特集 PR

「月刊CINRA」連載 あの雑誌の特集、予想します。まとめ 雑誌が売れないのは、君が雑誌を買わないからだ。

「月刊CINRA」連載 あの雑誌の特集、予想します。まとめ 雑誌が売れないのは、君が雑誌を買わないからだ。

武田砂鉄
2010/04/14

雑誌が売れないのは、君が雑誌を買わないからだ。

どうして雑誌が売れないのかという議論が、お約束のように繰り返されている。議論をふっかけるその人は、その事実をとても憂いでいる。雑誌は文化だ、それなのに全く困ったものだよ、という立場を終始崩さないのだけれども、ところで最近雑誌買ってますかと直球でその人を攻めてみれば、おっとっと、と戸惑った挙句、そんなに買ってないねえと漏らす。しかし、雑誌が売れない原因はそこにもある。いや、そこにしかない。文化とか経済状況ではなくて、コンビニや書店に入った貴方が、雑誌を摘まずに店を出てしまうから、雑誌が売れなくなる。とても簡単でとても難しいシステムだ。売れないから、ダメになる。買わないから、続かない。雑誌に変わるモノが沢山出てきたからという言い訳は、その変わるモノの持ち上げには機能するが、雑誌そのものの解説にはならない。

広告が入らねえ、同じテーマのポータルサイトが出来てしまった、エロはもう動画がいくらでも……、要するに、肉体の出来不出来ではなく、飾る衣装の代替物に責任を押し付けている。雑誌を乱読する自分から言わせてもらうと、今もなお、雑誌は相当に面白い。雑誌という媒体は厳しくとも、雑誌という肉体はジューシーなままだ。どうやったって、インスタントラーメンが、継ぎ足しで作り続けるラーメン屋のスープに適わないのと同じだ。

しかしまあ、雑誌は面白い、と返した所で、雑誌は面白くない、と言われた相手には何も響かない。古臭いワタシと新しいアナタで、そういう会話を2カ月に1回くらいの頻度でどっぷりと語らってしまう。その度に考え込んだ。雑誌は今、どのように体感されているのだろうかと。その体感を探るために、普段読まない雑誌を中心に広げて、次号の特集予想でも勝手にやってみようかという話になった。雑誌があって、読者がいて、その読者に向かって編集部が何を叩き付けてくるのかを予想するという下世話は、なかなか思考の問われる邪推の連続だった。書店や図書館に出向き、しっかりとバックナッバーを当たって、次号はどうくるだろうかと推敲した。17回やってみた。書き終えてこうしてまとめてみる段階になって、実際どうだったのか、各回の巻末に結果報告をつけてみた。平均値を試算したら、的中率48.5%と出た。自己採点なので甘さたっぷりだが、なんとなく半分くらい、当たったとしておく。

結構当たったんじゃないかと思っている。ここで早速、噓をバラす。「書店や図書館に出向き、しっかりとバックナッバーを当たって、次号はどうくるだろうかと推敲した」と書いたが、そんなことは一切していない。HPから適当にバックナンバーを探って、鼻歌まじりに次号を考えていただけだ。そしたら、会議室で練りまくったオフィシャルと、思いつきのアンオフィシャルが、割と内容的に寄り添ってしまった。

雑誌を作っていらっしゃる皆さんにだって、オフィシャルな発案などあるわけもなく、思いつきの集積で雑誌が編まれていくのだから、こちらの予想がそれと合っていても、それは特に素晴らしいことではない。ただ、どうやら、「あの雑誌はこういう雑誌」という印象を瞬時に握られてしまっている、という危険は感じる。雑誌を買わない人に、あの雑誌はこういう雑誌でしょハイハイ、と簡単に思わせてしまう。それが、雑誌という肉体を外に晒してからの認知ならばまだしも、媒体としてのザックリとした易い認知によって簡素な理解をされてしまっている、そのことが悔しい。

予想をするのは、なかなか面白い。また続きをやってみたいが、その為には雑誌が生き残らなければ、ネタも尽きる。君が雑誌を買わないと、雑誌が無くなってしまう。この邪推の連鎖に少しでも面白みを感じていただいたなら、本屋に行って雑誌を買って欲しい。当たり前だけど、こんな連載より、雑誌は面白い。

Page 1

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

シャムキャッツ“逃亡前夜”

楽曲のビートにのせて流れる色鮮やかな、ばっちりキマった画。その中で、重力まかせに寝転んだり、うなだれたりするメンバーの身体や、しなやかな演奏シーンが美しい。どの瞬間を切り取っても雑誌の表紙のようで、約5分間、全く飽きがこない。(井戸沼)

  1. アジカン後藤と関和亮が語り合う、ゆとりなき今の社会に思うこと 1

    アジカン後藤と関和亮が語り合う、ゆとりなき今の社会に思うこと

  2. 『おっさんずラブ』映画化決定、2019年夏公開 田中圭が喜びのコメント 2

    『おっさんずラブ』映画化決定、2019年夏公開 田中圭が喜びのコメント

  3. ねごと×chelmicoが語る、「ガールズ」の肩書きはいらない 3

    ねごと×chelmicoが語る、「ガールズ」の肩書きはいらない

  4. SEKAI NO OWARIの新アルバム『Eye』『Lip』同時発売、ツアー&海外盤も 4

    SEKAI NO OWARIの新アルバム『Eye』『Lip』同時発売、ツアー&海外盤も

  5. 『アベンジャーズ/エンドゲーム(原題)』は4月に日米同時公開、予告編も 5

    『アベンジャーズ/エンドゲーム(原題)』は4月に日米同時公開、予告編も

  6. 斎藤工主演『麻雀放浪記2020』がマカオ国際映画祭出品中止、過激な内容で 6

    斎藤工主演『麻雀放浪記2020』がマカオ国際映画祭出品中止、過激な内容で

  7. 「マニアック女子」の部屋と部屋主を撮影、川本史織の写真展『堕楽部屋』 7

    「マニアック女子」の部屋と部屋主を撮影、川本史織の写真展『堕楽部屋』

  8. 入場料のある本屋「文喫 六本木」オープン間近、ABC六本木店の跡地に 8

    入場料のある本屋「文喫 六本木」オープン間近、ABC六本木店の跡地に

  9. 上白石萌歌がHY“366日”歌う、井之脇海との恋物語「午後の紅茶」CM完結編 9

    上白石萌歌がHY“366日”歌う、井之脇海との恋物語「午後の紅茶」CM完結編

  10. 大英博物館で日本国外最大規模の「漫画展」。葛飾北斎から東村アキコまで 10

    大英博物館で日本国外最大規模の「漫画展」。葛飾北斎から東村アキコまで