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いとうせいこう×會田茂一インタビュー

いとうせいこう×會田茂一インタビュー

インタビュー・テキスト
柏井万作(CINRA.NET編集長)
撮影:柏木ゆか

やりたくないことをやった人ほど潰れていく
そのことをよくよくわかっている人達だけが、焼け野原に立っている

―「経年変化」にも関係することですが、お二人はもう長いこと活動を続けていらっしゃいますよね。ブームに消費されて消えていってしまった人も多い中で、お二人が「続けていられる」背景にはどんな強さがあるのでしょうか。

會田:ぼくはやりたいことをやってばかりでラッキーでしたよ。プロデュース業に関しても、「このアーティストを売ってください」というお話ではなく、「カッコよくしてください」って言われるだけですから。どうやったら売れるか、みたいなことは今まで一度も無かったんで。本当に好きなことをやってきていると思うし、興味のあるものを追いかけてきただけのような気がします。

いとう:やりたくないことをやった人ほど、その時はよくても潰れていくんだよね、見事に。そのことをよくよくわかっている人達だけが、焼け野原に立ってる感じがあるもんね。あとはどれだけ大向こうをうならせておくかっていうのがコツだね。その時はそんなにセールスが無くても、「あいつ面白いな」っていう声がどこかから聞こえてくることが大事。10年くらい前だけど、久しぶりに篠山紀信さんに会ったら、「お前居るな!」って言うわけ。「俺もずっと居るけど、お前も居るな。居ることが大事なんだよ」って言ってたよ。確かに言われてみれば俺、居なくなったことはないなって。ブレイクがどうこうっていうよりは、「居る」を継続することに集中してた方がいいんじゃないのかね。


いとうせいこう×會田茂一インタビュー

―なるほど。敢えてお伺いしてみたいのですが、嫌なことを受けざるを得ない状況に追い込まれたらどうしますか?

いとう:嫌なことも受けざるを得ないときは、面白い方に解釈して変えてっちゃえばいい。嫌なことが面白くなるように、「だったらこうしちゃえ」ってアイデアが出るし、そうなると結局は自分の場になっちゃうわけ。変な発注だったのに、いつの間にかいとうのものじゃんあれ! みたいなことになって俺だけニコニコしてるみたいなさ(笑)。

―いや~、ありがとうございます。今日は人生の糧になるお話を沢山お伺いできました。最後に、お二人の今後についても少しお伺いしたいと思います。アイゴンさんはエルマロからの脱退やソロアルバムのリリースなど、節目の時期ですよね。

會田:そうですね。ここで色んな足跡をつけて、それが一本の線に繋がっていくような活動をしていきたいと思います。たとえばフェスに何万人と集まったり、その一方でカフェライブが開催されていたり、今回みたいに自由な制作物を配信という形でリリースできたりと、今の音楽業界は色々な動きがあると思うんです。そういう今までにないものにもしっかり相対していきたいですね。

―どんどん自分の思ったように、やりたい風にやっていこうと?

會田:そうですね。でも考えすぎちゃうんです、ぼく。人と違うことをやろうと思って、人の持ってないギターはなんだろうって思ったら、最終的に布袋モデルのギターを使ってたりして。

―ははは!(笑)

いとう:何やってんだよ!(笑)

會田:多分あのギターで大きなステージに立ったのは、布袋さんとぼくだけだと思います。何だかシャレっぽくなっちゃいましたけど、そのくらい極端な場面もありつつ、人と違うことをしていきたいと思います。

―せいこうさんは音楽以外でも色々と活動していらっしゃいますが、音楽関連だと今はどんな活動をしていますか?

いとう:口ロロとレコーディングしたものが出たり、この前代々木公園でやったミャンマー軍事政権に抗議するポエトリーリーディングがとても良かったようなので、ライブ盤を出すことになって今動いていたり、いとうせいこう&POMERANIANSで夏フェスもあったりして、色々やっておりますね。

―POMERANIANSとの活動が活発ですね。

いとう:うん、ちゃんとダブをやってみようって。だいぶいい感じになってきて、ライブ中に音が何も聞こえないくらい、誰も演奏してないみたいな空間が生まれるんだ。空の境地! みたいなね。ダブって不思議なもんでね。…ミュージシャンじゃないのにやってます(笑)。

―もしせいこうさんに1つ肩書きをつけるなら、何になるんでしょうか(笑)?

いとう:今は活動的だから「活動家」って呼んでますけどね。あとは人を指導することが多いから「指導者」っていうのもあるなって(笑)。

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イベント情報

『せいこうナイト with ADX』

2008年8月2日(土)OPEN 19:30 / START 20:30
会場:六本木SUPER DELUXE
ライブ:JUST A ROBBER (會田茂一/いとうせいこう/金澤義)
パフォーマンス:
康本雅子、ボクデス×五月女ケイ子、コンタクト・ゴンゾー
DJ:高木完、いとうせいこう、森雅樹(EGO-WRAPPIN')
MOBY(Scoobie Do)、桜井圭介
コント:鬼ケ島
ビデオ:泉太郎
料金:前売2,800円 当日3,300円 (+1ドリンク)

リリース情報

Just A Robber『JUST A ROBBER 1』
Just A Robber
『JUST A ROBBER 1』

2008年5月28日(水)配信限定音源iTunesリリース
価格:1曲150円
DAIZAWA RECORDS / UK PROJECT inc.
アルバム800円(ボーナストラック&スペシャルフォトブック付き)

1.On The Beach
2.Shadow
3.小鳥
4.Town To Town
5.The Conquerer
※アルバム購入者特典
1.dub On The Beach
2.Shadow -Version CH-
3.Shadow -Version WH-
4.小鳥 -TDC Remix-
JUST A ROBBER スペシャルフォトブック

プロフィール

いとうせいこう

1961年3月19日生まれ。東京都出身。1988年に小説『ノーライフ・キング』でデビュー。真新しいテーマと独特の文体で注目され、その後も小説、ルポタージュ、エッセイなど、数多くの著書を発表する。1999年、『ポタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。執筆活動を続ける一方で、宮沢章夫、竹中直人、シティーボーイズらと数多くの舞台・ライブをこなす。盟友・みうらじゅん氏とは共作『見仏記』で新たな仏像の鑑賞を発信し、武道館を超満員にするほどの大人気イベント『スライドショー』をプロデュースするなど、常に先の感覚を走り創作し続けるクリエーター。また音楽家としてもジャパニーズヒップホップの先駆者として活躍するなど、カルチャーシーン全般に影響を与えた。昨年より音楽活動も徐々に再開し、「DJ BAKU」「レキシ」「口口口」「ポメラニアンズ」などのRECに参加している。

會田茂一

1989年よりライブサポート、レコーディングなど、ギタリストとしての活動をスタート。その後、朝本浩文とのRAM JAM WORLD、LOW-IQ ICHIとのACROBAT BUNCH、柚木隆一郎とのエルマロ等の活動を経て、99年、佐藤研二(bass)、小松正宏 from bloodthirsty butchers(ds)と共に、FOEをスタート。03年にはベーシストの高桑圭(GREAT3)とHONESTYを結成する等、様々なバンドワークスを展開。また、数多くのアーティストのプロデュースを手がけ、その他にもアレンジャー、リミキサー、映画の音楽監督として、多岐に渡る音楽活動を繰り広げている。そんな彼が40歳を迎える今年、生涯初!となる1stソロアルバム『SO IT GOES』を6月18日にリリース。8月にはソロ名義では初となるRISING SUN ROCK FESTIVAL 2008への出場も決定している。

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