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変幻自在に言葉を操る、ぼくのりりっくのぼうよみという名の17歳

変幻自在に言葉を操る、ぼくのりりっくのぼうよみという名の17歳

ぼくのりりっくのぼうよみ『hollow world』
インタビュー・テキスト
武田砂鉄

……それよりも、モテたいですね。

―ネット発で音楽を発表し始めたわけですから、否応なしに自分が作った音楽への感想が目に入ってくると思います。そういう反応って、気にされたりするものですか。

ぼくりり:エゴサーチはよくしますね。習慣というか、趣味みたいなものです。プラスの感想もマイナスの感想も見ます。でもみなさん、そんなに細かくは書かないじゃないですか。「めっちゃいい」か、「そんなにいいか?」か、そのどちらかくらいしかなくて。だからどんな意見を見つけても怒ったりはしません。

―「◯◯だからダメ」の◯◯の部分がとっても具体的だったらどうでしょう。

ぼくりり:それは面白いと思います。僕の曲を聴いて、わざわざ意見をまとめてくれてるわけじゃないですか。「この曲はここが嫌いだ」って言うために何度も聴いて推敲してくれる。それ自体、面白いことですよね。

―とにかく人に委ねているのですね。主体性というか、自分からこうしたいという野心はありますか。

ぼくりり:野心ですか……ライブやってみたい、という思いは徐々に強くなってきましたね。これまでの数回のライブでは準備不足を痛感しましたし、そもそもライブと言っても2、3曲しかやったことがなかったので、長尺でやってみたいです。目の前のお客さんを喜ばせたいですね。

―そこはとても素直なんですね(笑)。

ぼくりり:そうですね(笑)。でも、最後にライブをやったのがもう1年前なので、僕のなかで「ライブ=すごく楽しかった」と記憶が捏造されているのかもしれません。

ぼくのりりっくのぼうよみ 撮影:神藤剛
撮影:神藤剛

―先ほど音楽の趣味が合う人がいなかったとおっしゃってましたが、学校生活には馴染めたんですか?

ぼくりり:バスケ部に入ったんですが、1日で辞めてしまいました。最初に、体育館の2階をランニングする練習をやって、それで超疲れて、辞めようと思いました。

―決断、早いですね(笑)。

ぼくりり:走りながら「帰りてぇ、帰りてぇ」って(笑)。僕は「楽しいからやってる」みたいなことはずっとやれるんですけど、何かを頑張るというのがあんまりできないんです。1日30回腹筋をするとか、英単語を1日1000個書くとか、そういう苦行は全然できない。だから、そういう意味では「はみ出し者」の代表ではありますよ。

―今、受験勉強中ですよね。受験って、色々な人を蹴落とさなきゃ自分は入れないわけですよね。それを戦いとか苦行とは考えてないですか?

ぼくりり:実際には、直接そこまでの人数とかかわらないじゃないですか。能力の差というか、頑張ったか頑張らなかったかの差と、効率の差ですよね。だから、蹴落とすとかじゃなく、「この人は僕よりもたくさん勉強したんだなあ。すごい」みたいな感じです。……それよりも、モテたいですね。

―えっ、こうやって音楽活動していたら、めっちゃモテませんか。

ぼくりり:いや、そんなことないです。男子校なんですよ、地獄です……。さっき模試を受けたときも、隣の席がカップルで、「は?」ってなりました。「この人たちより成績が悪かったら嫌だな」って。

―初めて怒りが出てきましたね。

ぼくりり:怒りですね(笑)。

―普段学校のクラスのなかではどういう存在ですか?

ぼくりり:どうなんだろう……何考えてるのかわからないってよく言われますね。僕はそんなに違わないと思うんですけど。みんながしているからこれをする、とかはあんまりないかなと。それが変だなと思われてるっぽいです。

意味って逆に何だよ、みたいな、逆ギレみたいな感じ。……キレて終わりましょうか(笑)。

―こういうインタビューでは、最後にまとめの一言が必要になるじゃないですか。どう答えますか。

ぼくりり:不思議な質問ですね(笑)。最後のまとめをお願いするんじゃなくて、「どうするか」を聞かれても……。

―どうしたらいいでしょう。

ぼくりり:「最高のアルバムなんで聴いてください!!!」みたいな感じですかね。

―ビックリマークを3つくらい入れますか。

ぼくりり:はい(笑)。でも、インタビュー記事の終わり方って割と唐突ですよね。それなのに意味を持たせすぎるというか。

―そういえば、「ぼくのりりっくぼうよみ」ってネーミングには特に大した意味がないそうで。

ぼくりり:本当に、棒読みだったから、ってだけなので。意味って逆になんだよ、みたいな、逆ギレみたいな感じ。……キレて終わりましょうか(笑)。

―「なんで意味がなきゃいけないんですか!」って。でも、そのうちインタビュー慣れしてきて、「『ぼくのりりっくのぼうよみ』って名前はですね……」って、その動機を15分くらい語れるようになるかもしれませんね。

ぼくりり:「これには、エピソードがあってですね……」みたいな(笑)。そのうち、感動的な話ができるようになっているといいですね。

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リリース情報

ぼくのりりっくのぼうよみ『hollow world』
ぼくのりりっくのぼうよみ
『hollow world』(CD)

2015年12月16日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VICL-64487

1. Black Bird
2. パッチワーク
3. A prisoner in the glasses
4. Collapse
5. CITI
6. sub/objective
7. Venus
8. Pierrot
9. Sunrise(re-build)

プロフィール

ぼくのりりっくのぼうよみ
ぼくのりりっくのぼうよみ

横浜在住の高校3年生、17歳。早くより「ぼくのりりっくのぼうよみ」、「紫外線」の名前で動画サイト等に投稿を開始。高校2年生だった昨年、10代向けでは日本最大級のオーディションである『閃光ライオット』に応募、ファイナリストに選ばれる。TOKYO FM『SCHOOL OF LOCK!』で、その類まれなる才能を高く評価されたことで一躍脚光を浴びた。これまで電波少女のハシシが主催するidler records から4曲入りEP『Parrot’s Paranoia』を発表している。他のトラックメーカーが作った音源にリリックとメロディーを乗せていくラップのスタイルをベースとしつつ、その卓越した言語力に裏打ちされたリリック、唯一無二の素晴らしい歌声、高校生というのが信じられない程のラッパー/ヴォーカリストとしての表現力が武器。

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