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あの人の音楽が生まれる部屋

ヘヴィメタルからオルタナまでを取り込んだソリッドかつエッジーなギターと、一度聴いたら耳にこびりついて離れないクセのあるメロディー。その強烈なサウンドによって日本のロックシーンを牽引してきた4人組、9mm Parabellum Bulletは、今年で結成10周年を迎えます。ほとんどの楽曲において、作曲 / アレンジを手がけるギタリスト・滝善充のテクニカルなプレイとアグレッシブなライブパフォーマンスは、9mmの「アイコン」とも言える重要な要素。オリジナリティーあふれる彼のセンス、そして9mmのこれまでの作品は、どのようにして培われてきたのでしょうか。ステージ上の姿からは想像もつかない、穏やかで優しい笑顔が印象的な彼に話を聞きました。

テキスト:黒田隆憲 撮影:豊島望

9mm Parabellum Bullet(きゅーみり ぱらべらむ ばれっと)

9mm Parabellum Bullet
(きゅーみり ぱらべらむ ばれっと)

2004年3月、菅原卓郎、滝善充、中村和彦、かみじょうちひろの4人によって結成。2枚のミニアルバムをインディーズでリリースした後、2007年10月、デビュー盤『Discommunication e.p.』でメジャーデビュー。これまでに5枚のオリジナルアルバムをリリースし、いずれもオリコンウィークリーチャートTOP10位内を獲得。毎年9月9日は「9mmの日」として自主イベントを開催している。2014年7月には10周年の記念として、初のベストアルバム『Greatest Hits』をリリース。

http://9mm.jp

ひょっとしたら、9mmのギタリスト・滝は
今頃、エレクトーン奏者になっていた!?

9mm Parabellum Bulletの機材

2歳半からエレクトーン教室に通い、物心ついたときにはある程度弾きこなせるようになっていたという滝さん。小学校低学年くらいまでは、教室で『ドラゴンボール』や『ドラゴンクエスト』の曲を弾いて、みんなを喜ばせていたそうですが、あまりにも上手で目立っていたためか、高学年になるにつれてからかわれるようになり、それからはあまり人前では弾かなくなってしまったそうです。

滝:田舎の学校だったので、エレクトーンなんか弾いてたら「なんだアイツ、オンナっぽい」って言われてしまうような古風な雰囲気だったんですよ(笑)。中学に入ったら吹奏楽部をやってやってみたかったんですけど、そんな環境だったので野球部を選び、いつの間にか自分自身も「そうだよな、男のくせにエレクトーンなんて」という気持ちになってしまっていたんです。

幼少からずっと親しんできたエレクトーンとの別れ。しかし、滝さんの現在の本職であるギターとの出会いもすぐにやってきました。

滝:エレクトーンを辞めてすぐに、父親のフォークギターを物置から引っ張りだして弾き始めたんですが、耳が鍛えられていたせいか、わりとすぐに弾けるようになったんです。ギターだったら弾いていてもからかわれないし、むしろ仲間がどんどん増えていって。とにかく、寝ても覚めてもギターを触っていて、友だちの家でみんながゲームを一生懸命やってる横で、そのゲームの音楽をギターで耳コピして遊んでいましたね(笑)。

親族が持っていた機材を駆使しながら
オリジナル曲のレコーディングを始めた中学時代

滝(9mm Parabellum Bullet)

中学2年生の頃には、エレキギターも弾き始め、「アンプやエフェクターをつなげて、ドッシャドシャに歪ませた音を出すのが楽しかった」という滝さん。LUNA SEAやGLAY、L'Arc-en-Cielなどの曲を、手当り次第にコピーしていくうちに、自分でも曲を作るようになっていきました。

滝:自分でベースを弾いて、ギターも3本くらい重ねて、ドラムセットがなかったのでメトロノームを鳴らして多重録音をやっていました。おじいちゃんが持っていた、テープスピードを変えられるカラオケ機器と普通のオーディオコンポを接続して、1トラックずつピンポン録音をしてましたね(笑)。当時はHi-STANDARDやBRAHMAN、B-DASHなどをよく聴いていたのですが、彼らの音楽性を取り入れて作ったオリジナル曲を友だちに聴かせたら、そこそこ評判も良かったんです。地元のバーみたいなところを借りてライブをしたこともありました。

幼少の頃から培った音楽センスで、ギターや作曲までをモノにし始めた滝さん。さらにギターよりもドラムを叩く楽しさに目覚め、本格的にドラマーを目指していた時期もあったそうです。

滝:高校生になってから「ドラムを叩きたい」っていう気持ちがどんどん強くなっていって。すると母が、伯父さんの持ってたビンテージのドラムセットを借りてきてくれたんです。これも夢中で叩いているうちに、いつの間にかある程度マスターすることができました。実家の納屋にドラムやアンプを置いて練習場所にしていたら、「あいつの家に行けば、爆音で練習出来るぞ」っていう噂がすぐに広まって(笑)。入れ替わり立ち替わりいろんな人がやってきて、音楽漬けの日々を過ごしてましたね。

しぶしぶ入学した大学の音楽サークルにて
9mmのメンバーたちと出会い、バンドを結成

9mm Parabellum Bulletの機材

高校の進路相談の際は、「何かしら音楽に関する仕事に就きたいので、音楽の専門学校へ入学したい」と、「至極真っ当な意志」を担任の先生に告げた滝さん。しかし進学校だったためか、先生からの反応は芳しいものではありませんでした。しかし、しぶしぶ入学した大学の音楽サークルで、後に9mm Parabellum Bulletを結成するメンバーたちに出会うのだから、人生何があるか本当に分かりません。

滝:大学の音楽サークルは、ものすごく演奏レベルが高く、音楽知識も豊富な人ばかりで、「これは楽しいぞ!」と興奮しましたね。曲作りをしっかりやっていきたいと思い、ドラムは辞めてギターに専念することにしました。先輩にかみじょう(ちひろ)くんがいたのですが、彼のドラムがとにかく速くてキレッキレで。僕がドラムを叩かなくても大丈夫だなと(笑)。

そして、同級生だった菅原卓郎さん、かみじょうさんと3人で結成したのが9mm Parabellum Bulletの前身バンドでした。当時はベーシストがまだいませんでしたが、今も9mmのレパートリーとして演奏されている“The World”などは、すでにこの時点で完成していたそうです。翌年、後輩の中村和彦さんを誘って現在のラインナップになった9mm Parabellum Bullet。レベルの高いサークル部員の中でも、ずば抜けて才能があった4人は、まさに集まるべくして集まったメンバーだといえるでしょう。

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