京(DIR EN GREY / sukekiyo)トラウマと再生を語る

DIR EN GREY / sukekiyoの京がおよそ11年ぶりに詩集を完成させた。DIR EN GREYの結成から数えて、およそ18年。その間に書き上げた詩の中から京がみずから厳選し、そこに書き下ろしの14編を加えた詩集『我葬の詩』は、作詞家・京の核心に触れる作品であることはもちろん、彼の研ぎ澄まされた美意識と創作意欲が細かい装丁にまで行き渡った、まさに渾身の一冊だ。そして8月下旬にはその詩集の刊行にあわせて個展『我葬』も開催。詩集に収められた作品の展示はもちろんのこと、さまざまな演出、さらには彼の次なるアクションを予告するサプライズまでもが用意されているという、こちらもまた非常に濃密な内容。京の脳内にある世界観をさまざまなアプローチで具現化させた、実に刺激的な空間だった。

「過去の自分にどんどん興味がなくなってきてる」。sukekiyoを始動させた頃にそう語っていた京。『我葬の詩』を完成させた彼は今、何を想っているのか。その尽きせぬクリエイティビティーの根幹に再び迫るべく、京に話を訊いた。

詩や絵から伝わるイメージって、ものすごく幅広いじゃないですか。だからその枠をあえて狭めてあげることで、僕の脳内に広がっている世界をもっとダイレクトに伝えたかった。

―まずは今回出版される詩集の『我葬の詩』というタイトルについて聞かせてください。以前のインタビューで、京さんは「歌詩は書き終わった時点でもう自分の手から離れていくもの」とおっしゃっていて。このタイトルにはそんな「過去の自分を葬る」みたいな意味合いも込められているのかなと思ったのですが。

:ここに載っているものは、たしかに自分にとってはすべて過去のものですね。でも、過去に書いた詩はその時々の自分そのものでもあるから、今回の詩集ではそんな言葉がちゃんと成仏できたらいいなと思って、こういうタイトルにしました。これは歌詩に限らず、すべてにおいてそうですけど、やっぱり僕は常に先を向いていかなければダメだと思うので。

京

―掲載された詩に関しては、どのような基準で選定されたんでしょうか? 恐らく相当な数の中から選ばれたと思うのですが。

:今回は以前に出した詩集からもいくつか抜粋しているんですけど、選んだ基準としては、単純に今の自分が読んでも共感できるか、あるいは完成していると思えるかっていうところですね。あと、今回は個展のことも考えていたので、その個展の世界観から外れないものを選びました。そうしたら、想定していた数の倍以上の詩を選んでしまって……。

―今回出版される詩集は上巻なんですよね。つまり、このあとには下巻も控えていると。

:本当はこの上巻くらいの厚さで1冊に収めるつもりだったんですけどね(笑)。準備もけっこう前から進めてきたんですけど、それでもデザインが間に合わなくなってしまって……。この詩集、パッと見た感じだとわからないかもしれないけど、ところどころで紙やインクの種類も変えているんですよ。手にとってもらえると、そういう細かいところも楽しめるような作りになっています。

『我葬の詩』表紙
『我葬の詩』表紙

―ものすごく凝った装丁ですよね。

:ただでさえ分厚い本だし、読んでいて飽きないものにしたかったんです。ただ、これはあくまでも初版ということで、いずれはシンプルに詩だけを掲載した本も出したいなと思ってます。

―なるほど。では、その詩集の出版に伴って開催された個展『我葬』(2015年8月19日~8月23日 / 渋谷 GALLERY LE DECO)についても聞かせてください。あの会場内の空間演出は、どのようなイメージから作り上げていったんですか?

:たとえば絵の個展に行くと、当然そこでは絵の観賞がメインになりますよね。展示されている絵を観て、そこから何かを感じる。もちろんそれでいいと思うんですけど、同時に「そうじゃない人がその場にいてもいいんじゃないか」とも僕は思って。つまり、今回の個展は観るだけじゃなく、来た人が体感できるものにしたかったんです。

『我葬』展示風景(2015年8月19日から23日まで東京・渋谷 GALLERY LE DECOで開催)
『我葬』展示風景(2015年8月19日から23日まで東京・渋谷 GALLERY LE DECOで開催)

―個展の会場内に施されていたさまざまな演出には、そうした狙いがあったわけですね。

:そう。詩や絵から伝わるイメージって、ものすごく幅広いじゃないですか。そこから感じるものは、見る人によってまったく違ったりする。だから、僕はその枠をあえて狭めてあげたかったんです。そうすることで、僕の脳内に広がっている世界をもっとダイレクトに伝えたかった。そこで思いついたのが、ああいう細かい演出だったんです。

DIR EN GREYはあのメンバー全員の意見が混ざり合う中でカタチになるバンドだから、やっぱり『PERSUASIO』みたいに個人の純度が高いものを出すことは難しいんですよ。

―では、その演出がどういうものだったのか、一つひとつ振り返っていきましょう。まずは京さんの朗読が聞こえてくるヘッドホンを設置した、小さな朗読部屋について。あのヘッドホンには両側に実寸大の手型がつけられていましたよね。あと、会場の中央にはポツンと足型も置かれていて。

:あれは僕自身の手足をかたどったものですね。もちろん、あれも自分の世界観により近づけようとして考えたものです。僕の朗読を聞いている人の頭に僕の手があったら、かなり気持ち悪いだろうなと(笑)。あの朗読部屋自体は、ものすごく不親切な作りになっていたと思うんですけど。

『我葬』展示風景
『我葬』展示風景

ヘッドホンに京の手をかたどったオブジェが添えられている
ヘッドホンに京の手をかたどったオブジェが添えられている

―スタッフの方に案内してもらうまで、僕はあのスペースがあることにまったく気づかなくて。というか、恐らくほとんどのお客さんが気づいてなかったと思います(笑)。

:あの入り口、本当はもっと小さくして、存在に気づいた人だけが朗読を聞けるようにしたかったんです。そうしないと、朗読部屋に入りたくても入れない人がたくさん出てきちゃいますからね。それでも朗読の時間を当初の予定より短いものに変えたり、できる限りの工夫はしたんですけど。

『我葬』会場風景
『我葬』会場風景

―来場者のことを配慮した上で、あえて見つかりづらい部屋にしたわけですね。あと、『我葬』の会場内には少し甘い香りが立ち込めていましたね。やはりあれも京さんが用意したものだったんでしょうか?

:僕、もともと香水があまり得意ではないんですけど、あの香りに関しては、実はだいぶ前から構想していたんですよ。

―というのは?

:街を歩いていたりすると、よく「あれ? なんかこの香り知ってる」みたいなことってあるじゃないですか。自分のライブでもそういう体験をしてもらえたらいいなと思って。つまり「sukekiyoのライブって、いつもあの香りがするんだよね」みたいな感じですね。今まではなかなかその香りを作る機会がなかったんですけど、今回やっとそれを実現することができました。

―あの香り自体も京さんがプロデュースしたオリジナルだったんですね。そして、この個展のメインとも言える演出が、万有引力(寺山修司が主宰した劇団「天井棧敷」を引き継ぐ演劇実験室)のパフォーマンスです。万有引力とは以前にsukekiyoのライブでも共演されていましたね。

:はい。僕は万有引力さんのことを「人間の内面を表現している」方々だと思っているので、今回はそんな彼らに自分の詩を読んでもらいつつ、その場の空気感や流れの中で自由に表現していただけたらなって。この個展では僕の脳内に渦巻いているものを来てくれた人たちに感じてほしかったので、万有引力さんはそこをよりわかりやすく伝えてくれるんじゃないかと思ったんです。

万有引力と共演したsukekiyoライブ風景
万有引力と共演したsukekiyoライブ風景

―なるほど。そして今回の個展にはこうした仕掛けだけでなく、今後の新たな活動を示唆するような展示品もありました。

:はい。『flexus』のことですよね?

―そうです。その「flexus」というネームプレートと共に、黒い服を纏った2体のマネキンが展示されていて。つまり、京さんはこれから服のプロデュースもしたい、ということですよね?

:そうですね。ライブではもちろん、普段着としても自分が着られるものを作りたいなと思って。ただ、この件に関しては洋服屋さんみたいに毎シーズン何かを発表していくわけではなくて、あくまでも気が向いたときに出すような感じになりそうですね。それこそさっき話した香りも「flexus」から出したいと思ってます。ちなみにあの香りには、「elisabeth addict」という名前をつけたんですけど。

―なるほど。そこはsukekiyoとリンクしているんですね(sukekiyoのアルバム『IMMORTALIS』には同名曲“elisabeth addict”が収録されている)。そもそもsukekiyoの始動は京さんの歌詩表現を一気に拡大させた印象もあるのですが、その点はいかがですか? たとえばそれはsukekiyoのライブ映像作品『PERSUASIO // 2015.2.28 sukekiyo 2015 live 「The Unified Field」 -VITIUM-』(以下、『PERSUASIO』)の中に出てくる、詩にフォーカスを当てた映像演出などからも強く感じたのですが。

:そうですね。『PERSUASIO』の映像はsukekiyoの未架(Dr)が作ったんですけど、いわゆるライブ映像とはまったく違うものにしたくて、完成までにはかなりの時間をかけました。DIR EN GREYはあのメンバー全員の意見が混ざり合う中でカタチになるバンドだから、やっぱり『PERSUASIO』みたいに個人の純度が高いものを出すことは難しいんですよ。

―ちなみに、『PERSUASIO』とはラテン語で「確信」という意味なんだそうですね。sukekiyoの楽曲にはスパニッシュギターを取り入れたものもあるし、実はsukekiyoのキーワードって「ラテン」なのかなとも思ったんですが。

:sukekiyoのメンバーには、ああいう民族的な要素を好む人がけっこう多いんです。そこでもっと無国籍な音楽、あまりジャンルが判別できないような音楽を求めていったら、自然とああいうカタチになっていったというか。

何かをやりたい気持ちっていつ途切れるかわからないじゃないですか。だから、思いついたことはどんどんやりたいんです。

―今や京さんはDIR EN GREYやsukekiyoだけでなく、さまざまなプロジェクトを同時進行させていますよね。きっと休む間もない状態だと思うのですが。

:まあ、そうかもしれないけど、僕の場合は自分がやりたいことしかやってないですからね。作るのもわりと早いほうだし、締切に追い込まれるようなこともあまりないので。

―じゃあ、現在の京さんが苦に感じていることは特に何もないということ?

:いや、基本的に自分がやりたいこと以外はすべて苦痛ですよ(笑)。イヤでもやらなきゃいけないことって、やっぱり出てくるじゃないですか。やれ海外に何週間ツアー行けだとか、そういうのは本当に辛い。そこに関してはめちゃくちゃ駄々こねますね(笑)。

―ははは(笑)。ここからまた新たに始めたいと思っていることは何かありますか? 以前は造形物にも取り組みたいとおっしゃっていましたが。

:なかなか手がつけられずにいるけど、やっぱり今も造形には興味ありますね。あとは……他にもう1つくらいはバンドをやってみたいかな。

―えぇ! DIR EN GREYとsukekiyoの他に、もう1つ結成するってことですか?

:まあ、さすがにそれは物理的に難しそうだし、まわりからも「それはやりすぎ」と言われそうだから、今のところそこは考えないようにしていますけどね(笑)。でも、もし今ここで何か新しいアイデアを思いついたとしたら、やっぱり僕はそれをやらないと気が済まなくなると思う。それに、こういう気持ちっていつ途切れるかわからないじゃないですか。そのうち「もう俺は何もやりたくない」みたいな状態になる可能性だってあるかもしれないし、何かやりたいという気持ちが湧いてくるうちに、思いついたことはどんどんやりたいんです。

―いずれ3つ目のバンドを組む可能性もなくはないと。バンドといえば、DIR EN GREYのDie(Gt)さんも、京さんに続いて新たにDECAYSというバンドを始動させましたね。つい先日、早くもsukekiyoとの共演が実現しましたが、これはどういった経緯から?

:DECAYSのことはDieくんからもよく聞いてたんですよ。それで「一緒にまわれるバンドを今は探しているんだよね」みたいな話になって、「じゃあ、一緒にやろう」と(笑)。もちろんこっちも刺激がもらえますし、やっぱり新しいことを立ち上げるときって大変じゃないですか。だから、僕もそこでちょっとでもDieくんの力になれたらなって。それぞれのメンバーがこうしてDIR EN GREYとは違ったことに挑戦できているのは、すごくいいことだと思います。

京

自分がやりたいことをそのまま出すだけでは、やっぱりダメ。自分の中にある世界観にどうやってみんなを連れていくか。そこまで考えられる人だけが、アーティストと呼べるところにたどり着けるんじゃないかな。

―たしかにそれはDIR EN GREYにもいい影響を及ぼしそうですね。それにしても、京さんのアイデアや創作意欲って、一体どこから湧いてくるんですか? それだけアウトプットが多いと、やっぱりそれに伴うインプットも必要になってくると思うんですが。

:そうだな……。たしかに僕はどこから刺激を受けているのか、自分でもよくわからないですね。最近は映画もぜんぜん見ていないし……。でも、そういう意味ではニュースが一番刺激になっているかもしれません。

―つまり、世間で起きた事件や時事的な話題ということ?

:そうですね。こういう言い方は語弊があるかもしれないけど、ニュースが一番面白いというか、基本的には事実を伝えているわけだから、そこで思うことはやっぱりあるんです。それに今は情報がたくさんあるから、アンテナは常に高くしておきたいんですよね。まあ、そこで何か新しい情報を得たとしても、自分がそこから先に踏み込むことはほとんどないんですけど。だいたいは「今はこういうものが流行ってるんだ。へぇ」で終わりなので。

―じゃあ、最近何かハマったものがあるかと言われても、特に思いつかない?

:うーん……。けっこう前の話になっちゃいますけど、『進撃の巨人』くらいかな。あとは(アレハンドロ・)ホドロフスキーとか。でも、それも古い話になっちゃいますね。僕は本とかも読まないし……。よく人からは「これ読んだほうがいいよ」みたいに薦められるんですけどね。そういう話はだいたい右から左に流してしまっています。「はい、時間があるときに」って。

―あまり興味がないと(笑)。

:それもあるし、そこで何かに影響されたくないんです。特に若い頃って、自分の好きなアーティストから受けた影響が、作品にそのまま表れたりするじゃないですか。そういう作品を大人になって見返したときの後悔が、僕は今でもすごいトラウマになっているので。もちろん、自分が本来持っているものに何かの影響が加わることで、よりすごいものができるってことはあると思います。でも、僕がやりたいのは、自分の中から出てきたものを純度100パーセントの状態でカタチにすることだから。

京

―そのためには常に「自然」な状態でなければいけない。前回の取材でも、京さんはそうおっしゃっていましたね。

:そうですね。ただ、純度が高い表現を続けていくには、ある程度の微調整というか、わかってもらえるための努力も必要だと思っています。実際、僕自身はみんなから理解されやすいものに対してあまり興味がなかったりするけど、だからといって自分がやりたいことをそのまま出すだけでは、やっぱりダメなんですよね。自分の中にある世界観にどうやってみんなを連れていくか。そこまで考えられる人だけが、アーティストと呼べるところにたどり着けるんじゃないかな。

書籍情報

『我葬の詩』上巻 Deluxe Edition with DVD

2015年8月31日(月)からオフィシャル通販サイトで販売開始
著者:京
価格:9,180円(税込)

Penyunne Zemeckis online shop

書籍情報

『我葬の詩』上巻 Deluxe Edition

2015年8月31日(月)からオフィシャル通販サイトで販売開始
著者:京
価格:8,424円(税込)

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リリース情報

DIR EN GREY
『ARCHE』

2014年12月10日(水)発売
価格:3,240円(税込)
SFCD-0144

1. Un deux
2. 咀嚼
3. 鱗
4. Phenomenon
5. Cause of fickleness
6. 濤声
7. 輪郭
8. Chain repulsion
9. Midwife
10. 禍夜想
11. 懐春
12. Behind a vacant image
13. Sustain the untruth
14. 空谷の跫音
15. The inferno
16. Revelation of mankind

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イベント情報

DIR EN GREY
日本武道館2DAYS公演『ARCHE』

2016年2月5日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 日本武道館

2016年2月6日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 日本武道館

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『我葬の詩』上巻 Deluxe Edition with DVD

2015年8月31日(月)からオフィシャル通販サイトで販売開始
著者:京
価格:9,180円(税込)

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著者:京
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『ARCHE』

2014年12月10日(水)発売
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2. 咀嚼
3. 鱗
4. Phenomenon
5. Cause of fickleness
6. 濤声
7. 輪郭
8. Chain repulsion
9. Midwife
10. 禍夜想
11. 懐春
12. Behind a vacant image
13. Sustain the untruth
14. 空谷の跫音
15. The inferno
16. Revelation of mankind

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2016年2月5日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
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2016年2月6日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
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プロフィール
(きょう)

京都府出身。1997年に結成された5人組ロックバンド、DIR EN GREYのヴォーカリストとして、すべての楽曲の作詩を手がけている。1999年のメジャーデビュー以来、アルバム、シングルの全作品がオリコンTOP10入りを果たしている。そのカテゴライズ不能なサウンド、圧倒的なライブパフォーマンスは国内外で高く評価され、欧米でも作品のリリース、ツアーを行ない世界中で熱狂的なファンを獲得している。京はソロとしても詩集、写真集、絵、イラストを発表し、2013年末より新たなバンド、sukekiyoを始動させるなど、活動の幅を広げている。



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