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Benthamと考える、SNS登場以降のファンとバンドの理想の関係

Benthamと考える、SNS登場以降のファンとバンドの理想の関係

Bentham『激しい雨 / ファンファーレ』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:田中一人 編集:山元翔一
2017/04/14
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インディーズデビューのときは、あえてわかりやすくノレる、テンポの速い4つ打ちに絞ったんです。(鈴木)

―鹿野さんは、「フェス向きで、盛り上がれて、空間として一体感を持てるように作られた音楽が『フェスロック』と呼ばれている」とおっしゃっていました。

小関:バンドとして成功を掴むために、いろんなことを考えるのはもちろん素晴らしいことです。ただ、僕らが音楽を始めた理由はそこにはないから。今必要なのは、もっとアーティスト側が意見を言うことだと思うんです。ちょっと古い考え方なのかもしれないけど。

左から:辻怜次、須田原生、小関竜矢、鈴木敬

―以前は4つ打ちビートを積極的に取り入れたり、シンガロングを巧みに混ぜ込んだり、いわゆる「フェスロック」的な手法を戦略的に取り入れてきたと前回のインタビューではお話してくださいましたよね。

鈴木(Dr,Cho):おっしゃるとおり、1st EP『Public EP』(2014年)のときは、あえてわかりやすくノレる、テンポの速い4つ打ちに絞ったんです。

鈴木敬

小関:そう。インディーズでデビューしたときは、そういう考えだった。でも今は状況が変わっていて、今のフェスの現場にはちょっと居心地の悪さもあるんです。普通に演奏しただけだと、「え、それだけ?」みたいなリアクションが返ってくることもあって、すごく悲しくなる。

:そもそも単純に、フェスが乱立している状況はありますよね。楽しみ方は人それぞれですけど、「目当てのバンドを観に行く」というより、「とりあえず友人たちと楽しみたい」っていう人たちも増えてきたのかなと感じるし。

須田:ロックやバンドの音楽を楽しむ人の総数は増えたと思うんですよ。それはいいことなんですけど、パイが増えたことによって、バンドは多くの人が求める最大公約数的な音楽を狙うようになった。その結果、似たような音楽が増えて幅が狭まるという現象が起きていると感じるんです。より広い層に受けるものを狙って作らないと売れないというか。

須田原生

本来バンドは別に誰かに媚びる必要なんかなくて。そうじゃないと、いつまで経ってもプロフェッショナルになれない。(辻)

―より広い層に訴求するということを考えると、Benthamの持っているポップセンスは強みですよね。それがあれば、どれだけ難解なアレンジや、マニアックな仕掛けを取り入れたとしても、ハードル低く波及する力を持っているわけですから。

小関:音楽的にしっかりとしたものを作らないと、潰れてしまうという危機感はあります。そのときの流れに乗って、やりたくないことや納得のいっていないことをやったり、時代に合わせすぎたりすると、確実に潰れると思う。それに、僕ら側が「合わせる」というのはやっぱり納得がいかないんです。「自分に合わないことはやらない」ということを、バンドはちゃんと意思表示すべきで。

:本来バンドはそうあるべきだと思うんですよね。やりたいことをやるために音楽をやっているわけだから、別に誰かに媚びる必要なんかなくて。そうじゃないと、いつまで経ってもプロフェッショナルになれない。中途半端にフラフラやっている感じが出てしまうんじゃないかな。

辻怜次

―一連のお話の背景には、ここ数年でお客さんとバンドの距離がすごく近くなったということもある気がします。

小関:たしかに、近くなりすぎていますよね。「なにが悪いの?」って言われると困るんですけど、その近さが当たり前になっちゃいけないので、バンド側が仕切ったり、ルールを作ったりすべきだと思うんです。「ファンとは友達」というスタンスでやっているバンドもなかにはいて、それはそれで悪くないけど、そういうバンドとフェスで一緒になると、そのバンドのファンが同じノリを僕らにも求めてくることもあって。

小関竜矢

:昨今のSNSが、そういう雰囲気を加速させているのでしょうね。僕らが子どものころは、憧れのミュージシャンと気軽にコミュニケーションをとるなんてできなかったですから。それこそCDを買ってアンケートを送るとか、その程度しかできなかったのに、それが今は、僕らのところにもTwitterでリプライが飛んできたりする。ファンとは積極的に交流したいし、そういう機会はありがたいのだけど、違和感も少しありますね。「友達感覚がすぎないかな」と思うときもありますし。物事にはどうしても、いい面と悪い面があるんですよね。

―ちなみに今、BenthamはSNS対策をどのようにしているのですか?

小関:僕はSNSがすごく好きなので、これまでは積極的に絡んでいたんですけど、僕が求めるお客さんとの心地いい距離感とは違った考えで距離を詰めてくる人もいて、失望することも多かったんです。それはライブでもありました。もう、ミュージシャンに対するリスペクトや憧れというのは、昔ほど絶対ではないと感じるので、バンドとお客さんとの関係についてはしっかり考えていかなきゃいけない。そこは、バンド側がいけなかった部分も多々あったと思います。

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リリース情報

Bentham『激しい雨 / ファンファーレ』
Bentham
『激しい雨 / ファンファーレ』(CD+DVD)

2017年4月12日(水)発売
価格:1,836円(税込)
PCCA-04496

[CD]
1. 激しい雨
2. ファンファーレ
3. NEW WORLD
4. 夜明けの歌
[DVD]
『Get the ExP~ベンサムがあらわれた! ライブにきてほしそうにこっちをみている~』より10曲

Bentham『激しい雨 / ファンファーレ』
Bentham
『激しい雨 / ファンファーレ』(CD)

2017年4月12日(水)発売
価格:1,296円(税込)
PCCA-04497

1. 激しい雨
2. ファンファーレ
3. NEW WORLD
4. 夜明けの歌

Bentham『激しい雨 / ファンファーレ』Bentham屋限定盤
Bentham
『激しい雨 / ファンファーレ』Bentham屋限定盤(CD)

2017年4月12日(水)発売
価格:1,296円(税込)
PCCA-04497

1. 激しい雨
2. ファンファーレ
3. NEW WORLD
4. 夜明けの歌

ツアー情報

『Bentham「雨降ってG高まるツアー ~We are the TYPHOON~」』

2017年5月19日(金)
会場:大阪府 OSAKA MUSE

2017年5月23日(火)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

2017年5月26日(金)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE

『Bentham 2017年秋ツアー』

2017年9月8日(金)
会場:愛知県 名古屋 Electric Lady Land

2017年9月10日(日)
会場:岡山県 ペパーランド

2017年9月12日(火)
会場:広島県 CAVE-BE

2017年9月15日(金)
会場:熊本県 B.9 V2

2017年9月16日(土)
会場:福岡県 DRUM SON

2017年9月18日(月・祝)
会場:愛媛県 松山 W studio RED

2017年9月20日(水)
会場:香川県 高松 DIME

2017年9月22日(金)
会場:兵庫県 神戸 太陽と虎

2017年10月1日(日)
会場:静岡県 Live House UMBER

2017年10月6日(金)
会場:千葉県 LOOK

2017年10月7日(土)
会場:栃木県 宇都宮 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya

2017年10月11日(水)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn2nd

2017年10月12日(木)
会場:新潟県 CLUB RIVERST

2017年10月13日(金)
会場:長野県 松本 ALECX

2017年10月15日(日)
会場:富山県 Soul Power

2017年10月20日(金)
会場:大阪府 umeda TRAD

2017年10月21日(土)
会場:東京都 赤坂BLITZ

プロフィール

Bentham
Bentham(べんさむ)

2012年、小関竜矢(Vo,Gt)、須田原生(Gt)、辻怜次(Ba)、鈴木敬(Dr)の現メンバーで都内のライブハウスを中心に活動開始。2014年春、KEYTALKのツアーのオープニングアクトに4公演抜擢され注目を集める。2014年10月8日に5曲入りデビューEP『Public EP』をリリースし、デビュー1枚目にも関わらず、10月度のタワレコメン、10月度のエイチオシに抜擢。2015年は初の大型フェス出演となる、『VIVA LA ROCK』にも出演し2000人以上の観客を集めて新人ながら大注目をあびた。2015年5月13日には2nd EP『NEW LIFE』をリリースし、前作以上のヒットを飛ばす。半年後、8曲入りとなる3rd EP『OMG』を11月11日にリリースし、過去最高の売り上げを獲得し各チャートを賑わせた。2016年4月30日に代官山UNITで開催した、バンド史上初ワンマンは500キャパに対して5000枚の応募があり、Benthamの世の中の注目度が一気に加速。2016年7月4枚目のEP「ExP」を発売。そのツアーが恵比寿のリキッドルームで行われ、900人のオーディエンスを熱狂させた。そして、2017年4月、メジャーデビューシングル『激しい雨 / ファンファーレ』をリリースした。

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