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新生lostage、その「覚悟」に迫る
誰だって「褒められる」のは嬉しいことだけど、もっと多くの人を喜ばせるためには、時としてその賛辞を裏切ってでも“変わって”いく必要があるだろう。そしてこのlostageほど、貪欲にその変化を求めるバンドもいないかもしれない。
「カッコいい」からこそアンダーグラウンドなシーンで話題を集めたバンドが、昨年のメジャーデビュー作、そしてメンバー交代という危機を乗り越え作り上げた新作で遂げた変化の背景には、彼らが変わっていくだけの「覚悟」があった。メジャーレーベルからのリリース、東京から奈良への引っ越し、自分たちで道を「選択」してきたから、彼らにはそれ相応の覚悟が生まれたようだ。ボーカル・ベースの五味岳久と、新メンバー中野博教に話しを聞いた。
(インタビュー・テキスト:柏井万作)
奈良県出身の4ピース・ロックバンド。ボーカル・ベースの五味岳久とギターと五味拓人の五味兄弟を中心に01年に結成。04年にUK PROJECT内に自身で立ち上げたレーベルqoop music(クープミュージック)よりデビューミニアルバム『P.S.I miss you』をリリース。
07年7月にTOY'S FACTORYからメジャーデビュー作となる2nd Album 『DRAMA』リリース。全国ツアー、数多くの海外バンドとの共演、大型ロックフェスへの出演など精力的に活動を行うも、2008年1月18日にギターの清水雅也が脱退。08年2月、ギターリストとして中野博教が加わり、同年9月にミニアルバム『脳にはビート 眠りには愛を』をリリース。新生lostageとして新たなスタートを切る。
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売れれば良いとは思わないけど、
一人でも多くの人を巻き込んで感動させたい
─中野さんが加入して初のレコーディング作品リリースですね。まずlostageと中野さんのなれ初めを教えてください。
中野:僕は大阪でバンドをやってたんですけど、初めてlostageと会ったのは、MINUS THE BEARっていうシアトルのバンドの来日公演で対バンした時かな。それで仲良くなって、lostageを大阪に呼んだり、奈良に呼んでもらったり。
─そのバンドは今も続いているんですか?
中野:大阪から東京に拠点を移して活動していんたんですけど、メンバーが辞めて結局解散しちゃって。そのタイミングでlostageが誘ってくれたんですよね。

─「東京から奈良に来い!」と?
中野:「来い!」とは言ってないけど、「行くしかない」っていう状況にはなりましたね(笑)。迷いはなかったけど、バンドを続けるしんどさは身にしみているから、「しんどくなるなぁ」って(笑)。でもバンドはやりたかったし、誘われてやりたいと思うバンドなんてほとんどないですからね。
五味(岳):本人を目の前にして言うのもアレですけど、ギターが上手いから誘ったわけではなくて、音楽に対する価値観や想いが同じだと思ったんですよ。音楽性はみんなその時々の気分で変わっちゃうから、音楽をやる姿勢のほうが大事だなって。ずっと一緒に音楽を作っていくんだから。
─東京を出て奈良に引っ越して来てくれるんだから、嬉しいですよね。
五味(岳):それだけでめちゃくちゃアガりましたよ。嫌らしい話かもしれないですけど、バンドがバカ売れしてるんだったらまだ分かる話しじゃないですか。でも、バンドをやるために東京から何もない僕らのところまで引っ越してくるなんて、本気で一緒に音楽をやりたいっていう気持ちだけですもんね。中野が加入してからバンドのモチベーションも上がるし、悪い事が一つもありませんでしたね。
─中野さんが加入してからすぐに新作を完成させたわけですが、いい意味で「変化」が表れている作品ですよね。
五味(岳):メンバーが一人変わったら、どんなに上手くやっても絶対に「あいつら何か変わったな」って言われるじゃないですか。それならもう、変われるところはどんどん変わっちゃえということで、今作は「変化」というのをテーマにしたんですよ。メンバーの加入だったり、それぞれの意識の変化だったり、「こいつら変わったな」ってみんなにちゃんと伝えたかったんです。
─「変化する」って、言うほど簡単なことではないですよね。特に「意識の変化」というのは難しいことだと思いますが、実際今作を聴くと、意識の部分から変化しているのが如実にわかりました。リスナーの喜びを、以前よりもかなり真剣に考えたんじゃないですか?
五味(岳):僕は考えましたね。聴く人はどう感じるかとか、これまでのリアクションを見て考えることも沢山あったし。売れれば良いとは思わないけど、一人でも多くの人を巻き込んで感動させたいと思うし、そういうことをしっかりやっているバンドのライブを観て自分も感動したんです。「音楽ってすごいな」って思ったし、色んな可能性があるのに、変に凝り固まった考えで地下に潜るのは嫌だなって。どうせだったら行ける所まで行きたいんですよね。
─その感動させてくれたバンドって、教えてもらえますか?
五味(岳):去年の暮れにASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアーで三か所ぐらいオープニングアクトをやったんですけど、アジカンを観に来てる3000人くらいのお客さんが、熱狂的に盛り上がってたんですよ。音楽がそれだけ大勢の人の気持ちを一つにまとめているのを体感して感動したし、自分にだってやれる可能性はあるんじゃないかと思って。それで意識は変わりましたね。
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