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『GRAPHIC IS NOT DEAD.』 Vol.5 日比野克彦&スプツニ子!対談 SNS時代のグラフィックの可能性

『GRAPHIC IS NOT DEAD.』 Vol.5 日比野克彦&スプツニ子!対談 SNS時代のグラフィックの可能性

島貫泰介
撮影:菱沼勇夫

コンペってこういうものでしょ? というイメージを取っ払いたい。これまでの「いい絵」の基準とは違う「いい絵」があるんじゃないか? と期待してます。(スプツニ子!)

―今回『GGP』のテーマである「いいの?」「いいね!」は、もちろんFacebookの「いいね!」から来ているわけですよね。そもそも、今回のテーマはどういう経緯で決まったのでしょうか?

日比野:「いいね!」っていうのはスプツニ子!さんが考えてきてくれました。でも、「いいね!」だけだと賛同者しかいないよ、っていう話になったんだよね。塩釜がそうであるように、実際にはいろんな価値観を持っている人がいるわけじゃない。それで僕のほうから「いいの?」っていうのを提案して。その合わせ技です。

左から:スプツニ子!、日比野克彦

スプツニ子!:2つの考え方が対話しあっているような不思議なテーマで、面白いですよね。やっぱり普通にコンペティションを行って、特別な作品を選ぶっていうんじゃないんですよ。対話や意見の衝突が必要だし、それをコンペ自体が体現しているとしたら面白い。私自身、コンペとかぜんぜん獲ってなくて、むしろ苦手なタイプだったんです。変なものを作っているけれど、決して技巧的にクオリティーの高いものではないな、っていう自覚があって。だから、YouTubeで作品を発表しようと思ったんです。


―既存のコンペティションのように、応募者たちが競い合って、ベストワンを目指すっていう感じではなく。

スプツニ子!:できれば、コンペってこういうものでしょ? というイメージを取っ払いたいですね。「ああ! あの『GGP』から出てきたやつだね!」って、みんなに認知してほしい。でも、私自身は「マカンコウサッポウ」は絶対に面白いと思ってますよ(笑)。巧いものよりも面白いものを見たいです。よくできたものよりも、面白いもの。

―「いい絵ですね」「すごい技術ですね」っていうだけじゃなくって、もっと感覚的に「これはいいね!」って思えるもの推したい、と。

スプツニ子!:「マカンコウサッポウ」の女子高生たちも、自分たちがやったことが概念的にどう新しいのかわかっていないと思うんですよ。ましてや、それがグラフィック、ビジュアルであるという自覚はないと思う。だから、応募する側の意識も変わらないといけない気がします。私たちも気づいてない概念や価値観は、まだたくさんあるはず。これまでの「いい絵」の基準とはまた違う「いい絵」があるんじゃないか? と期待しています。

―実は面白いんだけど、まさか作品になるとは思ってもみなかった、というような。

スプツニ子!:自覚なきアーティストたち、デザイナーたちがたくさん潜在していると思います。自覚なきイノベーターたち。

日比野:いままでのコンペだと、テクニック的に長けていて、「うわ、これってどうやって描いたの、すごいね」っていうのが基準だった。でも、今回は「私もやりたい。いいね!」っていう方向に振りたい。この記事が掲載されて、「マカンコウサッポウいいよね!」っていうのが流れたら、たぶんその種類の応募作品がどどどどどっと来ると思う。でも、きっと大賞を獲るヤツは、みんなに「マネしたい!」って思わせると同時に「けっこうこれは深いぜ、なかなかマネできないぜ」っていう、両方を併せ持ったものが来ると思うな。そういう作品を待ってます。

『Graphic Grand Prix by Yamaha』「存在。」をテーマにしたグラフィックを、ジャンル問わず募集中

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イベント情報

『2013 Graphic Grand Prix by Yamaha』

応募期間:2013年6月3日(月)〜9月30日(月)
テーマ:「いいの?」「いいね!」
審査委員:
日比野克彦
スプツニ子!
ヤマハ株式会社 ヤマハ発動機株式会社 デザインセクションメンバー
川田学(ヤマハ株式会社 デザイン研究所 所長)
吉良康宏(ヤマハ発動機株式会社 デザイン本部デザイン・ディレクター)
竹井邦浩(ヤマハ・デザイン・スタジオ・ロンドン デザイナー)
並木育男(ヤマハ発動機株式会社 デザイナー)

プロフィール

日比野克彦(ひびの かつひこ)

アーティスト。1958年岐阜市生まれ。東京芸術大学先端芸術表現科教授。東京藝術大学大学院修了。大学在学中の1982年にダンボールを使った平面作品で、第3回日本グラフィック展大賞、さらに翌年には第30回ADC賞最高賞を受賞し注目を浴びる。国内外で個展・グループ展を多数開催する他、パブリックアート・舞台美術など、多岐にわたる分野で活動中。近年は各地で一般参加者とその地域の特性を生かしたワークショップを多く行っている。

スプツニ子!(すぷつにこ!)

1985年、東京都で、英国人の母と日本人の父(ともに数学者)の間に生まれる。東京、ロンドン在住。ロンドン大学インペリアル・カレッジ数学科および情報工学科を20歳で卒業後、フリープログラマーとして活動。その後、英国王立芸術学院(RCA)Design Interactions科修士課程を修了。在学中より、テクノロジーによって変化する人間の在り方や社会を反映させた作品を制作。2009年、原田セザール実との共同プロジェクト『Open_Sailing』が、アルス・エレクトロニカで「the next idea賞」を受賞。2012年より神戸芸術工科大学大学院客員教授。主な展覧会に、『東京アートミーティングトランスフォーメーション』(2011、東京都現代美術館)、『Talk to Me』(2011、ニューヨーク近代美術館)など。

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