ学校の軽音楽部に所属する2人の高校生によって結成されたニューテクノポップバンド。1月18日にとあるツイートを機に、爆発的に話題を集め、ドイツの無料音楽プラットフォーム「SoundCloud」で週間チャート1位を記録、さらにTOKYO FMのラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー「サカナLOCKS!」(MC:サカナクション山口一郎)にゲスト出演するなど 各メディアやミュージシャンからも注目を集めている。

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