「月刊CINRA」連載 あの雑誌の特集、予想します。第17回 ブランドムック「JEANS MAT●」

第17回 ブランドムック「JEANS MAT●」
特集名「ワイルドなキーチェーン付いてるよ!」

雑誌の特集を勝手に予想しているこのコラムですが、最近では、ちゃんと刊行されてるよねと事前にHPを探るのが恒例であります。休刊のお知らせを前にしては予想も出来んからね。昨年は、安泰と言われていた女性誌までいくつか命を絶った。その一因と言われているのが、ブランドムック。イヴ・サンローランとかシェルとか、ブランドのオリジナル商品を付録にして、薄いパンフレットを添えてみる。ポーチでもトートバッグでも、そこでしか手に入らないのが売り。しかし、作り手にとっては「そこでしか手に入らないものをどこでも売りさばけるのが売り」。というわけでバカ売れした。浸食されるのは、当然女性誌売り場だ。今までいくら類型雑誌を出しても置き場には困らなかったそれらに、初めて土地争いが生じた。追い出されたあれこれはブランドムックを恨んだことであろう。

第17回
ブランドムック「JEANS MAT●」

しかし、大流行りだ。シェルのエコバッグは2個セットだった。エコバッグが2個。環境問題とか、ちょっとばかし忘れさせてくれということか。それをエゴと言うんだよ。エコバッグは2個でエグバッグ、そう覚えておくように。

さて、ここまで流行ると、いろんなブランドを捕まえてムックを出しましょうと躍起になっている。これらのムックがどこで売れているか。それはやはり地方なのだ。都心で過ごす女子たちには、みんなと一緒になっちゃうかもしれない可能性を考えて手が伸びにくいという側面があるんだろうか。地方のジャスコに入っている本屋を覗いてみなさい、そこはもうブランドムックだらけ。

そうか、地方受けを狙えばいいのかと、地方で流行らせるにはここしかないなと「JEAN● MATE」に話を持ちかける。勿論、何故かみんなつけてるあのキーチェーンが付録さ。ジーンズからあのチェーンをぶら下げるのが、ジャスコイズム(造語)ってもんさ。えっうそマジでおまえも持ってるの、なんて気付くのは、サイゼリアのドリンクバーでのこと。

こんな感じなんすけど、どうっすか、「JEANS ●ATE」のブランドムック。と、提案したら、上司がカンカンに怒っている。どうしてっすか。ブランドムックはな、普段買えない所のブランドじゃなきゃダメなんだよ。そこで、彼はようやく気付いた。そういえば、「●EANS MATE」って、無駄に24時間営業だったな。夜中の3時にジーパン買える文化構造に、本屋さんは勝てずにいるんだった。「ブランドムック JEANS MA●E」、断念。

[結果報告:的中率0%]
もちろん当たるわけありません。しかし、女性向けのブランドムックがここまで出てくれば、今年辺り男性向けの同系統ムックが出てくる可能性は高い。最初は、女性でも買えそうな男性ブランド、そのあとは男性しか知らないブランド、最後にJEANS ●ATE、ということで。



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