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中納良恵×原田郁子 音楽バカの若者が歌で大人になるまでの20年

中納良恵×原田郁子 音楽バカの若者が歌で大人になるまでの20年

EGO-WRAPPIN'『ROUTE 20 HIT THE ROAD』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:森山将人 編集:野村由芽

音楽を作っている以上、外よりも内のものを探し続けるべきやと思うんですよね。本当に創造的なものは、流行り廃りじゃないというか、そこは信じてやっている。(中納)

―先ほど「身体」の話が出てきましたが、普段どんなふうに身体をリフレッシュさせているのですか?

中納:私は風呂ですね。あとサウナ。で、寝る(笑)。

原田:(笑)。でも、ちゃんと寝ること、食べることって、すごく必要だよね。だから、私も何もないときは寝てます(笑)。やっぱり、歌っていうのは、どうしても身体を酷使するというか。全部差し出すようなことだから。

中納:この間、誰かが言っていたんですけど、歌っていうのは形のないものやから、ある種エネルギーと絡み合うものなんやと。って、別にスピリチュアルとかそういうことではなくて……でも、確かに歌って、いろんなものを引っ張ってくるところがあると思うんですよね。だから、「これ、おかしいんちゃうかな?」っていうくらいドーンと身体が疲れてくるときもあって。そういうときは、塩サウナに行っています(笑)。

左から:原田郁子、中納良恵

―原田さんも、そういう切り替えの仕方ってあるんですか?

原田:そうだな……スパッと切り替えられないほうかも。ライブのあとも余韻の中にいたりして、なかなか戻ってこれない。学生のときバイトをしていて、合わないと思ったらパッて辞めちゃう人がいたんですけど、私はどうもそれができないんですよね。自分に合うか合わないかなんて、ある程度、長くやってみないとわからない。それはバンドも同じかも。20年ってすごいと思う反面、ようやく地盤ができてきて、やっとここからいろんなことができるんじゃないかって思っているところもあって。

中納:郁子ちゃんは、粘り強いんやな。

原田:うーん。そうなのかな。

―2バンドとも、とてもマイペースに活動されているという印象がありますが、それについてはどうでしょう?

原田:……マイペースって何だろう(笑)。

中納:まあ、マイペースに見られているのはわかるけど、そうは言っても毎回戦っているし。

―ただ、世の中の流行りにおもねるみたいな感じは、2バンドともないような気がします。

中納:そういうのは、社会とちゃんと付き合ったら、多分そうなるんやと思うけど……やっぱり、音楽を作っている以上、外よりも内のものを探し続けるべきやと思うんですよね。流行はあくまでも流行でしかないから、それは気にしないっていう意識はありますね。本当に良いものっていうのは、流行り廃りに関係なく、ずっと残っていくわけだから。本当に創造的なものは、流行り廃りじゃないというか、そこは信じてやっていると思います。

―中納さんが言うと、ものすごく説得力があります(笑)。

中納:いやいや(笑)。逆に言えば、流行り廃りをやっていない人がいるからこそ、きっと流行りってものがあるわけなんやろうし。

―原田さんは、どう思いますか?

原田:あ、今、全然違うことを思いついてしまったんですけど……エゴを見ていると、いい音楽をいっぱい聴いてきたんだろうなって思うんですよね。今回リリースしたベスト盤をカバーアルバムも含めて聴かせてもらって、この濃さ、かっこ良さはエゴにしか出せないなぁと思ったんですけど。二人の中に、いろんな時代のかっこいい音楽がぱんぱんに詰まってて、それが「旨味」っていうか、EGO-WRAPPIN'っていう音楽になっていってる感じがしたんです。他にも素晴らしいものはいっぱいあるけど、でも音楽じゃないとダメだったんだろうなって。強烈に音楽にやられちゃって、それが今でもずっと続いているんだろうなって。

中納:音楽には、いっぱい救われてきたから。絶対、音楽は間違いないっていう確信はありますね。

原田:うん、エゴは、音楽に対して、すごく真面目だと思う。

中納:それは郁子ちゃんも同じでしょ?

原田:うん。そうだね。その人の命ごとやっている、鳴っている音楽が好きなんですよね。だから、ちょっとずつでも、そうありたいなっていうのは思っています。

左から:原田郁子、中納良恵

―では最後、お互いの今後に対して何かひと言ずつ。

中納:身体にだけは気をつけて……。

原田:ほんとにそうだよね、お互い(笑)。あと、やっぱりその歳だからこそ歌える歌っていうのがあると思うから、よっちゃんは、それがすごく楽しみですね。年齢を積み重ねて、いよいよこれから歌うブルースというか。どんな声になっていくんだろう? って。お婆ちゃんになっても歌っていてほしいなって、一ファンとして思います。

中納:郁子ちゃんは、やっぱりいつまでも柔らかい感じで……ここまで柔らかくなれるのって、すごいと思うんですよね。歌詞一つとっても、すごいなあと思うし。女性だからこそできることを、ちゃんと表現してはるなあって思うんです。もちろん、日々いろんなことがあるというか、そんなええことだけじゃないとは思うんですけど、このままずっとふんわりやけどちゃんと芯がある、そんな感じでやっていってもらいたいですね。

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リリース情報

EGO-WRAPPIN'『ROUTE 20 HIT THE ROAD』通常盤
EGO-WRAPPIN'
オールタイムベスト&カバーアルバム
『ROUTE 20 HIT THE ROAD』通常盤(3CD)

2016年4月20日(水)発売
価格:3,996円(税込)
TOY'S FACTORY / TFCC-86547

[太陽盤]
1. love scene
2. くちばしにチェリー
3. GO ACTION
4. a love song
5. 天国と白いピエロ
6. 満ち汐のロマンス
7. Dear mama
8. human beat
9. 10万年後の君へ
10. サイコアナルシス
11. BRAND NEW DAY
12. サニーサイドメロディー
※デジタルリマスタリング
[月盤]
1. 水中の光
2. かつて..。
3. 色彩のブルース
4. Neon Sign Stomp
5. Nervous Breakdown
6. アマイ カゲ
7. 下弦の月
8. admire
9. Fall
10. 雨のdubism
11. BYRD
12. inner bell
※デジタルリマスタリング
[星盤]
1. 異邦人
2. Move on up
3. Inbetweenies
4. 曇り空
5. Fever
6. 謎の女B
7. What's Wrong With Groovin'
8. ZIGGY STARDUST
9. By This River
10. さよなら人類

イベント情報

クラムボン
『clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー』

2016年5月12日(木)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
料金:2,500円(ドリンク別)

2016年5月16日(月)OPEN 18:15 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 BIG CAT

2016年5月17日(火)OPEN 18:00/ START 19:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
料金:2,500円(1ドリンク別)

プロフィール

中納良恵(なかの よしえ)

1974年、大阪生まれ。EGO-WRAPPIN’ボーカリスト。1996年、森雅樹(G、作曲)とともにEGO-WRAPPIN’結成。関西を中心に活動を続けたのち、現在は拠点を東京においている。2000年に発表された“色彩のブルース”は、戦前のジャズから自然に行き着いたキャバレー音楽や昭和歌謡を消化し、エゴ独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなり、その名を全国区で知られるようになる。EGO-WRAPPIN’の活動と並行して2007年にはソロ1st Albumとなる『ソレイユ』を2015年には2ndアルバム『窓景』をリリースした。またYuji Ohno & Lupintic Fiveに招かれ『ルパン三世のテーマ』の歌唱や、東京スカパラダイスオーケストラ、セルジオ・メンデスなど国内外様々なアーティストの作品にボーカリストとして参加している。

原田郁子(はらだ いくこ)

1975年、福岡生まれ。1995年にスリーピースバンド「クラムボン」を結成。歌と鍵盤を担当。バンド活動と並行して、ソロ活動も精力的に行っている。昨年で結成20周年を迎えたクラムボンは、メジャーレーベルを離れ、自身のレーベル「トロピカル」よりミニアルバム『モメントe.p.』を発表。可能な会場すべてでサイン会を行う、初の「手売りツアー」を開催した。現在、オフィシャルサイトにてCD販売店を募集中。ジャンルを問わず100店舗以上が取り扱っており、独自の広がりを見せている。5月に東京・大阪・名古屋で追加公演を行う。

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